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建ぺい率をオーバーしていると気づいた時や、『通報されたらどうなるの?』と不安になった時、まず知りたいのは罰則のことですよね。
結論から言うと、建ぺい率違反が見つかると、特定行政庁から違反を直すよう命令を受けることがあり、その命令に従わないと重い罰則があります。いきなり罰せられるというより、通知や意見を言う機会をはさんで進むのが条文の流れです。
この記事では、建ぺい率違反の罰則と是正命令の流れを、建築基準法の条文に沿ってお伝えしますね。
建ぺい率違反をするとどうなる?先に結論
建ぺい率違反の建物は、特定行政庁から工事の停止や、除却・改築・使用制限などの是正の命令を受けることがあります。命令に従わないと、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象になります。
建ぺい率(建蔽率)は、敷地面積に対する建築面積の割合のことです。例えば敷地100㎡で建ぺい率60%なら、建築面積は60㎡までと決まっています。
特定行政庁は、建築の許可や是正の命令を出す役所のことです。土地のある自治体の建築の窓口を思い浮かべてください。
| 気になること | 答え | 根拠 |
|---|---|---|
| 違反が見つかると? | 是正の命令を受けることがある | 建築基準法9条1項 |
| 命令の前に話を聞いてもらえる? | 通知書が届き、意見書を出す機会がある | 9条2項・3項 |
| 命令に従わないと? | 3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金 | 98条1項1号 |
| 建ぺい率を超えて設計したら? | 設計者などに100万円以下の罰金 | 101条1項3号 |
| 建築主も罰せられる? | 建築主の故意なら、建築主にも同じ刑 | 101条2項 |
『罰金だけ払えば済むの?』と思う方もいるかもしれません。実は、罰則とは別に、違反を直す命令そのものが残るのが大事なところなんです。
建ぺい率の基本は建ぺい率とは?意味と計算方法で紹介しています。
違反が見つかってからの流れ:指導・是正命令・罰則の3段で見る
建ぺい率違反への対応は「話し合いや通知の段階」「是正命令の段階」「命令に従わない時の罰則の段階」の3段で進みます。早い段階で動くほど、取れる手は多く残ります。
違反というと、すぐに罰金や逮捕を想像しがちですよね。ただ、建築基準法の条文を読むと、命令の前に手続きがきちんと用意されています。

| 段階 | 起きること | 本人ができること |
|---|---|---|
| 1. 指導・通知 | 特定行政庁から違反の連絡があり、命令の前に通知書が届く | 意見書や有利な証拠を出す。3日以内なら公開の意見の聴取を求められる |
| 2. 是正命令 | 工事の停止、除却・改築・使用制限などの命令。標識などで公示される | 命令の内容に沿って直す。設計者や施工会社と相談する |
| 3. 罰則・代執行 | 命令に従わないと罰則の対象。行政が代わりに直すこともある | ここまで来る前に動くのが一番 |
1段目:命令の前に通知と意見書の機会がある
建築基準法9条2項では、命令をする前に通知書を渡し、意見書と有利な証拠を出す機会を与えることになっています。いきなり命令が出るわけではないんです。
さらに9条3項では、通知を受けた日から3日以内なら、公開の場で意見を聞いてもらうよう求められます。言い分がある時は、この段階でしっかり伝えておきましょう。
実際には、命令の前に自治体の担当者から連絡や相談があることもあります。どこまで話し合いをするかは自治体によって違うので、連絡が来たら早めに応じてみてください。
2段目:是正命令の中身
9条1項では、特定行政庁は違反した建物について、工事の停止を命じたり、相当の猶予期限を付けて違反を直す措置を命じたりできるとしています。
- 工事の施工の停止
- 建物の除却・移転
- 改築・増築・修繕・模様替
- 使用禁止・使用制限
- そのほか違反を直すために必要な措置
命令を受ける相手は、建築主や工事の請負人だけではありません。建物や敷地の所有者・管理者・占有者も含まれます。
つまり、違反した状態の中古の家を買った人が、所有者として命令を受けることもありえるわけです。命令をした時は、標識の設置などで公示することも決められています(9条13項)。
3段目:命令に従わないと罰則と代執行
命令に従わないと、98条1項1号の罰則の対象になります。また9条12項では、命じた措置が履行されない時は、行政代執行法に従って特定行政庁が自ら、または第三者にさせて直せるとしています。
違反かもしれないと気づいたら
『もしかして、うちもオーバーしているかも』と気づいた時は、慌てずに状況を確かめるところから始めましょう。通知が来る前でも、来た後でも、やることの順番は大きく変わりません。
- 確認済証・検査済証・図面で、建築面積と敷地面積を確かめる
- 土地の建ぺい率と、角地などの緩和が使えるかを確かめる
- オーバーの原因が、後から足した部分か、建物の本体かを見る
- 建築士や施工した会社に、直し方と申請の要否を相談する
- 自治体の建築指導課に、図面を持って相談する
ここからは説明用の例です。敷地150㎡で建ぺい率60%なら、建築面積の上限は150㎡×0.6=90㎡です。家の建築面積が86㎡で、後から人が入れる8㎡の物置を置いていれば、合計94㎡で94÷150=約62.7%になります。
| ケース | 建築面積の合計 | 建ぺい率 | 上限90㎡に対して |
|---|---|---|---|
| 家だけ | 86㎡ | 86÷150=約57.3% | 4㎡の余裕 |
| 物置を足した今 | 86㎡+8㎡=94㎡ | 94÷150=約62.7% | 4㎡オーバー |
この例なら、物置を撤去するか小さくすれば、上限の中に戻せます。原因が後から足した部分なら、直し方の相談もしやすいですよね。
『見つからなければいい』『命令が来ても放っておけばいい』と考えるのは危険です。命令に従わないことそのものが罰則の対象になり、代執行で強制的に直されることもあります。
建ぺい率違反の罰則:誰に何が科されるのか
建ぺい率違反の罰則は、立場によって中身が違います。命令に従わない人、確認を受けずに工事した人、建ぺい率を超えて設計した人で、それぞれ別の条文があります。
罰則は条文どおりに読むのが一番の近道です。現行の条文では、以前の「懲役」が「拘禁刑」という言葉に改められています。
| 対象 | どんな時 | 罰則 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 命令に違反した者 | 9条1項などの是正命令に従わない | 3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金 | 98条1項1号 |
| 確認を受けずに工事した者など | 6条1項の建築確認を受けずに工事した | 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 | 99条1項1号 |
| 設計者(工事施工者) | 53条1項・2項の建ぺい率に違反した | 100万円以下の罰金 | 101条1項3号 |
| 建築主 | 上の違反が建築主の故意による | 設計者などと同じ刑 | 101条2項 |
| 法人 | 従業者が業務として違反した | 法人にも罰金刑(両罰規定) | 105条 |

設計者が罰せられるのはどんな時?
101条1項3号は、建ぺい率に違反した建物の設計者を罰する条文です。設計図書を使わずに工事した時や、設計図書に従わずに工事した時は、工事施工者が対象になります。
そして101条2項では、その違反が建築主の故意による時は、設計者や施工者に加えて建築主にも同じ刑を科すとしています。
例えばこんな場面です。建築主が「検査が終わったら、庭にサンルームを足してほしい」と頼み、わざと建ぺい率を超えさせた場合は、建築主自身も罰則の対象になりえます。
確認を受けずに建てた時の罰則
建ぺい率とは別に、建築確認を受けずに工事したこと自体にも罰則があります。99条1項1号の1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。
建築確認は、工事の前に計画が法律に合っているかを確かめてもらう手続きです。確認の要否は増築・リフォームと建ぺい率でくわしく紹介しています。
よくある相談:建ぺい率が守られていない家を見かけたら
相談で多いのは「周りも守っていないのでは」「強引に増築したらどうなる」「通報されたら税金も上がるのか」の3つです。どれも、周りの状況と自分の家の扱いは別だと考えるのが出発点です。
Q&Aサイトでよく読まれている相談を要約して、答えてみます。
テラスやカーポートで建ぺい率を無視している家が多い?
「建ぺい率をオーバーしていても、テラスやカーポートを付けている家がたくさんある」という相談は、多く読まれています。『みんなやっているなら大丈夫では』と感じますよね。
ただ、周りで建ぺい率が守られていない家があっても、自分の家が違反してよいことにはなりません。中には、建てた後の法改正などで今の基準に合わなくなった既存不適格の家もあり、外から見ただけでは区別できないんです。
既存不適格と違反の違いは既存不適格とは?昔の家が今の建ぺい率に合わない場合で紹介しています。
強引に増築したらどうなる?
「増築すると建ぺい率がオーバーしてしまうけれど、強引に建てたらどうなるのか」という相談も読まれています。
この記事で見てきたとおり、是正命令を受けると、除却などで建てた部分を取り壊すよう求められることがあります。命令に従わなければ罰則もあります。
さらに、住宅金融支援機構のフラット35の基準では、是正命令などを受けて是正していない住宅は対象にならない形で書かれています。売る時や借りる時にも影響が残るので、強引に建てるのはやめておきましょう。
通報されたら税金も上がる?
「カーポートを建ぺい率違反で通報され、指導や増税を受けた人はいるのか」という相談もあります。
固定資産税で家屋にあたるかどうかは、建ぺい率とは別の物差しで判断されます。小田原市は、家屋の要件に建築確認の要否は含まれないと説明しています。
建ぺい率の違反と税額の関係を説明した公的な資料は、この記事を書くにあたって見つけられませんでした。税金のことは、市町村の税の窓口に聞いてみてください。
建ぺい率オーバー全体の扱いは建ぺい率オーバーするとどうなる?で、中古物件の場合は建ぺい率オーバーの中古物件で紹介しています。
これから建てる人が違反を防ぐには
建ぺい率違反は、建てる時と、建てた後に何かを足す時に起きやすくなります。最初の計画に将来の分まで入れておくと、後から悩まずにすみます。
これから家を建てるなら、カーポートや物置、サンルームを後から足す予定も、最初の打ち合わせで伝えておくのがおすすめです。例えばこんな伝え方です。
「将来カーポートと物置を置きたいので、その分を残して建ぺい率に収まるプランにしてもらえますか?」
「分かりました。建築面積の内訳を図面に書いて、残りがどれだけあるかお伝えしますね」
土地の建ぺい率の中でどんな家が建つかは、住宅会社によって提案が違います。いくつかのプランを並べてみると、家の広さと外まわりの余裕を比べやすくなります。
タウンライフ家づくりでは、希望の条件を入れるだけで、複数の住宅会社に間取りプランや資金計画、土地探しの提案を無料で依頼できます。建ぺい率が気になる土地でも、どんな家が建つかを具体的なプランで見比べてみるのも1つの方法です。
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もちろん、設計事務所に相談したり、自治体の窓口で建ぺい率を確かめたりするのも立派な進め方です。最後は土地のある自治体の建築指導課や、設計を頼む建築士に確かめれば安心ですよ。
よくある質問
建ぺい率違反の罰則はどのくらいですか?
是正命令に従わない場合は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です(建築基準法98条1項1号)。建ぺい率に違反した設計者などには100万円以下の罰金があり、建築主の故意なら建築主にも同じ刑が科されます。
建ぺい率オーバーが見つかったら、すぐに罰則がありますか?
条文では、命令の前に通知書が届き、意見書や有利な証拠を出す機会があります。そのうえで是正命令が出て、命令に従わない時に罰則の対象になります。
中古で買った家が建ぺい率違反だった場合、命令を受けるのは誰ですか?
9条1項では、建築主や請負人のほか、建物や敷地の所有者・管理者・占有者も命令の相手に含まれています。買った後は所有者として命令を受けることもありえます。
建ぺい率違反で固定資産税は上がりますか?
固定資産税で家屋にあたるかは、建ぺい率とは別の基準で判断されます。小田原市は、家屋の要件に建築確認の要否は含まれないと説明しています。税額のことは市町村の税の窓口に確かめてみてください。
罰則の「懲役」と「拘禁刑」は違うものですか?
現行の建築基準法の条文では、以前「懲役」と書かれていた所が「拘禁刑」に改められています。この記事では、今の条文どおり拘禁刑と書いています。
まとめ
- 建ぺい率違反には、是正命令と罰則の2つの面がある
- 命令の前に通知書が届き、意見書を出す機会がある
- 命令に従わないと3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金
- 建ぺい率に違反した設計者などは100万円以下の罰金、故意の建築主も同じ刑
- 周りが守っていなくても、自分の家の違反は許されない。計画の段階で防ぐ





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