増築・リフォームと建ぺい率|10㎡以下でも確かめること

建ぺい率と増築を紹介する記事のアイキャッチ。サンルームの付いた家と敷地図・定規

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子ども部屋を1つ足したい、サンルームを付けたい。そんな時に『建ぺい率って関係あるの?』『10㎡以下なら申請なしでいいって聞いたけど』と迷っている方も多いはずです。

結論から言うと、増築で建築面積が増えるなら、規模に関係なく建ぺい率の上限に収める必要があります。10㎡以下で確認申請が要らない場合でも、建ぺい率を守る義務はなくならないんです。

この記事では、建ぺい率と増築の関係を3つの関門で順に判定する流れと、リフォームで気をつけることを計算例と一緒にお伝えしますね。

目次

増築に建ぺい率は関係ある?先に結論

先に結論

増築で1階の外側に部屋や屋根を足すと、建築面積が増えて建ぺい率に関わります。確認申請が要るかどうかと、建ぺい率を守る必要があるかどうかは、別の話として考えましょう。

建ぺい率(建蔽率)は、敷地面積に対する建築面積の割合のことです。建築面積は、建物を真上から見た時に、外壁や柱の中心線で囲まれた広さを言います。

例えば敷地120㎡で建ぺい率60%の土地なら、建築面積は120㎡×0.6=72㎡までです。今の家が64㎡なら、増築で使える余りは8㎡ということになります。

気になること答え
増築すると建ぺい率は変わる?1階の外側に足すと建築面積が増え、建ぺい率も上がる
2階だけ足すなら?1階より外に張り出さなければ、建築面積は増えないことが多い
10㎡以下なら申請は要らない?防火地域・準防火地域の外の増築なら要らない
申請が要らなければ建ぺい率は無視していい?いいえ。申請が要らなくても建ぺい率は守る
内装のリフォームは?建築面積が変わらなければ建ぺい率には関係しない

『小さな増築なら、建ぺい率なんて気にしなくていいのでは』と思いがちですよね。ここが一番の勘違いポイントなんです。

建ぺい率の基本は建ぺい率とは?意味と計算方法で紹介しています。

増築は3つの関門で判定する

ここでの結論

増築の計画は「建ぺい率の余りがあるか」「確認申請が要るか」「防火地域・準防火地域か」の3つの関門を、順番に確かめると迷いません。

増築の話では、建ぺい率と確認申請の話が混ざって語られがちです。そこでこの記事では、3つの関門に分けて順に見ていきます。

増築の計画を、建ぺい率の余りがあるか、確認申請が要るか、防火地域・準防火地域かの3つの関門で順に判定する流れを示した図解
増築を判定する3つの関門
  1. 関門1:今の家の建築面積と土地の建ぺい率から、余りが何㎡あるかを確かめる
  2. 関門2:増築する部分の床面積と、新築か増築かで、確認申請が要るかを確かめる
  3. 関門3:土地が防火地域・準防火地域なら、10㎡以下でも確認申請が要る

関門1:建ぺい率の余りはあるか

最初に確かめたいのは、今の家の建築面積と、土地の建ぺい率の上限です。家の確認済証や図面に、建築面積と敷地面積が書かれています。

ここからは説明用の例です。敷地120㎡、建ぺい率60%の土地に、建築面積64㎡の家が建っているとします。

増築の大きさ建築面積の合計建ぺい率上限72㎡に対して
増築なし64㎡64÷120=約53.3%8㎡の余り
6㎡のサンルームを足す64㎡+6㎡=70㎡70÷120=約58.3%2㎡の余り
10㎡の部屋を足す64㎡+10㎡=74㎡74÷120=約61.7%2㎡オーバー

10㎡の部屋は、申請が要らない規模でも、この土地では建ぺい率を超えてしまいます。『10㎡以下だから大丈夫』とは言えないのが分かりますよね。

『㎡だとピンとこない』という方は、坪で考えてみてください。1坪は約3.3㎡なので、余りの8㎡は8÷3.3=約2.4坪です。

思っていたより小さいと感じた方も多いはずです。部屋を丸ごと1つ足したい時は、広さが足りないこともあります。

角地や防火地域などで建ぺい率の緩和が使える土地なら、上限が上がることもあります。自分の土地の数値は、自治体の都市計画図などで確かめておきましょう。

関門2:確認申請は要るか

建築確認は、工事の前に計画が法律に合っているかを、役所か民間の検査機関に確かめてもらう手続きです。都市計画区域などの中で建物を建てる時は、確認を受けるのが原則です。

ただし建築基準法6条2項には例外があります。防火地域・準防火地域の外で、増築・改築・移転の部分の床面積の合計が10㎡以内なら、確認は要らないとしています。

場面確認申請
更地に新しく建てる面積に関わらず要る
10㎡を超える増築要る
防火地域・準防火地域の外で、10㎡以内の増築要らない
防火地域・準防火地域の中で増築10㎡以内でも要る

10㎡は、増築する部分の床面積の合計で見ます。何回かに分けて足す場合も、まとめて考えておくと安心です。

関門3:防火地域・準防火地域か

防火地域・準防火地域は、火事が広がらないよう建物の造りを厳しくしている地域です。住宅地でも準防火地域に指定されていることがあります。

この地域では、10㎡以内の小さな増築でも確認申請が要ります。サンルームや物置の後付けでも同じなので、最初に確かめておきましょう。

申請が要らなくても建ぺい率は守る

建築基準法6条2項は、確認の手続きを要らないとしているだけで、建ぺい率などの決まりを守る義務まではなくしていません。和歌山市も、申請が要らない場合でも「建築基準法への適合は必要」と説明しています。

2025年4月の見直しにも気をつける

2025年4月の改正で、木造の建物の建築確認の対象が見直され、審査を省略できる範囲は平屋かつ延べ面積200㎡以下に縮小されました。2階建ての木造住宅は、確認申請で構造などの審査を受ける対象になっています。

増築やリフォームの規模によって、手続きが前と変わることがあります。工事を頼む会社に、今の決まりで確認が要るかを聞いてみてください。

増築で建ぺい率に入るもの・入らないもの

ここでの結論

屋根と柱か壁があって土地に定着していれば建築物になり、建ぺい率に入るのが基本です。後付けのサンルームやカーポートも、増築として扱われることがあります。

『部屋を足すのは増築だと分かるけど、サンルームやカーポートは?』と迷いますよね。建築基準法では、土地に定着していて、屋根と柱か壁があるものを建築物としています。

後から足すもの建ぺい率の扱いの目安
1階の部屋の増築建築面積が増え、建ぺい率に入る
サンルーム・ガーデンルーム建築物として増築にあたる(神戸市の説明)
カーポート建築物にあたる。開放性の条件に合えば端から1mを除ける
人が入れる物置建築物にあたり、建築面積を合計する
外から出し入れし、人が入らない小さな物置国土交通省の助言では建築物にあたらない
屋根のない駐車スペース建築物ではないので入らない
増築や後付けで建ぺい率に入るものと入らないものを、部屋・サンルーム・カーポート・物置・屋根のない駐車スペースに分けて示した図解

サンルームは増築になる

神戸市すまいの安心支援センターは、サンルームは屋根と柱または壁があるので建築物として扱われ、増築にあたると説明しています。防火地域・準防火地域では面積に関わらず確認申請が要り、ほかの地域では10㎡を超える場合に要るとしています。

1階の横にサンルームを後付けした一戸建ての外観写真

同じ説明では、建ぺい率や容積率が地域の制限を超えていないかを確かめることや、固定資産税の対象になる可能性もあげられています。くわしくはサンルーム・ガーデンルームは建ぺい率に入る?で紹介しています。

カーポートと物置はどう考える?

カーポートは壁がなくても、屋根と柱があるので建築物です。開放性の高い造りなら、屋根の端から1m以内を建築面積に入れなくてよい決まりもあります。扱いはカーポートは建ぺい率に入る?で紹介しています。

物置は、外から荷物を出し入れでき、中に人が入らない小さなものなら建築物にあたらないと、国土交通省が助言しています。人が入れる大きさなら建築物になります。目安は物置は建ぺい率に入る?をどうぞ。

2階に増築する時は?

2階に部屋を足す場合でも、1階より外に張り出さなければ、建築面積は増えないことが多いです。建ぺい率は真上から見た広さで測るので、上に足すだけなら影響しにくいんです。

ただし2階を足すと延べ面積が増えるので、容積率には関わります。容積率は、敷地面積に対する延べ面積(各階の床面積の合計)の割合です。2階が1階より外に出る造りなら、建築面積も増えることがあります。

リフォームと建ぺい率:オーバーの家や昔の家の場合

ここでの結論

建築面積が変わらないリフォームなら、建ぺい率は関係しません。ただ、今の建ぺい率をオーバーしている家では、増築や建て替えで今の基準に合わせる必要が出てきます。

建ぺい率とリフォームの関係は、建築面積が増えるかどうかで考えるとシンプルです。キッチンや浴室の入れ替え、内装や外壁の塗り替えでは、建築面積は変わりませんよね。

建ぺい率に関係しにくい工事
  • 内装・水まわりの入れ替え
  • 外壁や屋根の塗り替え
  • 間取りの変更(外側を広げない)
  • 窓やドアの交換
建ぺい率に関わる工事
  • 1階の外側への部屋の増築
  • サンルーム・テラス囲いの後付け
  • カーポート・人が入れる物置の設置
  • 庇やバルコニーを1m以上張り出す

庇やバルコニーは、外壁から1m以上突き出ると、先端から1m後退した線までが建築面積に入ります。後から大きな庇を付ける時も、少し気にしておきましょう。

既存不適格の家を増築する時

建てた時は適法で、後の法改正などで今の建ぺい率に合わなくなった家を、既存不適格と言います。そのまま住む分には問題ありません。

ただ、建築基準法3条3項3号・4号では、規定ができた後に工事を始めた増築などには、今の規定がかかるとしています。条文上は、増築後に今の建ぺい率に合わせる必要があると読めます。

建ぺい率の既存不適格は、大規模の修繕や模様替えなら今の基準への適合は求められません(施行令137条の12第7項)。くわしくは既存不適格とは?昔の家が今の建ぺい率に合わない場合で紹介しています。

検査済証がない家を増築する時

検査済証がない家を増築する時は、今の建物が法律に合っているかを確かめるところから始まります。国土交通省は、検査済証のない建物を調べるガイドライン(平成26年7月2日国住指第1137号)を出しています。

これに基づく法適合状況調査の報告書は、増改築の時の建築確認の資料などに使えるとされています。扱いは自治体や検査機関で違うことがあるので、早めに相談してみてください。

補足

すでに建ぺい率をオーバーしている家の扱いは、建ぺい率オーバーするとどうなる?で紹介しています。

増築の前に確かめる手順

増築は、施工会社を決める前に書類と数字をそろえておくと、話が早く進みます。申請しない、検査の後に足すといった進め方は、後で大きな負担になります。

『工事の会社に任せれば大丈夫でしょ?』と思うかもしれません。ただ、建ぺい率を守る責任は建てる側にもあるので、自分でも数字を押さえておきましょう。

増築の前に確かめたいこと
  • 家の確認済証・検査済証・図面で、建築面積と敷地面積を確かめる
  • 土地の建ぺい率と、角地などの緩和が使えるかを確かめる
  • 防火地域・準防火地域かどうかを確かめる
  • 増築する部分の床面積と、建築面積が何㎡増えるかを出してもらう
  • 確認申請が要るかを、施工会社と自治体に確かめる

施工会社への聞き方

見積もりを取る時は、大きさだけでなく、建ぺい率と申請のことも一緒に聞いておくと安心です。例えばこんな聞き方です。

「この増築で建築面積は何㎡増えますか?建ぺい率の上限に収まりますか?」
「図面で今の建築面積を確かめて、申請の要否と一緒にお伝えしますね」

答えがあいまいな時は、自治体の建築指導課(建築の窓口)に図面を持って相談してみてください。

やってはいけないこと

申請が要るのに出さずに増築する、完了検査の後に部屋やサンルームを足して建ぺい率を超える、といった進め方はやめておきましょう。違反になると特定行政庁から是正の命令を受けることがあり、売る時や住宅ローンの審査でも問題になります。

罰則や是正命令の流れは、建ぺい率違反の罰則と是正命令で紹介しています。

よくある相談:増築・リフォームと建ぺい率で迷うところ

ここでの結論

相談で多いのは「オーバーしている家はリフォームも建て替えもできないのか」「どの程度増築できるのか」「カーポートを足して超えたら違反か」の3つです。

Q&Aサイトでよく読まれている相談を要約して、答えてみます。

オーバーしている家は、リフォームも建て替えもできない?

「実家が建ぺい率と容積率をオーバーしていて、リフォームや建て替えができないのでは」という相談は、とても多く読まれています。

リフォームは、建築面積を増やさない内容なら、建ぺい率の面ではできることが多いです。建て替えは今の建ぺい率に合わせればできますが、今より1階が小さくなる場合があります。

オーバーの理由が既存不適格か違反かでも、話が変わります。まずは確認済証や図面で、建てた時の状況を確かめてみてください。

増築できる広さはどう決まる?

「増築を考えているが、建坪率でどの程度できるかが違ってくると言われた」という相談もあります。この相談の「建坪率」は、建ぺい率と同じ意味で使われています。

増築できる広さは、建ぺい率の上限から今の建築面積を引いた余りで決まります。この記事の例なら、上限72㎡から今の64㎡を引いた8㎡が、1階に足せる広さの目安です。

カーポートを足して建ぺい率を超えたら違反?

「家の敷地にアルミのカーポートを付けて、建ぺい率を超えたら違反になるのか」という相談も読まれています。

カーポートは建築物なので、家と合計した建築面積が上限を超えれば、建ぺい率に合わない状態になります。開放性の条件に合えば端から1mを除けるので、付ける前に計算してもらいましょう。

増築で足りなければ、建て替えのプランと比べてみる

ここでの結論

建ぺい率の余りが少ない家では、増築で欲しい広さが取れないこともあります。そんな時は、建て替えのプランと並べて比べると判断しやすくなります。

増築で足りない時の選び方は、家の状態や暮らし方で変わります。建て替えなら、今の建ぺい率の中で1階と2階の配分を最初から考え直せます。

選び方向いている場面気をつけること
余りの範囲で増築足したい広さが余りに収まる申請の要否と防火の地域を確かめる
2階に増築1階の余りがない容積率と構造を確かめる
建て替え家が古く、間取りから見直したい既存不適格なら1階が小さくなることも

例えば打ち合わせでは、こんなふうに聞くと話が早いですよ。

「増築で6㎡足す場合と、建て替えた場合で、使える広さはどれくらい変わりますか?」
「今の建ぺい率の上限で、両方のプランを出して比べてみますね」

建て替えのプランは、住宅会社によって提案が違います。いくつかのプランを並べると、増築と比べてどれだけ暮らしやすくなるかが見えやすくなります。

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増築の会社や設計事務所に相談したり、自治体の窓口で数字を確かめたりするのも立派な進め方です。最後は土地のある自治体の建築指導課や、設計を頼む建築士に確かめれば安心ですよ。

よくある質問

10㎡以下の増築なら建ぺい率を気にしなくていいですか?

いいえ。防火地域・準防火地域の外で10㎡以内なら確認申請は要りませんが、建ぺい率を守る義務はなくなりません。今の家の建築面積と上限を比べてから計画しましょう。

防火地域・準防火地域でも10㎡以下なら申請は要りませんか?

要ります。建築基準法6条2項で確認が要らないのは、防火地域・準防火地域の外の増築などに限られています。

建ぺい率をオーバーしている家はリフォームできますか?

建築面積を増やさないリフォームなら、建ぺい率の面ではできることが多いです。増築で建築面積を増やす場合は、今の建ぺい率に合わせる必要があります。

2階に部屋を増築すると建ぺい率は変わりますか?

1階より外に張り出さなければ、建築面積は増えないことが多いです。ただし延べ面積が増えるので、容積率は確かめておきましょう。

サンルームの後付けは増築になりますか?

神戸市すまいの安心支援センターは、サンルームは建築物として扱われ、増築にあたると説明しています。建ぺい率と確認申請の要否を確かめてから付けましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 1階の外側に足す増築は建築面積が増え、建ぺい率に関わる
  • 増築は建ぺい率の余り・確認申請・防火地域の3つの関門で判定する
  • 10㎡以下で申請が要らなくても、建ぺい率は守る
  • 防火地域・準防火地域では、10㎡以下でも確認申請が要る
  • 建築面積が変わらないリフォームなら、建ぺい率は関係しない
建ぺい率ドットコム

建ぺい率ドットコム 編集部

建ぺい率の意味と計算、用途地域ごとの数値、角地や防火地域の緩和、カーポートやバルコニーの扱い、調べ方までを、家づくりや土地探しの前に分かるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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