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1階を柱だけにして、駐車場や玄関まわりに使うピロティ。『壁がないなら、建ぺい率には入らないのでは?』と考える方も多いはずです。
結論から言うと、ピロティの上に2階がある部分は、建ぺい率の計算に使う建築面積に入ります。一方で、十分に外に開いていて部屋として使わなければ、容積率に使う床面積には入らないんです。
この記事を読めば、ピロティが建ぺい率と容積率でそれぞれどう数えられるかと、壁を付けた時に何が変わるかが分かりますよ。
ピロティは建ぺい率に入る?先に結論
ピロティは、上の階の外壁の中心線で囲まれた範囲が建築面積に入ります。柱だけで壁がなくても、真上から見て2階が覆っていれば建ぺい率に数えるんです。
建ぺい率(建蔽率)は、建築面積を敷地面積で割った割合です。建築面積は、建物を真上から見た広さのことでしたね。
神奈川県の建築基準法取扱基準では、ピロティは「上階の外壁等中心線で囲まれた部分の水平投影面積」が建築面積に含まれる、と書かれています。真上から見た影で考えるので、1階に壁があるかどうかは関係ありません。
「1階の床面積÷敷地面積」ではない
『建ぺい率って、1階の床面積を敷地面積で割るんでしょ?』と思っている方もいますよね。ふつうの家なら近い数字になりますが、ピロティのある家では大きくずれます。
例えば、1階の部屋が30㎡で、その上の2階が50㎡、残りの20㎡がピロティの家を考えてみます。1階の床面積は30㎡ですが、真上から見た広さは2階の50㎡です。
| 数え方 | この家の例 | 正しいか |
|---|---|---|
| 1階の床面積で数える | 30㎡ | 建ぺい率の計算には使わない |
| 真上から見た広さで数える | 50㎡(2階の外形) | 建ぺい率の計算はこちら |
建築面積は「外壁か柱の中心線」で囲む
建築面積は、外壁か、それに代わる柱の中心線で囲まれた範囲を真上から見た広さです(建築基準法施行令2条1項2号)。ピロティでは、上の階の外壁の中心線がこの線になります。
2階の床がピロティの柱よりさらに外へ張り出している場合も、上の階の外壁の中心線まで入ると考えておきましょう。柱の位置だけを見て計算すると、建築面積を小さく見積もってしまいます。
カーポートのように「端から1mを建築面積に入れない」決まりは、地階を除く階数が1の、開放性の高い建物が前提です。2階の下にあるピロティは、この決まりの対象ではないと考えるのが自然です。
建ぺい率の基本は建ぺい率とはでくわしく紹介しています。
ピロティを「建築面積」と「床面積」で見比べる
ピロティは、建築面積には入るのに、床面積には入らないことがある部分です。建ぺい率と容積率で答えが分かれるので、2つを並べて見ると迷いません。
ここが大事なところです。建ぺい率は建築面積、容積率は延べ面積(各階の床面積の合計)で計算します。ピロティは、この2つで扱いが違うんです。

| ピロティの状態 | 建築面積(建ぺい率) | 床面積(容積率) |
|---|---|---|
| 柱だけで十分に外に開き、部屋として使わない | 入る | 入らない |
| 柱だけだが、物置などとして使っている | 入る | 入る |
| 壁やシャッターで囲って車庫にした | 入る | 入る(車庫の緩和はある) |
| 壁で囲って部屋にした | 入る | 入る |
床面積に入らない条件
床面積については、国の通達「床面積の算定方法について」に考え方があります。ピロティは「十分に外気に開放され、かつ、屋内的用途に供しない部分」なら床面積に入れない、という扱いです。
「屋内的用途」は、住む・働く・物をしまうなど、部屋の中でするような使い方のことです。壁や扉がない部分は、この使い方をしているかどうかで判断するとされています。
物を置くと「屋内的用途」になる?
迷いやすいのが、ピロティに自転車や物置、棚を置くケースです。一時的に物を置くだけか、物をしまう場所として使い続けるかで、見られ方が変わってきます。
「ピロティの奥に収納棚を置こうと思って」
「棚で物をしまう場所にすると、床面積に入る扱いになることがあります。置き方を一緒に考えましょう」
「十分に外気に開放」がどの程度かは、細かい基準が自治体や確認検査機関で違うことがあります。床面積に入れない前提で計画するなら、早めに設計の担当者に確かめておきましょう。
計算例:ピロティのある家で建ぺい率と容積率を出す
ピロティは建ぺい率を使い切る一方で、容積率には余裕を残します。同じ家でも、ピロティを壁で囲うと容積率がオーバーすることがあるので、両方を計算しておきましょう。
敷地100㎡、建ぺい率60%、容積率100%の土地で考えてみます。建築面積の上限は100×0.6=60㎡、延べ面積の上限は100×1.0=100㎡です。
2階が60㎡、1階は部屋が40㎡で、残りの20㎡が柱だけのピロティという家です。
- 建築面積を出す:真上から見ると2階の60㎡が影になる
- 建ぺい率を出す:60÷100=60%で上限ちょうど
- 床面積を出す:1階は部屋の40㎡だけ、2階は60㎡
- 延べ面積を出す:40+60=100㎡
- 容積率を出す:100÷100=100%で上限に収まる
ピロティを壁で囲うとどうなる?
この家のピロティ20㎡を、あとから壁で囲って部屋にしたとします。建築面積は60㎡のままなので、建ぺい率は変わりません。
ところが、床面積は1階が60㎡になり、延べ面積は60+60=120㎡です。容積率は120%になり、100%の上限を超えてしまいます。
| 1階ピロティの使い方 | 建ぺい率 | 延べ面積 | 容積率 |
|---|---|---|---|
| 柱だけで開いたまま | 60% | 100㎡ | 100% |
| 壁で囲って部屋にする | 60% | 120㎡ | 120%(上限超え) |

ピロティにすると2階を広く取れる
同じ土地で、ピロティなしの総2階にした場合と比べてみます。1階と2階を60㎡ずつにすると、延べ面積は120㎡で容積率を超えますよね。
容積率100%に収めるには、2階を40㎡まで小さくする必要があります。ピロティを使えば、2階を60㎡のまま取れるわけです。
| 家の形 | 1階の床面積 | 2階の床面積 | 延べ面積 | 容積率 |
|---|---|---|---|---|
| 総2階(ピロティなし) | 60㎡ | 60㎡ | 120㎡ | 120%(超える) |
| 2階を小さくする | 60㎡ | 40㎡ | 100㎡ | 100% |
| 1階の一部をピロティにする | 40㎡ | 60㎡ | 100㎡ | 100% |
『1階と2階、どちらを広くしたい?』を考える時の材料になりますね。2階にLDKを置きたい家では、ピロティが合うこともあります。
完成後にピロティを壁で囲って部屋にすると、増築として扱われることがあります。容積率を超える形で囲うのは違反になるので、手を入れたい時は先に設計の担当者や自治体に相談してください。
ピロティを駐車場にする時のポイント
ピロティを駐車場にする時は、壁を付けるかどうかで床面積の扱いが変わります。建ぺい率はどちらでも入るので、容積率の余裕を見ながら決めるのが近道です。
ピロティは、狭い土地で車を置く場所を作る方法としてよく使われますよね。『屋根付きの駐車場にしたいけど、面積はどうなる?』という疑問もよく聞きます。
柱だけで開いたピロティを駐車場にする場合、床面積に入るかどうかは自治体の扱いで変わることがあります。壁やシャッターで囲って車庫にすると、床面積に入るのが基本です。
容積率には車庫の緩和がある
車庫として床面積に入る場合でも、容積率の計算には緩和があります。車庫などの部分は、延べ面積の5分の1を限度に入れなくてよい決まりです(施行令2条3項)。
ただし、この緩和は容積率だけの話です。建ぺい率には車庫を外す決まりがないので、真上から見て覆っている部分は建築面積に入ります。くわしくはガレージ・車庫は建ぺい率に入る?で紹介しています。
打ち合わせでは、こんなやり取りもよくあります。
「1階の駐車場にシャッターを付けたいんですが」
「付けると床面積に入るので、容積率に余裕があるか先に計算してみましょう」
- 2階の外形で建ぺい率を計算しているか
- ピロティを部屋や物置として使う予定がないか
- 壁やシャッターを付けた時の容積率も計算したか
- 車庫として使う時、5分の1の緩和の範囲に収まるか
- 自治体や確認検査機関の「外に開いている」の基準を確かめたか
よくある相談:ピロティと建ぺい率
Q&Aサイトでよく読まれている相談は、「建ぺい率にピロティやアーケードも入る?」「1階の大部分がピロティなら建ぺい率はどう計算する?」「ピロティの駐車場は壁の付け方で変わる?」の3つでした。
ピロティと建ぺい率について、多く読まれている相談を要約して答えてみます。
建ぺい率に、ピロティやアーケードも入る?
ピロティの上に階がある部分は、建築面積に入ります。建物から張り出した屋根のような部分は、外壁や柱の中心線から1m以上出ていると、先端から1mを引いた残りが入る決まりです(施行令2条1項2号)。
同じ相談に「テラスや屋上は延べ床面積に入る?」という続きもありました。屋上は下の階の範囲の上にあるので、建築面積を増やすものではない、と考えるのが一般的です。
1階の大部分がピロティなら、建ぺい率はどう計算する?
1階の床面積ではなく、真上から見た広さで計算します。1階がほとんど柱だけでも、2階が覆っている範囲は建築面積です。
この家の容積率には、ピロティ部分の床面積は入らないことが多くなります。そのぶん、2階や3階に床面積を回せるのがピロティの良さです。建ぺい率と容積率で答えが違う、というのがピロティの特徴なんです。
ピロティの駐車場、壁の付け方で建ぺい率は変わる?
建ぺい率は変わりません。壁があってもなくても、上の階が覆っている範囲は建築面積に入るからです。
壁の付け方で変わるのは、床面積のほうです。囲い方によっては容積率が増えるので、壁を足す前に計算し直しておきましょう。
中庭のように屋根がない場所なら、真上から見ても影にならないので扱いが変わります。コの字の家と比べたい方は中庭は建ぺい率に入る?も見てみてください。
ピロティの細かい扱いは、自治体や確認検査機関で違うことがあります。最後は、土地のある自治体の建築指導課や、設計を頼む建築士・住宅会社に確かめれば安心です。
ピロティを入れるかどうかで、駐車場の位置や間取りがかなり変わりますよね。建ぺい率が気になる土地でどんな家が建つのか、住宅会社に具体的なプランで出してもらう方法もあります。
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よくある質問
ピロティは建ぺい率に入りますか?
上の階が覆っている範囲は建築面積に入るので、建ぺい率にも入ります。柱だけで壁がなくても同じです。
ピロティは容積率に入りますか?
十分に外に開いていて、部屋や物置として使わない部分なら、床面積に入らないので容積率にも入りません。
ピロティと吹き抜けは何が違いますか?
ピロティは2階の下が外に開いた部分、吹き抜けは家の中で上下の階をつなぐ空間です。どちらも真上から見れば建築面積に入ります。
ピロティの柱は細い方が建ぺい率に有利ですか?
建築面積は上の階の外壁の中心線で決まるので、柱の太さや本数では変わりません。柱の位置より、2階の外形を見て計算します。
あとからピロティに壁を付けてもいいですか?
壁で囲うと床面積が増え、増築として扱われることがあります。容積率に余裕があるかを確かめ、先に設計の担当者や自治体に相談してください。
まとめ
- ピロティは上の階の外形で建築面積に入り、建ぺい率に数える
- 十分に外に開き部屋として使わなければ、床面積には入らない
- 建ぺい率は1階の床面積ではなく真上から見た広さで計算する
- 壁で囲うと容積率がオーバーすることがある
- 車庫の緩和は容積率だけで、建ぺい率には使えない





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