物置は建ぺい率に入る?置くだけの物置と基礎のある物置

物置が建ぺい率に入るかを紹介する記事のアイキャッチ。庭の物置と敷地図

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庭や駐車場の隅に物置を置きたいけれど、『建ぺい率がギリギリの家だし、置いたら違反になる?』と気になっていませんか。ホームセンターで買える物置でも、建ぺい率と関係があるのか分かりにくいですよね。

結論から言うと、建ぺい率の物置の扱いは「その物置が建築物に当たるかどうか」で決まります。人が中に入れる大きさで、土地に据え付けた物置は建築物になり、母屋の建築面積と合計して建ぺい率を計算します。

この記事を読めば、建ぺい率に入る物置と入らない物置の見分け方と、置く前に確かめる手順が分かりますよ。

目次

物置は建ぺい率に入る?先に答えをお伝えします

先に結論

人が中に入れる物置や、基礎で地面に据え付けた物置は、建築物として建ぺい率に入ります。外から荷物を出し入れするだけの小さな物置は、国の考え方では建築物に当たらないとされています。

建ぺい率(建蔽率)は、建築基準法53条1項で「建築物の建築面積の敷地面積に対する割合」と決められています。ポイントは「建築物の」という部分です。

つまり、物置が建築物に当たれば建ぺい率の計算に入り、当たらなければ入りません。まずは「建築物とは何か」を押さえておきましょう。

建築物とは「土地に定着して、屋根と柱か壁があるもの」

建築基準法2条1号では、建築物を「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」としています。

物置は屋根と壁があるので、土地に定着していれば、ほとんどの場合この定義に当てはまります。『置いているだけだから建物じゃない』と思っている方も多いはずですが、そう単純ではないんです。

同じ敷地の建物は建築面積を合計する

建築基準法53条1項には、同じ敷地に建築物が2つ以上ある時は「その建築面積の合計」で計算する、と書かれています。物置が建築物なら、母屋とは別の建物でも合計に入るということです。

物置の状態建築物に当たるか建ぺい率の計算
人が中に入れて、地面に据え付けてある当たる母屋の建築面積と合計する
外から出し入れするだけの小さな物置で、人は入らない国の助言では当たらないとされる入れない
コンテナを地面に置き、すぐには動かせない当たる母屋の建築面積と合計する

建ぺい率そのものの考え方は建ぺい率とはでくわしく紹介しています。

建ぺい率に含まれない物置の条件は?

ここでの結論

国土交通省の技術的助言では、土地に自立して置く小規模な物置のうち、外から荷物を出し入れでき、内部に人が立ち入らないものは建築物に当たらないとしています。この場合は建築確認の手続きも要りません。

建ぺい率に含まれない物置があるのは本当です。根拠になっているのは、国土交通省が平成27年2月27日に出した「小規模な倉庫の建築基準法上の取扱いについて(技術的助言)」です。

国の助言で示された3つの条件

助言の中身をかみくだくと、次の3つがそろった物置は、貯蔵槽に近いものとして建築物に当たらない、という考え方です。

建築物に当たらない物置の条件(国の助言)
  • 土地に自立して置く、小規模な倉庫(物置を含む)である
  • 外から荷物の出し入れができる
  • 中に人が立ち入らない

助言では、既製品かどうかや、構造の種類にかかわらずこの考え方で判断するとしています。手作りでも既製品でも、見るところは同じなんです。

「小規模」の大きさは自治体ごとに違う

助言には「小規模」が何㎡までかという数字はありません。そこで、自治体(特定行政庁)が独自に目安を決めていることがあります。

例えば横須賀市は、奥行が1m以下、最高の高さが2.3m以下で、床面積が2㎡以内のものを小規模な倉庫として扱うとしています。外から出し入れできないものや人が入るものは建築物に当たる、とも書いています。

補足

「10㎡までなら建ぺい率に入らない」という話を見かけることがありますが、建ぺい率の不算入の基準として公的に確かめられた数字ではありません。10㎡は、後で紹介する建築確認の手続きの話と混ざっていることが多いので注意してください。

「建築物に当たらない」と「建ぺい率に入らない」はセット

物置が建築物に当たらなければ、建築面積に数える対象から外れます。逆に、建築物に当たる物置は大きさが小さくても建築面積に入ります。

『じゃあ、うちの物置はどっち?』と迷いますよね。次の章で、迷った時に使えるチェックリストを用意しました。

物置を「大きさ」「基礎や固定」「地域」の3つで判定する

ここでの結論

物置の扱いは、①人が入れる大きさか、②基礎や固定で地面に定着しているか、③防火地域・準防火地域かの3つを順に見ると判断しやすくなります。①と②で建ぺい率、③で建築確認の要否が変わります。

物置の扱いを1つの言葉で覚えようとすると、かえって混乱します。この記事では、3つの物差しに分けて考えてみますね。

物置を大きさ、基礎や固定の有無、防火・準防火地域かどうかの3つの物差しで順に判定する流れを示した図解

物差し1:人が入れる大きさか

まず見るのは、中に人が入れるかどうかです。扉を開けて体ごと入り、奥の物を取り出すような物置は、国の助言の「内部に人が立ち入らないもの」には当たりません。

腰の高さくらいまでで、扉を開けて手を伸ばせば全部取り出せるような物置なら、助言の考え方に近くなります。ただ、何㎡までが「小規模」かは自治体ごとに違います。

物差し2:基礎や固定で地面に定着しているか

建築物の定義には「土地に定着する」という言葉があります。コンクリートの基礎を打った物置や、アンカーで地面に固定した物置は、土地に定着していると見られやすくなります。

『ブロックの上に置いただけなら大丈夫?』と思う方もいるかもしれません。国土交通省は、コンテナについて「随時かつ任意に移動できない」ものは建築物に当たると示しています。置き方よりも、簡単に動かせる状態かどうかで見られると考えておくと安心です。

物差し3:防火地域・準防火地域か

3つ目は、物置を置く場所が防火地域・準防火地域かどうかです。防火地域・準防火地域は、火事が広がりにくいように建物の燃えにくさを決めている地域のことです。

この地域かどうかで、建ぺい率そのものよりも、建築確認(工事の前に、計画が法律に合っているか役所や検査機関に確かめてもらう手続き)が要るかどうかが変わります。くわしくは次の章で紹介しますね。

3つを組み合わせた判定表

3つの物差しを組み合わせると、次のように整理できます。最後の判断は自治体の窓口になるので、目安として使ってください。

人が入れるか基礎や固定建ぺい率建築確認の目安
入らない(外から出し入れ)自立して置くだけ小規模なら入らない考え方建築物でなければ不要
入れる基礎あり・固定あり入る面積と地域で決まる
入れる置くだけ入る可能性が高い面積と地域で決まる
コンテナ・プレハブ小屋動かせない状態入る確認申請が要るとされる
よくある失敗
  • 『置くだけだから建物ではない』と思い込み、大きな物置を建ぺい率に数えずに置いてしまう
  • 「10㎡以下なら建ぺい率に入らない」と覚えてしまう
  • 防火地域・準防火地域かどうかを確かめずに置いてしまう

物置を置く時に建築確認は要る?10㎡ルールの本当のところ

ここでの結論

建築確認が要らないのは、防火地域・準防火地域の外で、増築などの部分の床面積が10㎡以内の時です。確認が要らなくても、建ぺい率などの決まりは守る必要があります。

「10㎡以下の物置なら申請はいらない」という話を聞いたことがある方も多いですよね。これは建築基準法6条2項の決まりがもとになっています。

6条2項の中身をかみくだくと

6条2項では、防火地域及び準防火地域の外で、建築物を増築・改築・移転する場合に、その部分の床面積の合計が10㎡以内なら確認の規定を適用しないとしています。条件は次の3つです。

建築確認が要らない条件
  • 防火地域・準防火地域の外であること
  • 増築・改築・移転であること(新築は含まない)
  • その部分の床面積の合計が10㎡以内であること

カーポートについて、高岡市は「都市計画区域内における建築物で10平方メートルを超える増築、改築、移転は建築確認申請が必要」と説明しています。家のある敷地に建物を足す時は、この考え方で見られることが多いんです。

防火地域・準防火地域では10㎡以内でも要る

防火地域・準防火地域では、10㎡以内でも建築確認が必要です。小さな物置だから大丈夫、とは言えない地域なんですね。

場所10㎡以内の物置(建築物)10㎡を超える物置(建築物)
防火・準防火地域の外確認不要になる場合がある確認が要る
防火地域・準防火地域確認が要る確認が要る
更地に物置だけを建てる新築として確認が要る新築として確認が要る

更地に物置だけを建てる時について、和歌山市は10㎡以下でも申請が必要と説明しています。

確認が要らなくても建ぺい率は守る

ここが大事なところです。確認が要らないのは「手続き」の話で、建ぺい率の決まりがなくなるわけではありません。

和歌山市も、カーポートや簡易物置について、申請が要らない場合でも「建築基準法への適合は必要」と説明しています。注意点として、建蔽率・屋根の材料・基礎の設置を挙げているんです。

増築と建ぺい率の関係は増築・リフォームと建ぺい率でくわしく紹介しています。

プレハブの物置・プレハブ小屋は建ぺい率に入る?

ここでの結論

プレハブ小屋は、人が入れて土地に定着していれば建築物として建ぺい率に入ると考えるのが自然です。プレハブそのものについての国の個別の見解は見当たらないので、建築物の定義と国の助言で判断します。

建ぺい率とプレハブの関係で迷う方も多いはずです。『工場で作った物を置くだけなら、建物じゃないのでは?』と思いますよね。

プレハブかどうかより「使い方と置き方」

国の助言では、物置が既製品かどうかや構造の種類にかかわらず判断するとしています。プレハブという作り方だけで、建築物かどうかが決まるわけではないんです。

人が入って作業する、物を出し入れするために中を歩く、といった使い方なら、「内部に人が立ち入らない」には当たりません。地面に据え付けて簡単に動かせないなら、土地に定着していると見られやすくなります。

コンテナを物置にする時の考え方

コンテナを物置や倉庫として使う方法もありますよね。国土交通省は、随時かつ任意に移動できないコンテナは建築物に当たり、一般に確認申請をして確認済証を受けないと設置できない、と示しています。

物の種類見るところ建ぺい率の扱いの目安
小型の物置(人が入らない)外から出し入れできるか小規模なら入らない考え方
大型の物置(人が入る)土地に定着しているか入る
プレハブ小屋人が入るか・動かせるか入ると考えるのが自然
コンテナ随時かつ任意に動かせるか動かせなければ入る

「部屋」として使う時はさらに慎重に

プレハブ小屋を書斎や作業部屋にしたい、という相談もよくあります。人が過ごす部屋として使うなら、物置以上に建築物としての扱いがはっきりします。

部屋として使うかどうかで、ほかの決まりが関わってくることもあります。計画の段階で、窓口や建築士に使い方まで伝えて相談してみてください。

物置を置く前に建ぺい率を計算してみましょう

ここでの結論

物置が建築物に当たるなら、母屋の建築面積に物置の建築面積を足して、敷地面積で割ります。上限までの「残り」を先に出しておくと、置ける物置の大きさが分かります。

物置が建築物に当たりそうだと分かったら、次は計算です。数字で見ると、置けるかどうかがはっきりしますよ。

物置を置く前の計算手順
  1. 図面や確認申請の書類で、母屋の建築面積を確かめる
  2. 敷地面積に指定建ぺい率をかけて、建築面積の上限を出す
  3. 上限から母屋の建築面積を引いて、残りを出す
  4. 物置の外形の広さ(真上から見た広さ)を出す
  5. 物置の広さが残りに収まるか確かめる

計算例:敷地150㎡・建ぺい率60%の家

例として、敷地150㎡、建ぺい率60%の土地に、建築面積84㎡の家が建っている場合を考えてみます。

項目計算答え
建築面積の上限150㎡×0.690㎡
母屋の建築面積図面の数字84㎡
残り90㎡−84㎡6㎡
置きたい物置(2m×2.5m)2m×2.5m5㎡
合計84㎡+5㎡89㎡
建ぺい率89㎡÷150㎡×100約59.3%

この例なら、60%以下なので上限に収まります。ただ、残りは1㎡だけになるので、あとからカーポートなどを足す余裕はほとんどありません。

計算例:建ぺい率いっぱいに建てた家

同じ敷地で、母屋の建築面積がちょうど90㎡の場合はどうでしょう。残りは0㎡なので、建築物に当たる物置を置くと上限を超えてしまいます。

『2㎡くらいなら大丈夫でしょ』と思いたくなりますよね。でも、合計92㎡なら建ぺい率は約61.3%で、60%を超えてしまうんです。

1坪の物置はどのくらい?

物置の大きさを坪で言われることもあります。1坪は約3.3㎡なので、1坪の物置なら約3.3㎡、2坪なら約6.6㎡です。

建ぺい率がギリギリの時の考え方は建ぺい率ギリギリで建てる時の注意点でも紹介しています。

住宅の庭の隅に置いた物置と、母屋との位置関係が分かる写真

よくある相談:物置と建ぺい率で多く読まれている質問

ここでの結論

Q&Aサイトで多く読まれていたのは、「カーポートや物置は建ぺい率に入るか」「建ぺい率いっぱいの家に物置を置いたら撤去を求められるか」「ログハウス風の物置は建ぺい率に入るか」という相談でした。

物置と建ぺい率について、実際によく読まれている相談を要約して答えてみます。同じ悩みを持つ方が多いテーマなんです。

相談1:カーポートや物置、ベランダは建ぺい率に入る?

屋根付きのカーポート・物置・洗濯物干し場・ベランダが建ぺい率に入るかまとめて知りたい、という相談はとても多く読まれていました。どれも「建築物か」「建築面積のどこまでが入るか」で考えます。

物置は、この記事で紹介したとおり、人が入れて土地に定着していれば入ります。カーポートは屋根と柱があるので建築物で、一定の開放的な構造なら端から1m以内を入れない決まりがあります。

相談2:建ぺい率いっぱいの家に大きな物置を置いたら撤去を求められる?

建ぺい率いっぱいの家の駐車場に大型の物置を置いた場合、あとで撤去を求められることがあるのか、という相談です。建築物に当たる物置で上限を超えれば、違反の状態になります。

建築基準法9条では、特定行政庁は違反した建築物について、除却や使用禁止などの是正を命じることができるとしています。見つかるかどうかではなく、置く前に上限内か確かめることが大切です。

建ぺい率を超えた時の扱いは建ぺい率オーバーするとどうなる?でくわしく紹介しています。

相談3:ログハウス風の物置は建ぺい率に入る?

庭にログハウス風の物置を置きたい、という相談も多く読まれていました。見た目が小屋に近く、人が中に入れる大きさなら、建築物として建ぺい率に入ると考えておくのが安心です。

『見た目はおしゃれな物置なのに』と思うかもしれません。ただ、判断されるのは見た目ではなく、人が入るか・土地に定着しているかなんです。

物置を買う前に確かめておくこと
  • 家の建築面積と敷地面積、指定建ぺい率を図面で確かめる
  • 物置を置く場所が防火地域・準防火地域かを確かめる
  • 物置に人が入る使い方になるかを考える
  • 基礎を打つか、アンカーで固定するかを決める
  • 迷ったら、自治体の建築指導課に図を持って相談する

これから家を建てる方は、物置の場所も先に計画しておく

これから家を建てる方なら、物置や自転車置き場の場所まで含めて計画しておくと安心です。建ぺい率ギリギリの家を建ててから物置を足すと、置ける物置がとても小さくなってしまうことも。

建ぺい率の扱いは自治体ごとに運用が違う部分もあります。最後は土地のある自治体の建築指導課や、設計を頼む建築士・住宅会社に確かめれば安心です。

物置まで含めて、その土地でどんな家と外まわりになるかは、住宅会社に具体的なプランで出してもらうと分かりやすくなります。複数の会社の間取りプランを並べて比べる方法もありますよ。

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よくある質問

物置は建ぺい率に入りますか?

人が中に入れて、土地に定着している物置は建築物として建ぺい率に入ります。外から出し入れするだけで人が入らない小規模な物置は、国の助言では建築物に当たらないとされています。

建ぺい率に含まれない物置はありますか?

土地に自立して置く小規模な物置で、外から荷物を出し入れでき、中に人が立ち入らないものは、建築物に当たらないとされています。小規模の大きさは自治体ごとに違うので、窓口で確かめてみてください。

10㎡以下の物置なら建ぺい率に入りませんか?

10㎡は、防火地域・準防火地域の外で建築確認が要らなくなる増築などの面積の話です。建築物に当たる物置なら、10㎡以下でも建ぺい率の計算に入ります。

プレハブ小屋は建ぺい率に入りますか?

人が入れて、簡単に動かせない状態で置くなら、建築物として建ぺい率に入ると考えるのが自然です。プレハブかどうかより、使い方と置き方で判断されます。

準防火地域に小さな物置を置く時は申請が要りますか?

建築物に当たる物置なら、準防火地域では10㎡以内でも建築確認が必要です。建築物に当たるかどうかも含めて、自治体の窓口に確かめてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 物置が建ぺい率に入るかは、建築物に当たるかどうかで決まる
  • 外から出し入れするだけで人が入らない小規模な物置は、国の助言では建築物に当たらない
  • 「小規模」の大きさは自治体ごとに違う
  • 判定は「人が入れるか」「基礎や固定」「防火・準防火地域か」の3つで考える
  • 10㎡は建築確認の話で、建ぺい率の不算入の基準ではない
  • 置く前に、上限までの残りを計算しておく
建ぺい率ドットコム

建ぺい率ドットコム 編集部

建ぺい率の意味と計算、用途地域ごとの数値、角地や防火地域の緩和、カーポートやバルコニーの扱い、調べ方までを、家づくりや土地探しの前に分かるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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