屋根のない駐車場は建ぺい率に入る?車の置き場と敷地の残し方

屋根のない駐車場が建ぺい率に入るかを紹介する記事のアイキャッチ。家の前の屋根のない駐車スペース

当サイトの記事は編集部が法令(e-Gov法令検索)や国土交通省・自治体などの公的な情報を調べて独自に執筆しています。記事内に家づくり・土地活用のサービスへの案内(広告)を含みます。

家を建てる時に『車を置くスペースって、建ぺい率に入るの?』と迷う方は多いはずです。特に土地が小さいと、駐車場と建物のどちらを優先するかで悩みますよね。

結論から言うと、屋根のない駐車場は、建ぺい率の計算に入らないのが基本です。ただ、屋根を掛けてカーポートやガレージにすると、話が変わります。

この記事を読めば、建ぺい率と駐車場の関係を押さえたうえで、車を何台置けるかを敷地の空地から逆算できるようになりますよ。

目次

屋根のない駐車場は建ぺい率に入る?

先に結論

屋根も柱も壁もない、地面だけの駐車スペースは、建築基準法の「建築物」に当たらないため、建ぺい率の計算には出てきません。

建ぺい率(建蔽率)は、建物の建築面積を敷地面積で割った割合です。ここで数えるのは「建築物」の建築面積だけなんです。

建築基準法2条1号では、建築物を「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」などと決めています。かみくだくと、屋根があって、柱か壁がある物が建築物です。

駐車スペースの形建築物に当たるか建ぺい率
屋根なしの土間コンクリート・砂利当たらない入らない
屋根と柱のカーポート当たる入る(緩和あり)
壁とシャッターのガレージ当たる入る
建物の中のビルトインガレージ建物の一部入る

つまり、地面を舗装しただけの駐車場は、何台分つくっても建築面積は増えません。建ぺい率で残さなければいけない空地を、そのまま車の置き場に使えるわけです。

「空地」は何に使ってもいい

建ぺい率は、敷地の中に空地を残して、日当たりや風通し、燃え広がりにくさを守るためのルールです。国土交通省の資料でも、敷地内に一定の空地を確保して建て詰まりを防ぐもの、と説明されています。

その空地を庭にするか、駐車場にするかは、基本的に自由です。屋根のない駐車場なら、空地として数えたまま車を置けます。

ただし、屋根のない駐車場の扱いを国や自治体が個別に説明した資料は見当たりませんでした。ここでの説明は建築物の定義からの考え方なので、迷う時は土地のある自治体の建築指導課(建築の窓口)に確かめておきましょう。

屋根を付けると建ぺい率に入る

ここでの結論

カーポートは屋根と柱があるので建築物になり、建築面積に入ります。開放的な形なら、端から1mの部分を入れなくてよい緩和があります。

『最初は屋根なしで、あとからカーポートを付けよう』と考えている方も多いですよね。ここで建ぺい率が関わってきます。

カーポートは屋根と柱でできているので、建築物に当たります。同じ敷地に建物が2つ以上ある時は建築面積を合計するので、家とカーポートの建築面積を足して建ぺい率を計算するんです。

カーポートには1mの緩和がある

壁がなく開放的なカーポートは、国土交通省の告示で決められた4つの条件を満たすと、屋根の端から1mの部分を建築面積に入れなくてよい扱いになります。

告示の4条件内容
外壁のない部分連続して4m以上
柱の間隔2m以上
天井の高さ2.1m以上
階数地階を除いて1

緩和を使うと、入る面積はかなり小さくなることがあります。岡山市の取扱基準の算定例では、柱が片側だけの片持ち型の車庫で、通常の算定なら4.5㎡のところ、緩和の条件に合えば1.5㎡になる例が載っています。

ただし、算定の細かいところは自治体や確認検査機関で少しずつ違います。岡山市の基準でも「多少の差異が見られる」と書かれているので、目安として見ておきましょう。

くわしい条件や計算は、カーポートは建ぺい率に入る?で紹介しています。

打ち合わせで聞いておきたい一言

家の設計の段階で、駐車場の話をしておくと後が楽です。例えば、こんなふうに聞いてみてください。

「将来カーポートを付けたいんですが、建ぺい率の余りは残りますか?」
「今の計画だと余りが少ないので、家を少し小さくするか、カーポートの大きさを先に決めておきましょう。」

このひと言があるだけで、あとから付けられないという事態を防ぎやすくなります。

ガレージは丸ごと入る

壁とシャッターで囲ったガレージは、外壁の中心線で囲まれた部分がそのまま建築面積に入ります。建ぺい率には、車庫だからといって差し引く決まりはありません。

『車庫は面積に入らないって聞いたけど?』という声もよくあります。それは容積率の話で、延べ面積から車庫部分を一定割合まで除ける緩和のことなんです。建ぺい率とは別のルールなので、ガレージ・車庫は建ぺい率に入る?もあわせて見てみてください。

よくある失敗

屋根なしの駐車場を前提に建ぺい率いっぱいの家を建て、あとからカーポートを付けようとして余りが足りなくなるケースです。将来屋根を付けるかもしれないなら、最初から余りを残しておきましょう。

建ぺい率で残る空地から、車の台数を逆算する

ここでの結論

敷地面積から建ぺい率の上限を引いた残りが、最低限残る空地です。そこに車を何台置けるかを先に計算すると、建物と駐車場の配分が見えてきます。

ここが大事なところです。小さな土地では、建ぺい率より駐車場の方が建物の大きさを決めてしまうこともあるんです。

計算の例として、車1台分の置き場を「幅2.5m×奥行5m=12.5㎡」としてみます。実際に必要な広さは車の大きさや前の道路の幅で変わるので、あくまで目安です。

空地の広さと置ける台数の早見表

建ぺい率いっぱいに建てた時に残る空地を、1台分の12.5㎡で割ってみました。

敷地面積(例)建ぺい率建築面積の上限残る空地面積だけで見た台数
99㎡(約30坪)60%59.4㎡39.6㎡3台分
100㎡50%50㎡50㎡4台分
132㎡(約40坪)60%79.2㎡52.8㎡4台分
165㎡(約50坪)60%99㎡66㎡5台分

例えば99㎡・60%なら、99×0.6=59.4㎡が上限で、残りは39.6㎡です。12.5㎡で割ると3.1ほどなので、面積だけなら3台分になります。

ただし、空地には玄関までのアプローチや庭、隣との間のすき間も含まれます。土地の形によっては、面積が足りても車が入らないこともあるんです。

敷地面積から建ぺい率の上限を引いて残る空地を出し、1台分12.5㎡で割って置ける台数を逆算する流れを示した図解

台数から建物の大きさを逆算する

反対に、「車は2台置きたい」と決まっている時は、駐車場から先に引いて考えます。

例えば敷地100㎡・建ぺい率60%で、2台分25㎡とアプローチ10㎡を取るとします。残りは100−25−10=65㎡で、建ぺい率の上限60㎡より広いので、建ぺい率いっぱいまで建てられます。

3台分の37.5㎡とアプローチ10㎡を取ると、残りは52.5㎡です。この場合は上限の60㎡より小さく、駐車場の方が建物の大きさを決めることになります。

置きたい台数駐車場+アプローチ建物に使える広さ建ぺい率の上限60㎡と比べて
1台22.5㎡77.5㎡上限60㎡まで建てられる
2台35㎡65㎡上限60㎡まで建てられる
3台47.5㎡52.5㎡駐車場の方が先に効く

敷地ごとの間取りの考え方は、30坪の土地で建ぺい率60%なら?や建ぺい率から考える間取りで紹介しています。

よくある相談:駐車場と建ぺい率

ここでの結論

相談で多いのは「屋根のない駐車スペースは入るか」「ガレージは入るのに露天は入らないのか」「狭い土地で駐車場と建物をどう両立するか」の3つです。

Q&Aサイトでよく読まれている相談を、要約して答えてみます。

一戸建ての駐車スペースは建ぺい率に入る?

一戸建ての駐車場スペースは建ぺい率に入るのか、屋根がある場合はどうか、という相談です。とても多く読まれている質問でした。

屋根のない駐車スペースは建築物ではないので、建ぺい率には入りません。屋根を掛けると建築物になり、カーポートなら緩和を差し引いた建築面積が入ります。

「駐車場は2台分、屋根なしで考えています。」
「それなら建ぺい率には入りませんが、将来屋根を付けるなら、その分も残しておきましょうか。」

屋根のない露天の駐車場は、本当に入らない?

カーポートのないガレージは建ぺい率に入らないと聞いたけれど、屋根のない露天の駐車場はどうなのか、という相談もあります。

ここは言葉が混ざりやすいところです。屋根のない「露天の駐車場」は入りませんが、壁とシャッターで囲った「ガレージ」は建築物なので入ります。

『ガレージって、駐車場のことじゃないの?』と思いますよね。会話の中では同じ意味で使われがちなので、屋根があるかどうかで分けて考えるのがおすすめです。

狭い土地で、駐車場と二世帯の家を両立したい

間口が狭く奥に長い20坪台の土地に、親と同居するための3階建てを建てたい、という相談もありました。こうした土地では、車の置き場をどう取るかも悩みどころですよね。

狭い土地では、駐車場を屋根なしにすると、そこを空地として数えたまま車を置けます。建物は建ぺい率の上限の範囲で、階数を重ねて床面積を確保する考え方になります。

1階の一部を車の置き場にするビルトインガレージにすると、その部分は建築面積に入ります。どちらが向いているかは、土地の形と道路の幅でも変わってきます。

将来の屋根まで見込んで、敷地の余りを残す

ここでの結論

今は屋根なしでも、将来カーポートや物置を付ける可能性があるなら、その分の建築面積の余りを最初の設計で残しておきましょう。

『今は屋根なしで十分』と思っていても、雨や雪、日差しが気になって、あとから屋根を付けたくなる方は少なくありません。

駐車場まわりで先に決めておくこと
  • 置きたい車の台数と大きさを家族で決める
  • 将来カーポートを付ける可能性があるかを話し合う
  • 付けるなら、その建築面積を余りとして残す
  • 物置や自転車置き場の場所も一緒に決める
  • 前の道路の幅と、車の出し入れの向きを確かめる

例えば敷地120㎡・建ぺい率60%なら、建築面積の上限は72㎡です。将来、緩和後の建築面積が10㎡のカーポートを付けたいなら、家は62㎡までにしておく計算になります。

もう1つ例を出すと、物置も人が中に入れる形なら建築物になり、建築面積に足されます。カーポート10㎡と物置2㎡を見込むなら、家は72−10−2=60㎡までです。

屋根なしの駐車場は空地のまま使えますが、そのまわりに置く物は建築面積に入ることがあるんです。物置の扱いは物置は建ぺい率に入る?で紹介しています。

カーポートやガレージを付ける時は、建築確認が必要になることもあります。防火地域・準防火地域では、小さな増築でも確認が必要になるので、付ける前に自治体の建築の窓口で確かめておきましょう。

駐車場の台数、将来の屋根、物置、道路の幅を先に決めてから、家の建築面積を決める順番を示した図解

これから建てる人は、駐車場込みのプランで比べる

駐車場を何台分取るか、屋根を付けるかで、同じ土地でも建てられる家の形が変わってきます。間取りだけ先に決めてしまうと、車の置き場があとから足りなくなることも。

建ぺい率が気になる土地なら、住宅会社に駐車場の台数も伝えたうえで具体的なプランを出してもらい、敷地全体の使い方で比べてみるのも1つの方法です。

タウンライフ家づくり(PR)

建ぺい率に合う間取りプランを、住宅会社に出してもらう

タウンライフ家づくりは、希望の条件を入力すると、住宅会社から間取りプラン・資金計画・土地探しの提案をまとめて無料で受け取れるサービスです。建ぺい率が気になる土地でどんな家が建つか、具体的なプランで比べられます。

無料タウンライフ家づくりを見る

提案内容は会社ごとに異なります。サービスの詳細は公式サイトでご確認ください。

よくある質問

屋根のない駐車場は建ぺい率に入りますか?

屋根も柱も壁もない駐車スペースは建築物に当たらないため、建ぺい率の計算には入りません。迷う形の時は、自治体の建築の窓口に確かめておきましょう。

カーポートは建ぺい率に入りますか?

屋根と柱があるので建築物になり、建築面積に入ります。開放的な形で告示の4条件を満たすと、屋根の端から1mの部分を入れなくてよい緩和があります。

車庫は面積に入らないと聞きましたが?

それは容積率の計算で、延べ面積から車庫部分を一定割合まで除ける緩和のことです。建ぺい率の建築面積には、車庫を差し引く決まりはありません。

駐車場は何台分取れますか?

敷地面積から建ぺい率の上限を引いた空地が、最低限残る広さです。1台分の広さで割ると目安が出ますが、アプローチや土地の形も関わるので、図面で確かめておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 屋根のない駐車場は建築物ではないので、建ぺい率に入らない
  • カーポートやガレージは建築物になり、建築面積に入る
  • 車庫の面積緩和は容積率の話で、建ぺい率には無い
  • 空地から台数を、台数から建物の大きさを逆算できる
  • 将来屋根を付けるなら、その分の余りを最初に残しておく
建ぺい率ドットコム

建ぺい率ドットコム 編集部

建ぺい率の意味と計算、用途地域ごとの数値、角地や防火地域の緩和、カーポートやバルコニーの扱い、調べ方までを、家づくりや土地探しの前に分かるように整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次