サイクルポートは建ぺい率に入る?自転車置き場の扱い

サイクルポートが建ぺい率に入るかを紹介する記事のアイキャッチ。家の横のサイクルポートと自転車

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家族の自転車が増えてきて、雨よけのサイクルポートを付けたい。でも『建ぺい率ギリギリで建てた家だけど、付けて大丈夫?』と迷っていませんか。

結論から言うと、屋根と柱のあるサイクルポートは建築物なので、建ぺい率に入ります。ただし、開放的な構造の条件を満たせば、屋根の端から1m以内の部分を建築面積に入れない決まりがあります。

この記事を読めば、自転車置き場の形ごとに、建ぺい率にどう入るかと、付ける前に確かめることが分かりますよ。

目次

サイクルポートは建ぺい率に入る?

先に結論

屋根と柱があるサイクルポートは建築物に当たり、建ぺい率の計算に入ります。屋根のない自転車置き場は建築物ではないので入りません。

建ぺい率(建蔽率)は、建築基準法53条1項で「建築物の建築面積の敷地面積に対する割合」と決められています。同じ敷地に建築物が2つ以上あれば、建築面積を合計します。

建築基準法2条1号では、建築物を「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」としています。サイクルポートは屋根と柱があるので、この定義に当てはまるんです。

自転車置き場の建ぺい率は「屋根があるか」で分かれる

自転車置き場の建ぺい率は、まず屋根があるかどうかで分かれます。地面に自転車ラックを置いただけなら、屋根も柱もないので建築物ではありません。

『小さいし、カーポートほど大きくないから入らないのでは?』と思う方も多いはずです。でも、大きさではなく、屋根と柱があるかどうかで決まるんですね。

サイクルポートと同じ考え方をするカーポートの扱いはカーポートは建ぺい率に入る?で紹介しています。

屋根なし・サイクルポート・物置型の3つで比べる

ここでの結論

自転車置き場は、屋根なし・サイクルポート(屋根と柱)・物置型(壁と扉で囲う)の3つに分けると、建築面積への入り方が分かりやすくなります。

自転車置き場の形はいろいろありますよね。この記事では3つに分けて、建築面積への入り方を比べてみます。

形建築物か建築面積への入り方注意点
屋根なし(ラックだけ)当たらない入らない敷地の空きとして残せる
サイクルポート(屋根と柱)当たる柱の中心線で囲んだ部分が基本。条件を満たせば端から1m以内を入れない屋根の出が1m以上なら超えた分が入る
物置型(壁と扉で囲う)当たることが多い壁の中心線で囲んだ部分が入る開放的な構造の緩和は使えない
屋根なし・サイクルポート・物置型の3つの自転車置き場を並べ、建築面積に入る部分を色分けで示した図解

屋根なしの自転車置き場

地面にラックを置いたり、白線で区切ったりしただけの自転車置き場は、建築物ではありません。建ぺい率の計算には入らないので、建ぺい率がギリギリの家でも選びやすい形です。

雨よけがないのは不便ですが、建ぺい率に余裕がない時の選択肢として覚えておくと安心です。

サイクルポート(屋根と柱だけ)

一般的なサイクルポートは、屋根と柱だけで壁がない形ですよね。建築面積は、柱の中心線で囲まれた部分が基本です。

屋根が柱から1m以上はみ出している時は、建築基準法施行令2条1項2号の決まりで、先端から1m下がった線までが入ります。片側の柱だけで支える形でも、この考え方は同じです。

物置型の自転車置き場

壁と扉で囲った物置型の自転車置き場は、物置と同じように考えます。中に人が入って自転車を出し入れするなら、建築物として壁の中心線で囲んだ部分が建築面積に入ります。

物置の扱いは物置は建ぺい率に入る?でくわしく紹介しています。

サイクルポートが建ぺい率に不算入になる条件

ここでの結論

国が「高い開放性がある」と認めて指定する構造なら、屋根の端から水平距離1m以内の部分を建築面積に入れません。条件は告示で4つ決められています。

サイクルポートの建ぺい率の不算入は、全部が入らなくなるのではなく、端から1m以内の部分を入れない、という決まりです。もとになっているのは、建築基準法施行令2条1項2号のただし書と、平成5年建設省告示第1437号です。

告示で決められた4つの条件

告示1437号では、高い開放性がある構造として次の4つを挙げています。全部そろった時に、端から1m以内を入れない扱いができます。

高い開放性がある構造の4条件
  • 外壁を有しない部分が連続して4m以上であること
  • 柱の間隔が2m以上であること
  • 天井の高さが2.1m以上であること
  • 地階を除く階数が1であること

サイクルポートは、カーポートより小さく、屋根が低めの物もありますよね。天井の高さが2.1mに届かない、柱の間隔が2m未満といった場合は、この緩和は使えません。

自治体の算定例と、運用の違い

岡山市の取扱基準には、駐輪場の算定例が載っています。通常の算定で7.5㎡となる例が、告示に合う場合は6.5㎡になる、という目安です。

同じ取扱基準には、開放的なカーポートや駐輪場の算定方法は各行政庁・審査機関で多少の差異がある、とも書かれています。細かい測り方は、土地のある自治体の建築指導課に確かめてみてください。

1m不算入の考え方はカーポートの建ぺい率緩和でくわしく紹介しています。

容積率の「不算入」と混ざりやすい

「自転車置き場は不算入」という話は、容積率の決まりと混ざっていることがあります。建築基準法施行令2条では、自動車や自転車の停留・駐車のための部分の床面積を、延べ面積の5分の1まで容積率の計算に入れない決まりがあります。

これは延べ面積(容積率)の話で、建築面積(建ぺい率)には同じ緩和がありません。『不算入って聞いたのに』と迷ったら、どちらの話かを確かめてみてください。

サイクルポートを後付けする前の計算と確認申請

ここでの結論

後付けの前に、今の建築面積と上限までの残りを計算し、サイクルポートの屋根の広さが収まるか確かめます。防火地域・準防火地域かどうかで、確認申請が要るかも変わります。

サイクルポートは、家を建てたあとに外構工事で付けることが多いですよね。付ける前に、数字で確かめておきましょう。

サイクルポートを付ける前の手順
  1. 図面で、家の建築面積と敷地面積、指定建ぺい率を確かめる
  2. 上限から家の建築面積を引いて、残りを出す
  3. サイクルポートの屋根の広さを出し、残りに収まるか見る
  4. 防火地域・準防火地域かどうかを都市計画図で確かめる
  5. 迷ったら、外構業者と一緒に自治体の窓口に相談する
サイクルポートを後付けする前に、建ぺい率の残りを出して屋根の広さが収まるかを確かめる手順を示した図解

屋根の広さで見ておくと安心

緩和の条件を満たすかどうかは、製品の寸法や設置の仕方で変わります。計画の段階では、屋根を真上から見た広さで残りに収まるかを見ておくと安心です。

例えば屋根が2m×3mなら6㎡です。この6㎡が残りに収まっていれば、緩和が使えなくても上限は超えません。

確認申請の目安

建築基準法6条2項では、防火地域・準防火地域の外で、増築などの部分の床面積が10㎡以内なら確認の規定を適用しないとしています。防火地域・準防火地域では、10㎡以内でも確認が必要です。

確認が要らない場合でも、建ぺい率は守る必要があります。和歌山市も、カーポートなどについて申請が要らない場合でも「建築基準法への適合は必要」と説明しています。

防火地域・準防火地域では屋根の材料にも気をつける

和歌山市は、カーポートなどの注意点として、建蔽率のほかに屋根の材料と基礎の設置も挙げています。防火地域・準防火地域では、屋根に使える材料に決まりが関わることがあるんです。

例えば岡山市は、床面積30㎡以下で、屋根以外の主な部分が燃えにくい材料で、側面が開放的なカーポート・駐輪場について、屋根の材料の扱いを示しています。こうした扱いは自治体ごとに違うので、製品を選ぶ前に外構業者に地域を伝えて確かめてもらいましょう。

よくある失敗
  • 10㎡以内なら建ぺい率に入らないと思い込む
  • カーポートを付けたあとに、サイクルポートを足して上限を超える
  • 準防火地域なのに確認申請は要らないと考える

よくある相談:サイクルポートで多く読まれている質問

ここでの結論

Q&Aサイトでは、「建ぺい率60%の土地でサイクルポートを後付けできるか」「10㎡以内なら建ぺい率に含まれないか」「外構工事の前に何を確かめるか」という相談が読まれていました。

サイクルポートと建ぺい率について、よく読まれている相談を要約して答えてみます。

相談1:敷地127㎡・建ぺい率60%、今51%の家に後付けできる?

容積率200%・建ぺい率60%の地域で、敷地127㎡、今の建ぺい率が51%という家の相談でした。例として計算してみますね。

  • 建築面積の上限:127㎡×0.6=76.2㎡
  • 今の建築面積:127㎡×0.51=64.77㎡
  • 残り:76.2㎡−64.77㎡=11.43㎡

この数字なら、屋根の広さが11㎡ほどまでのサイクルポートなら上限に収まる計算です。確認申請が要るかは、地域と面積で別に確かめます。

相談2:10㎡以内のサイクルポートなら建ぺい率に含まれない?

10㎡以内なら建ぺい率に含まれないのでは、という相談です。10㎡は確認申請が要らなくなる面積の話なので、建ぺい率には入ります。

『でも、10㎡以内なら役所に何も出さなくていいんでしょ?』と思いますよね。手続きが要らない場合でも、建ぺい率を超えればその時点で決まりに合わない状態になってしまいます。

よく聞く話実際の中身
10㎡以内なら申請は要らない防火・準防火地域の外の増築などの時だけ
10㎡以内なら建ぺい率に入らない建ぺい率の基準ではない。建築物なら入る
自転車置き場は不算入容積率の延べ面積の話。建ぺい率は端から1mの緩和だけ

相談3:引き渡し後の外構工事で付けたい

新築の引き渡しを受けて、これから外構工事でサイクルポートやカーポートを付けたい、という相談も多く読まれていました。外構は家とは別の業者に頼むことも多く、建ぺい率の残りが伝わっていないこともあるんです。

「この家の建築面積と、建ぺい率の残りはいくつですか?」
「図面だと残りは8㎡ほどです。カーポートと両方付けると超えますね」

こんなふうに、住宅会社と外構業者の両方に残りを確かめておくと安心です。

これから家を建てる方は、自転車置き場やカーポートの場所まで含めて計画しておくと、あとで困りにくくなります。外まわりまで含めた間取りプランを住宅会社に出してもらう方法もありますよ。

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よくある質問

サイクルポートは建ぺい率に入りますか?

屋根と柱があるサイクルポートは建築物なので、建ぺい率に入ります。開放的な構造の4条件を満たせば、端から1m以内の部分は建築面積に入れません。

屋根のない自転車置き場は建ぺい率に入りますか?

屋根も柱もないラックだけの自転車置き場は建築物ではないので、建ぺい率には入りません。

10㎡以下のサイクルポートは建ぺい率に入りませんか?

10㎡は確認申請が要らなくなる面積の話で、建ぺい率の基準ではありません。建築物なので建ぺい率には入ります。

サイクルポートの確認申請は要りますか?

防火地域・準防火地域の外で10㎡以内の増築なら、不要になる場合があります。防火地域・準防火地域では10㎡以内でも必要です。

カーポートとサイクルポートを両方付けると、建ぺい率はどう計算しますか?

同じ敷地の建築物は建築面積を合計します。家の建築面積に、カーポートとサイクルポートそれぞれの建築面積を足して、敷地面積で割って確かめます。

サイクルポートの屋根の出が大きい時はどうなりますか?

屋根が柱の中心線から1m以上出ていれば、先端から1m下がった線までが建築面積に入ります。4条件を満たす時は、端から1m以内を入れない扱いになります。

まとめ

この記事の要点
  • サイクルポートは屋根と柱があるので建築物として建ぺい率に入る
  • 屋根のない自転車置き場は入らない
  • 4条件を満たせば、端から1m以内を建築面積に入れない
  • 容積率の自転車置き場の不算入とは別の話
  • 後付けの前に、上限までの残りを計算しておく
建ぺい率ドットコム

建ぺい率ドットコム 編集部

建ぺい率の意味と計算、用途地域ごとの数値、角地や防火地域の緩和、カーポートやバルコニーの扱い、調べ方までを、家づくりや土地探しの前に分かるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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