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小さめの土地で家を考えると、『2階建てだと狭いから、3階建てにすれば広く住めるかも』と思いますよね。
結論から言うと、3階建てでも建ぺい率で決まる1階の広さは変わりません。増やせるのは床の合計で、その上限を決めるのは容積率や高さの決まりなんです。
この記事を読むと、3階建てで床を増やす時に、建ぺい率の次にどこを確かめればいいかが分かりますよ。
3階建てでも建ぺい率で決まるのは1階の広さ
建ぺい率は、敷地面積に対する建築面積(真上から見た建物の広さ)の割合です。3階建てでも、上の階が下の階に収まっていれば建築面積は1階の外形のままです。3階建てで増えるのは延べ床で、こちらは容積率で確かめます。
建ぺい率(建蔽率)の式は、建築面積÷敷地面積×100です。例えば敷地66㎡(約20坪)で建ぺい率60%なら、建築面積は39.6㎡までになります。
同じ土地で、2階建てと3階建ての床の合計を比べてみました。1坪は約3.3㎡で換算しています。
| 建て方(敷地66㎡・建ぺい率60%・容積率200%の例) | 建築面積 | 延べ床 | 容積率の上限132㎡に |
|---|---|---|---|
| 2階建て(各階39.6㎡) | 39.6㎡ | 79.2㎡ | 収まる |
| 3階建て(各階39.6㎡) | 39.6㎡ | 118.8㎡ | 収まる |
建築面積は同じなのに、延べ床は約40㎡増えています。これが、狭い土地で3階建てが選ばれる理由なんですね。
3階建ては階段の分も考えておく
3階建てでは、1階から3階まで階段が続くので、各階に階段の広さが要ります。床の合計が増えても、部屋に使える広さはその分だけ減るんです。
『延べ床が40㎡増えるなら、部屋が2つ増やせる』と考えると、少し期待しすぎかもしれません。増えた床のうち、どれくらいが部屋になるかを図面で確かめておきましょう。
建ぺい率の基本は建ぺい率とは?意味と計算方法、2階建ての考え方は二階建てと建ぺい率で紹介しています。
3階建てで床を増やす時は容積率が効く
3階建てにすると延べ床が大きくなるので、2階建ての時は余っていた容積率が上限に届きやすくなります。前面道路が狭い土地では、容積率そのものが下がることもあります。
容積率は、敷地面積に対する延べ面積(各階の床面積の合計)の割合です。2階建てでは余っていた容積率も、3階分を重ねると一気に使い切ることがあります。
前面道路が4mだと3階が小さくなる
前面道路の幅が12m未満なら、容積率は道路の幅でも制限されます。住居系の地域では、原則「道路の幅×0.4」が上限の1つになるんです。
さっきの66㎡の土地で、前面道路が4mだったとします。4×0.4=1.6で容積率は160%、延べ床の上限は66×1.6=105.6㎡です。
| 前面道路 | 容積率の上限 | 延べ床の上限 | 3階に使える広さ |
|---|---|---|---|
| 6m | 200%(指定のまま) | 132㎡ | 39.6㎡(1階と同じ) |
| 4m | 160% | 105.6㎡ | 26.4㎡ |
1階と2階で79.2㎡を使うと、3階に残るのは26.4㎡です。『3階も同じ広さで建つはず』と思っていると、ここで計算がずれてしまいます。
3階建ての前に確かめる4つの関門
建ぺい率で1階の広さを出したら、次は「容積率」「高さ」「斜線」「防火」の4つを順に確かめます。どれか1つで止まると、3階建てにしても思ったほど床が増えないことがあります。
3階建てで床を増やせるかどうかは、建ぺい率だけでは決まりません。次の順で確かめていくと、話がスムーズです。
- 容積率:前面道路の幅で下がらないかも含めて、延べ床の上限を出す
- 高さ:低層住居専用地域などで、建物の高さの上限がないか確かめる
- 斜線:道路・隣地・北側からの斜線で、上の階が削られないか確かめる
- 防火:防火地域・準防火地域に当たるか、建物の造りと緩和を確かめる

| 関門 | 何で決まるか | どこで分かるか |
|---|---|---|
| 容積率 | 都市計画の数値と前面道路の幅 | 都市計画図・重要事項説明書 |
| 高さ | 用途地域ごとの高さの上限 | 都市計画図・自治体の窓口 |
| 斜線 | 道路・隣地・北側との位置関係 | 設計者の計算 |
| 防火 | 防火地域・準防火地域の指定 | 都市計画図・重要事項説明書 |
高さ:低層住居専用地域では10mか12mまで
第一種・第二種低層住居専用地域と田園住居地域では、建物の高さが10mか12mのうち都市計画で決めた数値までに制限されます。3階建てを考えるなら、土地の用途地域と高さの上限を最初に見ておきましょう。
斜線:上の階が斜めに削られることも
道路斜線・隣地斜線・北側斜線は、道路や隣の土地から斜めに引いた線の内側に建物を収める決まりです。3階の外壁や屋根がこの線にかかると、3階の一部を斜めに削ったり、小さくしたりすることになります。
防火:地域によって造りと緩和が変わる
防火地域・準防火地域かどうかで、建物に求められる造りや、建ぺい率の緩和が変わります。準防火地域で準耐火建築物等にするなどの条件に合えば、建ぺい率に10%足せることもあるんです。
さらに、建ぺい率80%の地域で防火地域にある耐火建築物等なら、建ぺい率の制限そのものがかからない決まりもあります。商業系の地域で3階建てを考える時は、この扱いも確かめておきましょう。
ビルトインガレージ・屋上・ロフトの扱い
1階に車を入れるビルトインガレージは、建築面積には入りますが、容積率では床の合計の5分の1まで除けます。屋上やロフトは、建築面積を増やしません。
狭い土地の3階建てでは、1階を駐車スペースにする形がよく選ばれます。ここで大事なのは、建ぺい率と容積率で扱いが違うことです。
- ビルトインガレージは建築面積に入るか(入る)
- ガレージの床を容積率から除けるか(床の合計の5分の1まで)
- 屋上やロフトで建築面積が増えるか(増えない)
- 半地下の部分が地盤面から1m以下に収まっているか
ビルトインガレージは容積率でだけ緩和される
建物の中に組み込んだ車庫も、外壁で囲まれていれば建築面積に入ります。建ぺい率には、車庫を差し引く決まりがありません。
一方、容積率の計算では、車庫の床を床の合計の5分の1まで除けます。例えば床の合計120㎡のうち車庫が20㎡なら、上限の24㎡に収まるので、容積率は100㎡で計算できます。
くわしくはビルトインガレージの建ぺい率と容積率で紹介しています。

屋上・ロフト・半地下
屋上やロフト(小屋裏の物置)は、上から見た広さを増やさないので、建築面積は変わりません。地下の部分は、地盤面から1m以下に収まっていれば建築面積に入らない決まりです。
狭い土地で床を増やす工夫は、狭小住宅と建ぺい率でもまとめています。
よくある相談:3階建てと建ぺい率
3階建ての相談で多いのは「何㎡まで建つか」「3階建ては無理と言われた理由」です。建ぺい率で1階、容積率で延べ床を出し、それでも止まる時は高さや斜線を疑います。
知恵袋などで見かける相談を要約して、答えてみますね。数字は相談の内容をもとにした計算例です。
82㎡・建ぺい率80%・容積率200%で3階建てはどこまで?
1階の上限は82×0.8=65.6㎡、延べ床の上限は82×2.0=164㎡です。各階65.6㎡で3階建てにすると196.8㎡になり、容積率を超えてしまいます。
1階と2階で131.2㎡を使うなら、3階は32.8㎡までです。前面道路が狭い時は、さらに延べ床の上限が下がらないか確かめておきましょう。
22坪・建ぺい率60%で「3階建ては無理」と言われたのはなぜ?
22坪で建ぺい率60%なら、1階は13.2坪です。3階まで同じ広さで重ねても39.6坪で、容積率200%の上限44坪には収まります。
それでも無理と言われたなら、高さや斜線、前面道路の幅で止まっている可能性があります。「どの決まりで3階が建たないのか」を、言われた相手に聞いてみてください。
容積率300%と200%では何が違う?
「狭い土地の3階建てで、容積率300%と200%は何が違うか」という相談です。66㎡で建ぺい率60%なら、3階まで使い切っても118.8㎡なので、どちらでも収まります。
差が出るのは、建ぺい率80%で1階を広くした時です。各階52.8㎡で3階建てにすると158.4㎡になり、200%の132㎡は超えますが、300%の198㎡には収まります。
3階建てを計画する時の進め方
3階建ては、建ぺい率・容積率・高さ・斜線・防火を一度に見ながら決める家です。最後は土地のある自治体の建築指導課や、設計を頼む建築士・住宅会社に確かめておけば安心です。
3階建ては、階数が2以上なので建築確認の手続きが必要な建物に当たります。図面の段階で、4つの関門をどう通したかを説明してもらうと安心ですよ。
打ち合わせでは、こんなふうに聞いてみてください。
「この土地で3階建てにした時、容積率と斜線で床はどこまで取れますか」
「前面道路の幅と北側の斜線を入れて計算した案を出しますね」
2階建てで足りないかも先に計算する
『3階建てにすれば何とかなる』と決める前に、2階建てで足りないかも計算しておきましょう。例えば66㎡・建ぺい率60%の土地なら、2階建てで79.2㎡、3階建てで118.8㎡です。
家族に必要な広さが80㎡前後なら、2階建てで収まるかもしれません。3階建ては階段が1本増えるので、上り下りの暮らしやすさも一緒に考えておくと後悔が少なくなります。
建ぺい率が低めでも容積率に余りがあり、前面道路がある程度広く、10mや12mの高さの上限がかからない地域の土地です。反対に、低層住居専用地域で容積率も低い土地は、3階建てにしても床が増えにくい傾向があります。
建ぺい率50%・容積率100%のように容積率が低い土地では、3階建てにしても床が増えないこともあります。そうした土地の考え方は建ぺい率50%・容積率100%の土地で紹介しています。
同じ土地でも、3階をどう取るかは会社によって提案が分かれるところです。タウンライフ家づくりでは、希望の条件を入れるだけで、選んだ住宅会社に間取りプランや資金計画、土地探しの提案を無料で依頼できます。提案の内容や方法は会社ごとに違うので、3階建ての希望と土地の数字を書いて、プランで見比べてみるのも1つの方法です。
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よくある質問
3階建てにすると建ぺい率は増えますか?
上の階が下の階に収まっていれば、建築面積は変わらないので建ぺい率も増えません。増えるのは延べ床で、容積率で確かめます。
建ぺい率60%・容積率200%なら3階建ては建てられますか?
容積率だけなら、各階を建ぺい率の上限で3階まで重ねても180%なので収まります。ただ、前面道路の幅や高さ、斜線の決まりで止まることがあります。
ビルトインガレージは建ぺい率から除けますか?
除けません。建築面積には入ります。容積率の計算でだけ、床の合計の5分の1まで車庫の床を除けます。
低層住居専用地域でも3階建ては建てられますか?
高さの上限が10mか12mに決められているので、その中に収まれば建てられることもあります。斜線の決まりも重なるので、設計者に確かめてください。
3階建ては建築確認が必要ですか?
階数が2以上の建物は建築確認の対象です。建ぺい率や容積率、高さや斜線も、その審査の中で確かめられます。
まとめ
- 3階建てでも、建ぺい率で決まる1階の広さは変わらない
- 3階建てで増えるのは延べ床で、容積率の上限に届きやすくなる
- 建ぺい率の次に、容積率・高さ・斜線・防火の4つを順に確かめる
- ビルトインガレージは建築面積に入り、容積率でだけ緩和される
- 最後は自治体の窓口や設計者に数字を確かめてもらうと安心





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