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自宅の庭に倉庫を置きたい、あるいは持っている土地に事業用の倉庫を建てたい。そんな時、『倉庫も建ぺい率に入るの?』と迷いますよね。
結論から言うと、倉庫は建築物に当たれば建ぺい率に入ります。自宅の倉庫なら母屋と合計して計算し、事業用の倉庫ならその土地の用途地域で建てられるかどうかも合わせて確かめます。
この記事を読めば、自宅の倉庫と事業用の倉庫で、建ぺい率まわりの何が違うのかが分かりますよ。
倉庫は建ぺい率に入る?基本の考え方
屋根と柱か壁があり、土地に定着している倉庫は建築物です。建築物なら、同じ敷地のほかの建物と建築面積を合計して建ぺい率を計算します。
建ぺい率(建蔽率)は、建築基準法53条1項で「建築物の建築面積の敷地面積に対する割合」と決められています。同じ敷地に建築物が2つ以上あれば、建築面積を合計します。
そして建築基準法2条1号では、建築物を「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」としています。倉庫はふつう屋根と壁があるので、土地に定着していれば建築物になるんです。
建築物に当たらない小さな倉庫もある
国土交通省の技術的助言(平成27年2月27日)では、土地に自立して置く小規模な倉庫のうち、外から荷物を出し入れでき、中に人が立ち入らないものは建築物に当たらないとしています。この場合は建築確認の手続きも要りません。
「小規模」の大きさは自治体ごとに違います。例えば横須賀市は、奥行1m以下・高さ2.3m以下・床面積2㎡以内を目安にしています。
| 倉庫の状態 | 建築物に当たるか | 建ぺい率 |
|---|---|---|
| 人が入れて、土地に定着している | 当たる | 入る |
| 外から出し入れするだけの小規模なもの | 国の助言では当たらない | 入らない |
| 動かせない状態で置いたコンテナ | 当たる | 入る |
小さな物置の判定は物置は建ぺい率に入る?でくわしく紹介しています。
自宅の倉庫と事業用の倉庫を3つの点で比べる
自宅の倉庫と事業用の倉庫は、どちらも建築物なら建ぺい率に入る点は同じです。違いが出やすいのは、用途地域で建てられるかどうかと、確認申請の進め方です。
倉庫の相談は、自宅の庭に置く倉庫と、事業で使う倉庫で悩みの中身がかなり違います。そこで、建ぺい率・用途地域・確認申請の3つの点で並べてみました。
| 比べる点 | 自宅の倉庫(住まいの付属) | 事業用の倉庫 |
|---|---|---|
| 建ぺい率 | 母屋と合計して計算する | 敷地の建物すべてで計算する |
| 用途地域 | 住まいに付属する物置としての相談が多い | 倉庫業を営む倉庫は建てられない地域がある |
| 確認申請 | 増築で10㎡以内・防火地域外などなら不要になる場合がある | 規模が大きくなりやすく、計画段階から設計者と進める |
| 相談先 | 自治体の建築指導課・住宅会社 | 自治体の窓口・設計事務所・建設会社 |

自宅の倉庫は「母屋との合計」がポイント
自宅の倉庫で一番つまずきやすいのは、母屋の建築面積と合計するのを忘れることです。『母屋は建ぺい率ちょうどで建てたから、倉庫は別』と思っている方も多いはずです。
母屋が上限いっぱいなら、建築物に当たる倉庫を足す余裕はありません。置く前に、図面で母屋の建築面積を確かめておきましょう。
計算例:敷地120㎡・建ぺい率50%の家に倉庫を足す
例として、敷地120㎡、建ぺい率50%の土地に、建築面積55㎡の家が建っている場合です。庭に2m×2.5mの倉庫(建築物に当たるもの)を置きたいとします。
| 項目 | 計算 | 答え |
|---|---|---|
| 建築面積の上限 | 120㎡×0.5 | 60㎡ |
| 残り | 60㎡−55㎡ | 5㎡ |
| 倉庫の広さ | 2m×2.5m | 5㎡ |
| 合計の建ぺい率 | 60㎡÷120㎡×100 | 50% |
ちょうど上限に収まる計算です。ただ、倉庫の屋根が1mを超えて張り出していれば、その分も建築面積に入るので超えてしまうことも。
『ぴったりなら大丈夫だよね』と思いますよね。ギリギリの時ほど、屋根の出まで含めた外形で測ってみてください。

事業用の倉庫は「用途地域」もセットで見る
建築基準法48条では、用途地域ごとに建てられる建物と建てられない建物を決めています。例えば別表第二では、倉庫業を営む倉庫は第二種住居地域内に建ててはならないとされています。
建ぺい率が足りていても、用途地域で建てられないことがあるんです。事業用の倉庫を考える時は、建ぺい率より先に用途地域を確かめるのがおすすめです。
倉庫と確認申請、10㎡の関係
10㎡は、防火地域・準防火地域の外で増築などをする時に、建築確認が要らなくなる面積の話です。建ぺい率に入るかどうかの基準ではありません。
『10㎡以下の倉庫なら建ぺい率は関係ないはず』と思っている方は多いですよね。実はここ、よく混ざってしまうところなんです。
10㎡ルールは手続きの話
建築基準法6条2項では、防火地域・準防火地域の外で増築・改築・移転をする時に、その部分の床面積の合計が10㎡以内なら確認の規定を適用しないとしています。新築や、防火地域・準防火地域では当てはまりません。
- 防火地域・準防火地域の外であること
- 増築・改築・移転であること
- その部分の床面積の合計が10㎡以内であること
確認が要らなくても建ぺい率は守る
確認が要らないのは手続きだけで、建ぺい率などの決まりは残ります。和歌山市も、カーポートや簡易物置について、申請が要らない場合でも「建築基準法への適合は必要」と説明しています。
例えば、窓口ではこんなやり取りになることがあります。
「庭に8㎡の倉庫を置きたいんですが、申請は要りますか?」
「防火地域・準防火地域の外なら確認申請は不要の場合があります。ただ、建ぺい率は母屋と合計して超えないようにしてください」
申請の要否と建ぺい率は、別々に聞いておくと安心ですよ。
- 10㎡以内なら建ぺい率に入らないと思い込む
- 準防火地域なのに、10㎡以内だから申請不要と考える
- 母屋の建築面積と合計せずに倉庫の大きさを決める
事業用の倉庫で知っておきたいこと
事業用の倉庫は、用途地域ごとの建ぺい率の数値と、建てられる用途の両方を確かめます。荷物の積み下ろし用の軒には、建ぺい率の計算だけに使う特別な扱いもあります。
事業用の倉庫は、自宅の倉庫より規模が大きくなりやすいですよね。建ぺい率の数値も、土地の用途地域で変わります。
用途地域ごとの建ぺい率の数値
建築基準法53条1項では、用途地域ごとに都市計画で選べる建ぺい率の数値が決まっています。倉庫を考えることが多い地域を抜き出してみました。
| 用途地域 | 都市計画で選ばれる建ぺい率 |
|---|---|
| 準工業地域 | 50%・60%・80% |
| 工業地域 | 50%・60% |
| 工業専用地域 | 30%・40%・50%・60% |
| 近隣商業地域 | 60%・80% |
| 商業地域 | 80% |
工業系の地域の建ぺい率は準工業・工業地域の建ぺい率でくわしく紹介しています。
荷物の積み下ろし用の軒は扱いが違う
建築面積では、軒やひさしが外壁などの中心線から1m以上突き出ていると、先端から1m下がった線までが入ります。ただ、倉庫や工場で専ら貨物の積み下ろしのために設ける軒で、国土交通大臣が定めるもの(特例軒等)は扱いが違います。
建ぺい率の計算に使う建築面積に限り、特例軒等は突き出しが1m以上5m未満なら、この1m後退の対象から外れます。5m以上の時は、端から5m以内で大臣が定める距離を後退した線で測ります。住宅の軒には関係しない決まりです。
コンテナ倉庫・トランクルームは建築物になりやすい
国土交通省は、随時かつ任意に移動できないコンテナは建築物に当たり、一般に確認申請をして確認済証を受けないと設置できない、と示しています。コンテナを並べる倉庫やトランクルームも、建ぺい率の計算に入ると考えておきましょう。
レンタル収納が用途の決まりの上で「倉庫業を営む倉庫」に当たるかは、自治体の判断になることがあります。計画の前に窓口で確かめてみてください。
事業用の倉庫を考える時に確かめる順番
事業用の倉庫は、順番を決めて確かめると手戻りが減ります。建ぺい率の計算は、最後の方で大丈夫なんです。
- 土地の用途地域を自治体の都市計画図で確かめる
- その用途地域で、考えている倉庫の使い方が建てられるか窓口に聞く
- 指定建ぺい率と、角地などの緩和があるかを確かめる
- 敷地面積に建ぺい率をかけて、建築面積の上限を出す
- 軒の出や、敷地にあるほかの建物の分も入れて計算する
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よくある相談:倉庫と建ぺい率で多く読まれている質問
Q&Aサイトでは、「10㎡の倉庫を部屋として使えるか」「倉庫を増築したら建ぺい率を超えていた」「100坪の土地に倉庫兼作業場を建てる時の建ぺい率」といった相談が多く読まれていました。
倉庫と建ぺい率について、よく読まれている相談を要約して答えてみます。自宅用と事業用の両方の悩みが混ざっているテーマなんです。
相談1:庭の10㎡の倉庫を、実質的に部屋として使える?
庭に10㎡の倉庫を置くので建ぺい率は関係ないはず、という前提の相談でした。まず、10㎡は確認申請の話なので、建築物に当たる倉庫なら建ぺい率には入ります。
倉庫として計画したものを部屋として使うと、計画と違う使い方になります。人が過ごす部屋にしたいなら、最初から部屋として計画し、窓口や建築士に相談するのが安心です。
相談2:倉庫を増築したら建ぺい率を超えていた
倉庫を増築したあとで、建ぺい率を超えていたことに気づいた、という相談です。気づいた時点で、自治体の建築指導課か建築士に相談するのがおすすめです。
建築基準法9条では、特定行政庁は違反した建築物について、除却などの是正を命じることができるとしています。隠したり、そのままにしたりせず、どう直せるかを早めに相談しましょう。
相談3:約100坪の土地に倉庫兼作業場、建ぺい率60%なら?
建ぺい率60%の約100坪の土地に、倉庫兼作業場を考えているという相談でした。例として計算してみますね。
- 敷地:100坪×約3.3㎡=約330㎡
- 建築面積の上限:330㎡×0.6=198㎡
- 坪にすると:198㎡÷3.3=60坪
建ぺい率は1階の床面積ではなく、真上から見た建築面積で見ます。1mを超える軒があれば、その分も入るので注意してください。
建ぺい率の扱いは自治体ごとに違う部分があります。最後は土地のある自治体の建築指導課や、設計を頼む建築士・住宅会社に確かめれば安心です。
これから家を建てる方で、倉庫や物置まで含めた配置が気になる方は、住宅会社に具体的な間取りプランを出してもらうと分かりやすくなります。
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よくある質問
倉庫は建ぺい率に入りますか?
屋根と柱か壁があり、土地に定着している倉庫は建築物なので、建ぺい率に入ります。同じ敷地のほかの建物と建築面積を合計して計算します。
建ぺい率に入らない倉庫はありますか?
土地に自立して置く小規模な倉庫で、外から出し入れでき、中に人が入らないものは、国の助言では建築物に当たらないとされています。小規模の大きさは自治体ごとに違います。
10㎡以下の倉庫なら建ぺい率に入りませんか?
10㎡は建築確認が要らなくなる面積の話です。建築物に当たる倉庫なら、10㎡以下でも建ぺい率に入ります。
倉庫は住宅地にも建てられますか?
用途地域によって違います。例えば倉庫業を営む倉庫は、第二種住居地域内には建てられないとされています。
倉庫の屋根の出も建築面積に入りますか?
屋根やひさしが外壁などの中心線から1m以上出ていれば、先端から1m下がった線までが建築面積に入ります。1m未満の出なら入りません。
まとめ
- 倉庫は建築物に当たれば建ぺい率に入る
- 小規模で人が入らない倉庫は、国の助言では建築物に当たらない
- 自宅の倉庫は母屋と合計して計算する
- 事業用の倉庫は用途地域で建てられるかも確かめる
- 10㎡は確認申請の話で、建ぺい率の基準ではない





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