建ぺい率ギリギリで建てる時の注意点|少しの差でオーバーしないために

建ぺい率ギリギリで建てる時の注意点を紹介する記事のアイキャッチ。カーポートのある一戸建てと敷地図

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土地がそれほど広くないと、建ぺい率ギリギリまで家を大きくしたくなりますよね。『でも、少しでも超えたらどうしよう』と不安になる方も多いはずです。

結論から言うと、建ぺい率は上限ちょうどまでなら大丈夫です。ただ、庇やカーポートなど、あとから「入っていた」と気づく部分で少しオーバーすることがあるんです。

この記事を読めば、ギリギリの計画で差が出やすいところと、設計時と完成後に確かめる順番が分かりますよ。

目次

建ぺい率ギリギリで建てても大丈夫?

先に結論

建築基準法53条1項は、建ぺい率が決められた数値を「超えてはならない」としています。上限ちょうどまでは建てられますが、ほんの少しでも超えればオーバーです。

建ぺい率(建蔽率)は、敷地面積に対する建築面積の割合です。建築面積は、建物を真上から見た時の広さのことだと考えてください。

例えば、敷地120㎡で建ぺい率60%なら、建築面積の上限は120㎡×0.6=72㎡です。72㎡ちょうどなら60%で、ルールの中に収まります。

建築面積(例)建ぺい率判定
70.0㎡約58.3%収まっている
72.0㎡60.0%ちょうど上限で収まっている
72.1㎡約60.1%わずかにオーバー

72.1㎡÷120㎡×100=約60.08%です。たった0.1㎡の差でも、上限を超えていることになるんですね。

「ギリギリ」はどれくらいの余裕のこと?

ギリギリという言葉に、決まった基準はありません。この記事では、上限まで残り1〜2㎡ほどしかない計画をイメージしてお話しします。

『1〜2㎡なら誤差でしょ』と思うかもしれません。実は、この広さは庇の出し方ひとつで簡単に埋まってしまうんです。

建ぺい率の意味そのものは、建ぺい率とは?でくわしく紹介しています。

ギリギリの時に差が出やすい「測り方」と端数

ここでの結論

建築面積は、外壁や柱の中心線で囲まれた部分を真上から見た広さで測ります。小数点以下の端数の扱いは自治体ごとに違うので、ギリギリの時ほど差が出やすくなります。

建築面積は、施行令2条1項2号で、外壁またはこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積とされています。水平投影面積とは、真上から光を当てた時にできる影の広さのことです。

いわゆる「壁芯(へきしん)」で測る考え方ですね。外壁の外側で測った広さとは少し違うので、自分でメジャーで測った数字とずれることがあります。

端数の扱いは自治体で違う

計算すると、59.98%や60.02%のように小数点以下が出てきます。この端数をどう扱うかは、自治体の取扱いで決まっています。

自治体取扱いの例
世田谷区面積は小数点以下2位まで、3位以下は切り捨て。建ぺい率も2位まで有効
北九州市面積は2位までとし3位以下は切り捨て。ただし限度に近い時は、途中の計算を切り捨てずに確かめる

北九州市の取扱いのように、限度に近い時ほど細かく見られることがあります。端数で上限に収めようとするのは、おすすめできません。

端数のくわしい話は、建ぺい率の小数点・端数処理で紹介しています。

図面の数字と完成した家の数字

図面どおりに建っていれば、建築面積は図面の数字のままです。ただ、工事中にプランを少し変えたり、外構で何かを足したりすると、完成した敷地全体の数字は変わります。

建ぺい率は、同じ敷地に建物が2つ以上あれば、その建築面積を合計して計算します。家の本体だけでなく、敷地の上にあるもの全体で見るのがポイントなんです。

ギリギリになりやすい4つの部分:設計時と完成後に分けて確かめる

ここでの結論

少しオーバーの原因になりやすいのは、庇・バルコニー・カーポート・物置の4つです。設計の段階で数に入れておくものと、完成後に足す前に確かめるものに分けておくと、見落としが減ります。

『本体はちゃんと計算したのに、なぜかオーバーした』という話は、だいたいこの4つのどれかが原因です。それぞれ、いつ・何を確かめるかを表にしてみました。

部分建築面積での扱い設計時に確かめること完成後に確かめること
庇・軒中心線から1m以上出ると、先端から1m下がった線まで入る出の長さが1m未満か、入る分を数えたかあとから庇を延ばさない
バルコニー1m以上出ると庇と同じ扱い。柱や袖壁があれば柱で囲んだ部分が入ることも柱・袖壁の有無と、手すりの開放部分の高さ屋根や囲いを後付けしない
カーポート建築物なので入る。国が指定する開放的な造りなら端から1m以内は入らない付ける予定の大きさを残りに入れたか柱の間隔・高さなど条件に合う製品か
物置人が入る物置は建築物で、合計に入る置く予定があるか人が入らず外から出し入れする小さな物か
建ぺい率ギリギリになりやすい庇・バルコニー・カーポート・物置の4つを、設計時と完成後に分けて確かめるチェックリストの図解

庇・軒は「1m」が分かれ目

庇や軒が外壁の中心線から1m以上突き出ていると、先端から1m下がった線までが建築面積に入ります。逆に、出が1m未満なら入りません。

例えば、出が1.2mで幅3mの庇なら、入るのは0.2m×3m=0.6㎡です。先ほどの72㎡ちょうどの家にこの庇が付くと、72.6㎡で約60.5%になってしまいます。

バルコニーは形で扱いが変わる

バルコニーも、はね出し縁の1つとして庇と同じ1mの考え方で数えるのが基本です。ただ、柱や袖壁があるバルコニーは、柱の中心線で囲んだ部分が入るとする取扱いもあります。

神奈川県の取扱いでは、外気に開いている部分の高さが1.1m未満などの場合は、建築面積に入れるとしています。手すり壁を高くしたら数字が変わった、ということも起こるんです。

カーポートと物置は「あとから足すもの」

カーポートと物置は、家が完成した後に付けることが多いですよね。家の本体だけで上限ちょうどにしてしまうと、付ける余地がなくなります。

カーポートは、柱の間隔や天井の高さなど国の告示の4つの条件に合えば、屋根の端から1m以内が建築面積に入りません。条件のくわしい話はカーポートの建ぺい率緩和で紹介しています。

物置は、外から荷物を出し入れして中に人が入らない小さなものなら、建築物に当たらないとする国の技術的助言があります。どこまでを小規模とみるかは自治体で違い、横須賀市は奥行1m以下・高さ2.3m以下・床面積2㎡以内としています。

設計時のチェック
  • 庇・軒の出が1m未満か、1m以上なら入る分を数えたか
  • バルコニーの柱・袖壁・手すりの高さを図面で確かめたか
  • カーポートを付ける予定の広さを、上限の残りに入れたか
  • 物置を置く予定と、その大きさを伝えたか

数えなくていい部分の一覧は、建ぺい率に含まれないもの一覧にまとめています。

少しオーバーしたらどうなる?

ここでの結論

建ぺい率は、0.1%でも超えればオーバーです。設計の段階なら図面を直すだけで済みますが、建ててから超えると違反建築物として扱われることがあります。

『少しオーバーくらいなら、見逃してもらえるのでは』と思う方もいますよね。ただ、条文は「超えてはならない」なので、少しだから大丈夫という決まりはありません。

違反建築物には、特定行政庁が工事の停止や、猶予期限をつけた改築・使用制限などを命じることができます(建築基準法9条)。特定行政庁とは、建築のルールを地域で運用している自治体のことです。

いつ気づいたかできること
設計の打ち合わせ中庇や間取りを少し削って図面を直す
建築確認の審査中指摘を受けて図面を直す
完成後、外構を足す前足す物の大きさや種類を変える
足してしまった後建築士に計算してもらい、撤去や縮小を考える

打ち合わせで少しオーバーが分かった時は、こんなやり取りで直すことが多いです。

「計算すると60.5%で、庇の分だけ超えています」
「では、庇の出を1m未満にして、建築面積に入らない形に直しましょう」

やってはいけないこと

検査が終わってから庇を延ばしたり、部屋やサンルームを足したりして上限を超えるのはやめておきましょう。違反建築物になると、売る時や住宅ローンを組む時に困ることがあります。

建ぺい率を超えた時の扱いは、建ぺい率オーバーするとどうなる?でくわしく紹介しています。

よくある相談:建ぺい率ギリギリで迷うところ

ここでの結論

よく読まれているのは「ギリギリの家にカーポートを付けたい」「60%・200%はギリギリ?」「ギリギリまで広くした方がいい?」「59%なら建てられる?」の4つです。

知恵袋などで見かける相談を要約して、答えてみますね。

ギリギリの家にカーポートを付けたい

「建ぺい率ギリギリの家を建てるが、カーポートを付けたい。カーポートは建築面積に入るのか」という相談は、とても多く読まれています。

カーポートは屋根と柱があるので建築物に当たり、建築面積に入るのが基本です。国の告示の条件に合う開放的な造りなら、端から1m以内が入らないので、残りの広さで収まるか計算してみてください。

建ぺい率60%・容積率200%はギリギリ?

「建ぺい率60%・容積率200%だと、かなりギリギリになるのか」という相談もあります。例えば30坪の土地なら、建築面積は18坪、延べ面積は60坪までです。

2階建てなら、建ぺい率いっぱいでも延べ36坪なので、容積率にはかなり余裕があります。ギリギリになりやすいのは、1階の広さを決める建ぺい率のほうなんです。

家はギリギリまで広くした方がいい?

『せっかくなら上限まで使いたい』と考えるのは自然です。ただ、駐車スペースや庭、あとから付けたいカーポートや物置の余地も一緒に考えておきたいところです。

59%なら建てられる?

「建ぺい率60%の土地で59%で建てられるか」という相談への答えは、はい、建てられます。ただ、測り方や端数の扱いで数字が動くので、1%の余裕でも建築士に確かめてもらうと安心です。

ギリギリでも余裕を残す家づくりの進め方

ここでの結論

最初に「本体に使う広さ」と「外まわりに残す広さ」を分けて決めておくと、少しオーバーを防げます。最後は土地のある自治体の建築指導課や、設計を頼む建築士・住宅会社に確かめておけば安心です。

上限ちょうどを狙うより、あとで足すものの分を先に取っておく考え方です。打ち合わせでは、こんなふうに伝えてみてください。

「建ぺい率の上限から、カーポートと物置の分を先に引いた広さで間取りを考えたいです」
「分かりました。カーポートの大きさと告示の条件も含めて、残りを計算しますね」

余裕を残す計画の手順
  1. 敷地面積に建ぺい率をかけて、建築面積の上限を出す
  2. カーポート・物置など、あとで足したい物の広さを書き出す
  3. 上限から2の広さを引いて、家の本体に使える広さを決める
  4. 庇・バルコニーの出を図面で確かめ、入る分を数える
  5. 完成後に何かを足す時は、残りの広さをもう一度計算する
建ぺい率の上限から、カーポートや物置など外まわりに残す広さを先に引き、残りを家の本体に使う計画の流れを示した図解

同じ建ぺい率でも、家の本体と外まわりの分け方は住宅会社によって提案が違います。いくつかのプランを並べると、どこに余裕を残しているかが見えてきますよ。

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よくある質問

建ぺい率ちょうど60%で建てても大丈夫ですか?

大丈夫です。建築基準法53条1項は「超えてはならない」としているので、上限ちょうどはルールの中に収まります。

建ぺい率を少しオーバーしただけでも違反ですか?

はい。少しなら許されるという決まりはありません。設計の段階で気づけば、図面を直して上限に収めましょう。

建ぺい率ギリギリの家に、あとからカーポートは付けられますか?

残りの広さに収まれば付けられます。国の告示の条件に合う開放的なカーポートなら、端から1m以内は建築面積に入らないので、計算してから選んでみてください。

建築面積は外壁の外側で測るのですか?

外壁またはこれに代わる柱の中心線で測ります。自分で外側を測った数字とは少し違うことがあるので、図面の数字で確かめましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 建ぺい率は上限ちょうどまでなら大丈夫。0.1㎡でも超えればオーバー
  • 建築面積は中心線で測り、端数の扱いは自治体ごとに違う
  • 少しオーバーの原因は庇・バルコニー・カーポート・物置になりやすい
  • 設計時に外まわりの分を先に引いておくと、あとで困らない
  • 最後は建築士や自治体の建築指導課に計算を確かめてもらう
建ぺい率ドットコム

建ぺい率ドットコム 編集部

建ぺい率の意味と計算、用途地域ごとの数値、角地や防火地域の緩和、カーポートやバルコニーの扱い、調べ方までを、家づくりや土地探しの前に分かるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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