建ぺい率オーバーと登記|登記できる?登記簿で分かること

建ぺい率と登記の関係を紹介する記事のアイキャッチ。登記の書類と家の図面

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建ぺい率オーバーの家を買おうとしていて、『そもそも登記ってできるの?』『登記簿を見ればオーバーかどうか分かるの?』と迷っている方も多いはずです。

結論から言うと、建ぺい率は登記の項目に入っていないので、登記簿を見ても建ぺい率オーバーかどうかは分かりません。登記と建ぺい率は、別の法律で別の目的のために決められた仕組みなんです。

この記事では、建ぺい率と登記の関係を、登記・建築確認・重要事項説明の3つの書類で比べながらお伝えしますね。

目次

建ぺい率オーバーでも登記はできる?先に結論

先に結論

登記で記録されるのは、土地なら所在・地番・地目・地積、建物なら所在・家屋番号・種類・構造・床面積などです。用途地域や建ぺい率、建築面積は登記の項目にありません。建ぺい率オーバーかどうかは、登記とは別の書類で確かめます。

建ぺい率(建蔽率)は、敷地面積に対する建築面積の割合のことです。建築面積は、建物を真上から見た時に、外壁や柱の中心線で囲まれた広さを言います。

登記は、土地や建物がどこにあって、どんな物で、誰の物かを公に記録する仕組みです。法務局で、登記事項証明書(登記簿の写し)を取ることができます。

気になること答え根拠
登記簿に建ぺい率は載っている?載っていない不動産登記法34条・44条
登記簿の床面積は建築面積と同じ?同じではない。測り方が違う不動産登記規則115条
確認済証がないと建物の登記はできない?確認済証や検査済証は所有権を示す書類の一例。ほかの書類でも足りる不動産登記事務取扱手続準則87条1項
登記できれば違反ではない?いいえ。登記と建ぺい率は別の話登記の項目に建ぺい率がない

『登記できているなら、法律上は問題ないのでは』と思いがちですよね。実は、そこが一番の勘違いポイントなんです。

建ぺい率の基本は建ぺい率とは?意味と計算方法で紹介しています。

登記・建築確認・重要事項説明で分かること・分からないこと

ここでの結論

建ぺい率を確かめたい時は、登記ではなく、建築確認の書類と重要事項説明書を見るのが近道です。3つの書類は、それぞれ分かることが違います。

家や土地の書類はいくつもあって、どれに何が書いてあるのか混乱しやすいですよね。ここでは、3つの書類を並べて比べてみます。

登記事項証明書・建築確認の書類・重要事項説明書の3つで、建ぺい率について分かることと分からないことを比べた図解
書類分かること分からないこと
登記事項証明書(登記)土地の地番・地目・地積、建物の種類・構造・床面積、持ち主用途地域、建ぺい率、建築面積
確認済証・検査済証(建築確認)工事の前に計画が確認されたこと、工事の後に検査に合格したこと検査の後に足された増築部分
重要事項説明書土地の用途地域、建ぺい率の制限、建築面積の限度書かれた後に変わった建物の中身

建築確認は、工事の前に計画が建築基準法に合っているかを確かめてもらう手続きです。建ぺい率も、この確認で見られる決まりの1つです。

重要事項説明書は、土地や建物を売り買いする時に、宅地建物取引士が契約の前に説明する書類です。建築基準法の制限の概要もここに書かれます。

建ぺい率は3つを組み合わせて確かめる

1つの書類だけで、建ぺい率オーバーかどうかを判断するのは難しいです。3つを組み合わせると、見えてくることが増えます。

建ぺい率を確かめる順番
  1. 重要事項説明書で、土地の建ぺい率と建築面積の限度を見る
  2. 確認済証・検査済証と図面で、建てた時の建築面積を確かめる
  3. 登記簿の床面積や、今の建物を見て、図面と違う増築がないかを確かめる
  4. 気になる点は、仲介の担当者や自治体の建築指導課に聞く

重要事項説明書の読み方は重要事項説明書の建ぺい率の見方でくわしく紹介しています。

登記と建ぺい率で「面積」と「建物」の意味が違う

ここでの結論

登記と建築基準法では、建物の決め方も、面積の測り方も違います。同じ「面積」という言葉でも、数字がずれることがあるんです。

登記と建ぺい率では、それぞれの法律が使う言葉の中身が違います。ここを知っておくと、書類の数字が合わない時に慌てずにすみます。

比べる項目登記建ぺい率(建築基準法)
建物の決め方屋根と周壁などがあり、土地に定着し、用途に使える状態土地に定着し、屋根と柱または壁がある
建物の面積各階ごとの床面積(壁などの中心線で囲む)建築面積(真上から見た広さ)
土地の面積地積敷地面積(水平投影面積。道路の後退部分は除く)

例えば、屋根と柱だけのカーポートは、建築基準法では建築物にあたり建ぺい率に入ります。一方、登記の建物は「屋根及び周壁」などが要るので、別の物差しで判断されるんです。

登記簿の地積と敷地面積がずれる例

ここからは説明用の例です。登記簿の地積が100㎡の土地で、前の道が狭く、セットバックで5㎡を道路にあてるとします。

セットバックは、狭い道路に面した土地で、道幅を確保するために敷地の一部を道路として後退させることです。この部分は、建ぺい率の敷地面積に入りません。

ケース使う面積建ぺい率60%の上限
登記簿の地積で計算した場合100㎡100㎡×0.6=60㎡
敷地面積で計算した場合100㎡−5㎡=95㎡95㎡×0.6=57㎡
登記簿の地積100㎡の土地でセットバック5㎡を除くと敷地面積95㎡になり、建ぺい率60%の上限が57㎡になる計算例の図解

登記簿の数字で計算すると、上限を3㎡多く見積もってしまいます。家が58㎡なら、登記簿の地積では収まって見えても、実際は58÷95=約61.1%で上限を超えているわけです。

セットバックの考え方は建ぺい率とセットバックで紹介しています。

補足

登記の地積と実際に測った広さの差について、一般的な説明をした公的な資料は、この記事を書くにあたって見つけられませんでした。土地の広さが気になる時は、測量図があるかを売主や仲介の担当者に聞いてみてください。

未登記の増築部分と建ぺい率オーバー

ここでの結論

中古の家では、後から足した部分が登記されておらず、建ぺい率オーバーの原因になっていることがあります。登記の有無と建ぺい率の問題は、分けて確かめましょう。

中古物件の広告で「未登記部分あり」という書き方を見て、『これって何?』と気になった方もいるはずです。登記簿に載っていない増築部分がある、という意味で使われることが多い言葉です。

後から足した部屋やサンルームは、建築確認を受けていなかったり、登記されていなかったりすることがあります。そして、その部分が建ぺい率を超える原因になっていることもあるんです。

確認済証がない建物の登記はどうなる?

建物の表題登記(建物を初めて登記簿に載せる手続き)では、所有権を示す書類が必要です。法務省の準則では、その書類として次のようなものをあげています。

建物の表題登記で所有権を示す書類の例
  • 建築確認と検査があったことを示す書類
  • 建築を請け負った会社や敷地の持ち主の証明
  • 固定資産税の納付証明に関する書類
  • そのほか所有権を取得したことを示すのに足りる書類

確認済証や検査済証は、この中の一例です。つまり、確認済証がなくても、登記の手続きそのものが閉ざされているわけではないんです。くわしくは法務局で相談してみてください。

登記できても違反は消えない

登記ができたからといって、建ぺい率オーバーの状態が問題なくなるわけではありません。違反の状態なら、特定行政庁から是正の命令を受けることもあります。登記の話と建ぺい率の話は、別々に確かめましょう。

建ぺい率オーバーの扱いは、建ぺい率オーバーするとどうなる?で紹介しています。

よくある相談:登記と建ぺい率で迷うところ

ここでの結論

相談で多いのは「登記簿の面積と実測が違ってオーバーかもしれない」「増築で建ぺい率オーバーの中古を買った」「確認も登記もない建物は売り買いできるか」の3つです。

Q&Aサイトでよく読まれている相談を要約して、答えてみます。

登記簿の面積と実測の面積が違う

「新築の戸建てで、登記簿の面積と実測の面積が違い、建ぺい率オーバーにならないか心配」という相談はよく読まれています。

建ぺい率は、登記簿の地積ではなく、建築基準法の敷地面積で計算します。家を建てる時の確認の書類にも、敷地面積と建築面積が書かれているので、そちらの数字で比べてみてください。

サンルームの増築で建ぺい率オーバーになった中古を買った

「後からサンルームを増築したために建ぺい率オーバーになった中古戸建てを買った」という相談も読まれています。

この場合は、増築した部分の扱いを確かめるのが先です。サンルームを撤去したり小さくしたりすれば、建ぺい率の中に戻せることもあります。中古物件のリスクは建ぺい率オーバーの中古物件|買う前に確かめることとリスクで紹介しています。

確認も登記もない古い建物は売り買いできる?

「建築確認が出ておらず、建ぺい率オーバーで、建物が未登記の築20年の家は売り買いできるのか」という相談もあります。

売り買いの時は、重要事項説明書で建築基準法の制限の概要が説明され、確認済証や検査済証がない時はその旨も書かれます。買う側は、登記・建築確認・建ぺい率の3つを分けて、仲介の担当者に確かめてみてください。

これから建てるなら、登記と建ぺい率の両方を最初から整える

ここでの結論

これから家を建てる方は、確認を受けて検査に合格し、そのまま登記する流れを守れば、書類の食い違いで悩むことはぐっと減ります。

家を建てた後にサンルームや物置を足すと、図面・登記・今の建物がずれていく原因になります。将来足したいものは、最初の打ち合わせで伝えておきましょう。

「将来サンルームを付けたいので、その分も入れて建ぺい率に収まるプランにしてもらえますか?」
「分かりました。建築面積の内訳も図面に書いておきますね」

土地の建ぺい率の中でどんな家が建つかは、住宅会社によって提案が違います。いくつかのプランを並べると、家の広さと外まわりの余裕を比べやすくなります。

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設計事務所に相談したり、自治体の窓口で建ぺい率を確かめたりするのも立派な進め方です。最後は土地のある自治体の建築指導課や、設計を頼む建築士に確かめれば安心ですよ。

よくある質問

建ぺい率オーバーの建物でも登記はできますか?

建ぺい率は登記の項目に入っていません。建物の表題登記で所有権を示す書類も、確認済証や検査済証のほかに、請負人の証明などが認められています。ただ、登記ができても建ぺい率オーバーの問題がなくなるわけではありません。

登記簿を見れば建ぺい率オーバーかどうか分かりますか?

分かりません。登記簿には用途地域・建ぺい率・建築面積が載っていないからです。重要事項説明書と、確認済証・検査済証・図面で確かめてみてください。

登記簿の床面積と建築面積は同じですか?

同じではありません。登記の床面積は各階ごとの床の広さで、建築面積は真上から見た広さです。建ぺい率の計算には建築面積を使います。

「未登記部分あり」と書かれた中古物件は、建ぺい率オーバーですか?

それだけでは分かりません。未登記の部分が建ぺい率に入る増築で、それを足すと上限を超える場合に、オーバーになります。確認済証・図面と今の建物を比べ、未登記の部分の建築面積を確かめてみてください。

登記簿の地積で建ぺい率を計算していいですか?

建ぺい率は建築基準法の敷地面積で計算します。セットバックで道路にあてる部分があると、登記簿の地積より敷地面積が小さくなるので注意しましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 建ぺい率・用途地域・建築面積は、登記の項目に入っていない
  • 登記簿を見ても、建ぺい率オーバーかどうかは分からない
  • 建ぺい率は重要事項説明書と建築確認の書類で確かめる
  • 登記の地積と建ぺい率の敷地面積は、ずれることがある
  • 登記できても建ぺい率オーバーの問題は消えない
建ぺい率ドットコム

建ぺい率ドットコム 編集部

建ぺい率の意味と計算、用途地域ごとの数値、角地や防火地域の緩和、カーポートやバルコニーの扱い、調べ方までを、家づくりや土地探しの前に分かるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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