ウッドデッキは建ぺい率に入る?屋根付き・2階の場合

ウッドデッキが建ぺい率に入るかを紹介する記事のアイキャッチ。庭にウッドデッキのある2階建ての家

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庭にウッドデッキを作りたいけれど、建ぺい率いっぱいで家を建てている。『デッキを足したら、建ぺい率をオーバーしちゃう?』と気になっている方も多いはずです。

結論から言うと、屋根のない地面近くのウッドデッキは、建ぺい率に入らないと考えられることが多いです。ただ、屋根を付けたり、2階に張り出したりすると、建築面積に入る部分が出てきます。

この記事を読めば、自分のウッドデッキがどのタイプで、建ぺい率に入るかどうかを順番に確かめられますよ。

目次

ウッドデッキは建ぺい率に入る?「屋根」と「高さ」で変わります

先に結論

屋根のない地面近くのウッドデッキは、建物に当たりにくく、建ぺい率に入らないと考えられることが多いです。屋根付きのデッキや、2階に張り出すデッキは、建築面積に入る部分が出てきます。

建ぺい率(建蔽率)は、建物を真上から見た広さ(建築面積)が、敷地の何%かを表す数字です。くわしい意味は建ぺい率とは?意味と計算方法で紹介しています。

ここで大事なのは、建ぺい率に入るのは「建築物」の建築面積だということです。建築基準法では、建築物を「屋根及び柱若しくは壁を有するもの」と決めています。

つまり、ウッドデッキが建ぺい率に入るかどうかは、まず「屋根があるか」で大きく分かれるんです。

ウッドデッキのタイプ建ぺい率への入り方の目安
屋根なし・地面近く建物に当たりにくく、入らないと考えられることが多い
屋根付き屋根と柱があれば建物になり、建築面積に入る
2階に張り出すバルコニーと同じ考え方で、1mを超えた分や柱で囲む部分が入る

国のはっきりした基準は見当たらない

ただ、屋根のないウッドデッキについて、国土交通省が建築面積の扱いをはっきり示した資料は見当たりませんでした。

そのため、細かい判断は自治体(特定行政庁)や、建築確認を審査する機関ごとに違うことがあります。特定行政庁とは、建築の許可や確認の窓口になる自治体のことです。

『じゃあ、結局どっちなの?』ともやもやしますよね。この記事では、条文の決まりから考えられることと、自治体の例を分けて紹介していきます。

3つのタイプに分けて、確かめる順番を決めよう

ここでの結論

ウッドデッキは「屋根なし・地面近く」「屋根付き」「2階に張り出す」の3つに分けて考えると迷いません。上から順に当てはめていきましょう。

ウッドデッキといっても、庭に置く低いデッキから、2階のリビングとつながるデッキまでいろいろあります。形がばらばらなので、まず自分のデッキがどれに近いかを決めるのが近道なんです。

ウッドデッキが建ぺい率に入るかを確かめる順番
  1. デッキの上に屋根やテラス屋根があるかを確かめる
  2. デッキが1階の地面近くか、2階の高さにあるかを確かめる
  3. 2階なら、壁から何m張り出しているかを測る
  4. デッキを柱で支えているかどうかを確かめる
  5. 判断に迷う形なら、自治体の建築の窓口か設計者に聞く
ウッドデッキが建ぺい率に入るかを、屋根の有無、高さ、張り出しの長さ、柱の有無の順に確かめる流れを示した図解

タイプ1:屋根なし・地面近くのウッドデッキ

庭に置く、屋根のない低いウッドデッキです。屋根がないので、建築基準法の「屋根及び柱若しくは壁を有するもの」には当たりにくいと考えられます。

例えば、自治体の例として芦屋市の基準があります。芦屋市は、次の条件をすべて満たすウッドデッキを、建ぺい率の対象外の「工作物」として扱うとしています。

芦屋市の基準で「建ぺい率の対象外」とされる条件
  • 建物と構造上離れていること
  • 建物を通らずに、デッキから直接地上に出入りできること
  • デッキの上に屋根を設けていないこと(建物から出た庇や軒は除く)
  • デッキの下を、ほかの用途に使っていないこと
  • 転落防止の柵の高さが、デッキの床から1.5m以下であること
ここは注意してください

芦屋市のこの基準は、風致地区条例の審査基準で、建築基準法そのものの扱いを示したものではありません。ほかの自治体で同じ扱いになるとは限らないので、1つの考え方の例として見ておきましょう。

この例から分かるのは、「屋根がない」「建物とつながっていない」「下を物置などに使っていない」が、建物と見なされにくいポイントだということです。

タイプ2:屋根付きのウッドデッキ

ウッドデッキの上にテラス屋根を付けると、話が変わります。屋根と柱があれば、建築基準法の建築物の定義に当てはまるからです。

この場合、屋根を柱で支えている範囲が建築面積に入ると考えておきましょう。デッキの床そのものより、屋根の広さがポイントになるんです。

ただ、壁のない開放的な屋根には、国土交通省の告示(平成5年建設省告示第1437号)による扱いもあります。次の4つをすべて満たす構造なら、端から1mの部分を建築面積に入れません。

告示の4つの条件内容
外壁のない部分連続して4m以上あること
柱の間隔2m以上であること
天井の高さ2.1m以上であること
階数地階を除いて1であること

テラス屋根がこの条件に当たるかどうかは、形によって変わります。テラス屋根の扱いはテラス・テラス屋根・パーゴラは建ぺい率に入る?でくわしく紹介しています。

タイプ3:2階に張り出すウッドデッキ

2階のリビングから外に出られるウッドデッキは、建ぺい率の考え方ではバルコニーに近いものです。

建築基準法施行令2条1項2号では、軒・ひさし・はね出し縁などが壁の中心線から1m以上突き出ている時は、先端から1m下がった線までを建築面積に入れます。神奈川県の取扱基準でも、バルコニーやベランダは、はね出し縁に当たるものとされています。

かみくだくと、柱で支えていない2階のデッキなら、張り出しが1m未満は入らず、1m以上なら先端から1mを引いた分が入る、という考え方です。

一方で、下から柱で支える2階のデッキは、柱に外壁の中心線を設定して測る、と神奈川県の取扱基準では説明されています。柱で囲まれた範囲が入ると考えておくのが安全です。

すのこ状の床でも安心はできない

床をすのこやグレーチング(格子状の金属)にしたバルコニーについて、葛飾区は屋根として扱うとしています。下から光が抜ける床でも、上の階の床は下にとっての屋根と見られることがある、ということです。

2階のバルコニーの扱いはバルコニー・ベランダは建ぺい率に入る?でも紹介しています。

計算してみよう:タイプ別の建ぺい率の変わり方

ここでの結論

同じ広さのデッキでも、屋根や柱の付き方で増える建築面積が大きく変わります。計画の段階で、タイプごとに一度計算しておきましょう。

ここからは、例の数字で計算してみます。敷地150㎡・建ぺい率60%の土地を例にしますね。

建築面積の上限は、150×0.6=90㎡です。家の本体の建築面積は84㎡とすると、余りは6㎡になります。

デッキの形(例)増える建築面積合計上限90㎡との比較
屋根なし・地面近く(3.6m×2m)0㎡と考えられることが多い84㎡収まる
屋根付き(屋根3.6m×2m・柱あり)7.2㎡91.2㎡超える
2階・柱なしで1.8m張り出し(横幅4m)0.8×4=3.2㎡87.2㎡収まる
2階・柱で支えて1.8m張り出し(横幅4m)1.8×4=7.2㎡91.2㎡超える

『同じくらいの大きさなのに、こんなに違うの?』と驚いた方もいるかもしれません。違いを生んでいるのは、屋根と柱なんです。

建ぺい率で見るとどうなる?

屋根付きデッキの例だと、91.2÷150×100=60.8%です。上限の60%を少し超えてしまいます。

柱なしの2階デッキなら、87.2÷150×100=約58.1%です。こちらは上限の60%に収まります。

計算の数字はあくまで例です

柱で支える2階デッキは、柱の位置や袖壁の有無で建築面積が変わります。実際の形で計算する時は、図面を見ながら設計者に確かめてもらうと安心です。

床面積・容積率は別の話

建ぺい率は建築面積で、容積率は延べ面積(各階の床面積の合計)で計算します。ウッドデッキが建築面積に入るかと、床面積に入るかは、別々に考える話なんです。

例えば、国の通達では、壁や扉などがないピロティやポーチは「屋内的用途」に使うかどうかで床面積に入れるかを判断するとされています。容積率との違いは建ぺい率と容積率の違いで紹介しています。

よくある相談:ウッドデッキと建ぺい率

ここでの結論

相談で多いのは「庭いっぱいに作っていいか」「ベランダを後からデッキにしていいか」「2階のデッキは大丈夫か」などです。どれも、屋根と張り出し方で答えが変わります。

Q&Aサイトでよく読まれている相談を、要約して答えてみます。

庭いっぱいに自分でデッキを作っても大丈夫?

自分で庭いっぱいにウッドデッキを作ったら、建ぺい率や床面積に引っかからないか、という相談です。

屋根を付けず、地面近くに置くデッキなら、建物に当たりにくいと考えられます。ただ、デッキの下を物置にしたり、あとで屋根を掛けたりすると、建物と見られる可能性が出てきます。

自分で作る時ほど、「屋根を付けない」「下を囲って物置にしない」を意識しておくと安心ですよ。

検査のあとでベランダをウッドデッキにしたら?

建築確認の検査があるので建ぺい率の範囲で建てるけれど、建てた後にベランダをウッドデッキに広げたら超えても大丈夫か、という相談もあります。

結論から言うと、検査のあとでも建ぺい率を超えてよいことにはなりません。検査が終わったあとに広げて上限を超えると、違反建築物として扱われるおそれがあります。

『バレなければいいのでは』と考える方もいるかもしれません。ただ、売る時や住宅ローンを組み直す時に、図面と実物の違いを説明しなければならないこともあるんです。

2階にデッキを作って花火を見たい

新築予定の家から花火が見えるので、2階にウッドデッキを作りたい。建ぺい率に入るのか、という相談も読まれています。

2階のデッキは、張り出しの長さと柱の有無がポイントです。柱で支えない張り出しなら1mの考え方で、柱で支えるなら柱で囲む範囲で考えます。

新築なら、設計の段階でデッキを含めて建ぺい率を計算してもらえます。間取りを考える時に、デッキの位置と大きさも一緒に伝えておきましょう。

屋根は小さくても、床が広いとだめ?

デッキの屋根は2m以内にしても、床が2m以上あると建ぺい率に入ってしまうのか、という相談もあります。

ここまでの考え方で見ると、屋根付きデッキで建築面積に入るかどうかを左右するのは、床ではなく屋根と柱の方です。屋根のない床の部分は、屋根の下の部分とは分けて考えることになります。

ただ、屋根の先に柱を立てるのか、壁から張り出すだけなのかで測り方が変わります。屋根の出し方まで決めてから、計算してもらいましょう。

サンルームとどちらにするか迷っている

後からサンルームかウッドデッキを作りたいが、建ぺい率の中に収まらないとだめか、という相談も多く読まれています。

サンルームは屋根と壁がある建物なので、建ぺい率の中に収める必要があります。屋根のないデッキなら、その心配は少なめです。

『雨の日も使いたいからサンルームがいい。でも建ぺい率の余りがない』という時は、屋根なしデッキにして、物干しは別の場所にするといった選び方もありますよ。

後からウッドデッキを作る時に気をつけること

ここでの結論

後からのデッキは、屋根なしなら建ぺい率の心配は少なめです。屋根付きにするなら、増築として建ぺい率の余りと確認申請の両方を確かめておきましょう。

家を建てたあとでデッキを足したい、という方も多いですよね。ここでは後付けの時に見ておくことをまとめます。

屋根を付けるなら「増築」になり得る

屋根付きのウッドデッキやサンルームは、屋根と柱がある建物なので、後から付けると増築に当たる場合があります。神戸市の住まいの相談窓口でも、サンルームは建物として扱われ、増築に当たると説明されています。

屋根付きデッキを壁で囲うと、サンルームに近いものになります。サンルームの扱いはサンルーム・ガーデンルームは建ぺい率に入る?で紹介しています。

10㎡以下なら確認申請がいらない?

建築基準法6条2項では、防火地域・準防火地域の外で、増築する部分の床面積が10㎡以内なら、建築確認の手続きはいらないとされています。

ただし、手続きがいらないことと、建ぺい率を守らなくてよいことは別の話です。確認申請が不要な規模でも、建ぺい率などの基準には合わせる必要があります。

確認申請がいらない場合
  • 防火地域・準防火地域の外である
  • 増築する部分の床面積が10㎡以内
  • それでも建ぺい率は守る必要がある
確認申請が必要になる場合
  • 防火地域・準防火地域の中にある
  • 増築する部分の床面積が10㎡を超える
  • 更地に新しく建てる

防火地域・準防火地域とは、火事が燃え広がらないよう、建物の造りに決まりがある地域のことです。この地域では、10㎡以下の増築でも確認申請が必要になります。

後付けの前に確かめることリスト

後からウッドデッキを作る前に
  • 確認済証や図面で、今の建築面積と敷地面積を確かめる
  • 建ぺい率の上限から、建築面積の余りを計算する
  • 屋根を付けるか、付けないかを決める
  • 2階なら、張り出しの長さと柱の有無を確かめる
  • 防火地域・準防火地域かどうかを都市計画図で確かめる
庭に面したリビングの掃き出し窓から続く、屋根のない木製ウッドデッキのある住宅の写真

迷う時は、土地のある自治体の建築指導課(建築の窓口)か、家を建てた住宅会社に図面を見せて聞いてみてください。増築全体の考え方は増築・リフォームと建ぺい率でも紹介しています。

聞き方は、こんな感じで十分です。

「屋根付きのデッキを付けたいのですが、建ぺい率の余りはありますか?」
「図面の建築面積から計算して、付けられる大きさをお伝えしますね」

これから建てる人は、デッキも間取りと一緒に考える

ここでの結論

新築なら、ウッドデッキも最初から建ぺい率の計算に入れて計画できます。後から足すより、選べる形が広がります。

家を建てたあとでデッキを足そうとすると、本体で建ぺい率を使い切っていて、屋根付きにできないことがあります。『もっと早く考えておけば』とならないよう、計画の段階で決めておくのがいちばん楽なんです。

例えば、本体を少しだけ小さくして屋根付きデッキの分を残す、2階デッキを柱なしの張り出しにする、などの選び方があります。同じ土地でも、デッキをどう付けるかで間取りが変わってきます。

決めておくこと考え方の例
デッキの場所庭側の1階か、2階のリビング横か
屋根の有無雨よけや日よけに屋根が欲しいか
支え方2階なら柱で支えるか、張り出しにするか
本体との配分建築面積の余りをどれだけデッキに回すか
ウッドデッキを屋根なし・地面近く、屋根付き、2階の張り出し、2階で柱ありの4タイプに分け、それぞれ建築面積に入る範囲を色分けで示した図解

建ぺい率が気になる土地では、デッキも含めた形で住宅会社に具体的なプランを出してもらうと、比べやすくなります。設計事務所に相談したり、自分で計算して候補を絞ったりするのも、もちろんよい方法です。

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ほかにも、建ぺい率に入らない部分をまとめて知りたい方は、建ぺい率に含まれないもの一覧も見てみてください。

よくある質問

ウッドデッキは建ぺい率に入りますか?

屋根のない地面近くのウッドデッキは、建物に当たりにくく、入らないと考えられることが多いです。屋根付きや2階の張り出しデッキは、建築面積に入る部分が出てきます。

2階のウッドデッキは建ぺい率に入る?

柱で支えない張り出しなら、壁から1m未満は入らず、1m以上なら先端から1mを引いた分が入ります。柱で支える場合は、柱で囲まれた範囲が入ると考えておきましょう。

ウッドデッキに屋根を付けたらどうなりますか?

屋根と柱があると建物に当たるので、屋根の範囲が建築面積に入ると考えておくのが安全です。開放的な構造の条件を満たすと、端から1mを入れない扱いもあります。

10㎡以下のデッキなら何も気にしなくていい?

防火地域・準防火地域の外で10㎡以内の増築なら、建築確認の手続きはいりません。ただ、建ぺい率などの基準は守る必要があります。

自治体によって扱いは違いますか?

屋根のないデッキについて国のはっきりした基準は見当たらず、自治体や審査機関で判断が違うことがあります。気になる時は、土地のある自治体の建築の窓口で確かめておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • ウッドデッキが建ぺい率に入るかは「屋根」と「高さ」で変わる
  • 屋根なし・地面近くのデッキは、入らないと考えられることが多い
  • 屋根付きのデッキは、屋根と柱で建物になり、建築面積に入る
  • 2階のデッキはバルコニーと同じ考え方で、1mルールと柱の有無で決まる
  • 後付けは、建ぺい率の余りと確認申請の両方を確かめてから
建ぺい率ドットコム

建ぺい率ドットコム 編集部

建ぺい率の意味と計算、用途地域ごとの数値、角地や防火地域の緩和、カーポートやバルコニーの扱い、調べ方までを、家づくりや土地探しの前に分かるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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