建ぺい率60%とは?どのくらい建てられるかを坪数別に解説

建ぺい率60%の意味を紹介する記事のアイキャッチ。敷地の一部に家が建ち、駐車場と庭が残る住宅街の一区画

当サイトの記事は編集部が法令(e-Gov法令検索)や国土交通省・自治体などの公的な情報を調べて独自に執筆しています。記事内に家づくり・土地活用のサービスへの案内(広告)を含みます。

土地の資料に「建ぺい率60%」と書いてあっても、実際にどのくらいの家が建つのかはピンと来ないですよね。

結論から言うと、建ぺい率60%とは「敷地の6割まで、建物を真上から見た広さに使ってよい」という意味です。30坪の土地なら、1階部分は18坪までが目安になります。

この記事を読めば、坪数ごとに建てられる1階の広さと、残る空地の使い道がひと目で分かりますよ。

目次

建ぺい率60%とは?敷地の6割まで建物を建てられるということ

先に結論

建ぺい率60%とは、建築面積を敷地面積の60%以下に収めるというルールです。敷地100㎡なら、建築面積は60㎡までになります。

建ぺい率(建蔽率)は、敷地面積に対する建築面積の割合のことです。建築基準法53条1項で、この割合が決められた数値を「超えてはならない」と定められています。

「超えてはならない」なので、ちょうど60%までは建てられます。60.0%なら大丈夫で、60.1%になるとオーバーです。

建築面積は「真上から見た広さ」

ここでつまずく方が多いのが、建築面積という言葉です。建築面積とは、建物を真上から見た時に、外壁や柱の中心線で囲まれた部分の広さのことを言います。

2階建てでも、2階の床を足すことはありません。1階と2階が同じ形の家なら、建築面積は1階の広さとほぼ同じです。

言葉意味建ぺい率60%の計算での役割
敷地面積土地を真上から見た広さ60%をかける元の数字
建築面積建物を真上から見た広さ敷地面積の60%以下にする
延べ床面積各階の床面積を足した合計建ぺい率ではなく容積率で見る

建築面積に入る部分と入らない部分は、建築面積とは?測り方と含まれる部分でくわしく紹介しています。

建ぺい率60%とは「4割は空けておく」こと

逆から見ると、建ぺい率60%の土地では敷地の4割を建物の建たない空地として残すことになります。

この空地が、日当たりや風通し、火事の燃え広がりを防ぐ役目を持っています。国土交通省の資料でも、建ぺい率は敷地に空地を確保して建て詰まりを防ぐためのもの、と説明されています。

『4割も空けるなんて、もったいない』と感じる方もいるかもしれません。ただ、駐車場や庭、物干し場はこの4割の中に作ることになるので、実は暮らしに欠かせないスペースなんです。

計算式は「敷地面積×0.6」

建ぺい率60%の土地で建てられる建築面積は、敷地面積に0.6をかけるだけで出せます。計算はこれだけなんです!

例えば敷地150㎡なら、150㎡×0.6=90㎡です。坪でも同じで、40坪の土地なら40坪×0.6=24坪になります。

今の家の建ぺい率を確かめたい時は、建築面積÷敷地面積×100で出します。建築面積80㎡、敷地150㎡なら約53.3%で、60%以下なので収まっています。

計算のくわしい手順は建ぺい率の計算方法で練習できますよ。

建ぺい率60%はどのくらい?坪数別の早見表

ここでの結論

建ぺい率60%の土地で建てられる1階の広さは「坪数×0.6」です。角地の緩和が使えれば「坪数×0.7」まで広がります。

『うちの土地だと何坪の家になるの?』というのが、一番知りたいところですよね。

坪数ごとに、建てられる1階の広さと、残る空地、角地の緩和で70%になった場合の広さを並べてみました。1坪は約3.3㎡で換算しています。

敷地1階の上限(60%)残る空地角地で70%の場合
20坪(約66㎡)12坪(約39.6㎡)8坪14坪
25坪(約82.5㎡)15坪(約49.5㎡)10坪17.5坪
30坪(約99㎡)18坪(約59.4㎡)12坪21坪
35坪(約115.5㎡)21坪(約69.3㎡)14坪24.5坪
40坪(約132㎡)24坪(約79.2㎡)16坪28坪
45坪(約148.5㎡)27坪(約89.1㎡)18坪31.5坪
50坪(約165㎡)30坪(約99㎡)20坪35坪
60坪(約198㎡)36坪(約118.8㎡)24坪42坪
80坪(約264㎡)48坪(約158.4㎡)32坪56坪
100坪(約330㎡)60坪(約198㎡)40坪70坪
建ぺい率60%の土地で、敷地のうち6割が建物、4割が空地になる様子と、角地で70%に広がる様子を示した図解

表の「1階の上限」は、建物を真上から見た広さの上限です。実際の1階の床面積は、庇やバルコニーの出し方で少し変わることもあります。

坪数ごとにくわしく知りたい時は

坪数によって、建てやすい家の形や駐車スペースの取り方が変わってきます。気になる坪数の記事もあわせて見てみてください。

2階建てにすると延べ床はどのくらい?

建ぺい率60%の土地で1階と2階を同じ広さにする「総2階」にすると、延べ床面積は敷地の1.2倍になります。

例えば30坪の土地なら、1階18坪、2階18坪で延べ36坪です。ただし、ここで効いてくるのが容積率です。

容積率が100%の土地だと延べ30坪までなので、総2階の36坪は建てられません。

補足

延べ床面積の上限を決めるのは容積率です。建ぺい率60%の土地でも、容積率が何%かで2階の広さが変わります。次の見出しで組み合わせを見ていきます。

建ぺい率60%になるのはどんな地域?

建ぺい率60%は、住宅地から商業系の地域まで、多くの用途地域で選べる数値です。どの数値になるかは、自治体が都市計画で決めています。

建ぺい率は、用途地域という「土地の使い方の区分」ごとに、法律が選択肢を用意しています。その中から、自治体が都市計画で地域ごとに数値を選ぶ仕組みです。

建築基準法53条1項の選択肢を見ると、60%を選べる地域はかなり多いんです。

用途地域のグループ選べる建ぺい率60%を選べるか
第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域、田園住居地域、工業専用地域30・40・50・60%選べる
第一種・第二種住居地域、準住居地域、準工業地域50・60・80%選べる
近隣商業地域60・80%選べる
商業地域80%のみ選べない
工業地域50・60%選べる
用途地域の指定のない区域30〜70%から特定行政庁が決める選べる

特定行政庁とは、建築確認などを担当する自治体のことです。多くの場合、市や区の建築指導課が窓口になっています。

同じ用途地域でも自治体で数値が違う

例えば岐阜市では、第1種低層住居専用地域でも40・50・60%の場所があると案内しています。同じ名前の地域でも、場所によって数値が分かれていることがあるんです。

用途地域ごとの選択肢は用途地域ごとの建ぺい率一覧でまとめています。自分の土地の数値は、自治体の都市計画図や窓口で確かめるのが確実です。

自分の土地が60%か確かめる方法
  • 土地の売買資料や重要事項説明書の「建ぺい率」の欄を見る
  • 自治体の都市計画図(Web地図)で用途地域と数値を確かめる
  • 国土交通省の不動産情報ライブラリで地図を見てみる
  • 最後は自治体の都市計画課や建築指導課に問い合わせる

建ぺい率60%の土地は容積率とセットで見る

ここでの結論

建ぺい率60%は「1階の広さ」、容積率は「延べ床の広さ」の上限です。2階建て以上を考えるなら、2つをセットで見ておきましょう。

容積率は、敷地面積に対する延べ床面積(各階の床面積の合計)の割合です。建ぺい率と同じく、用途地域ごとに都市計画で決まります。

建ぺい率60%の土地でよく見かける容積率との組み合わせを、30坪の土地で比べてみました。

組み合わせ(30坪の土地)1階の上限延べ床の上限総2階(36坪)は建つか
60%・100%18坪30坪延べがオーバーするので不可
60%・150%18坪45坪建てられる
60%・200%18坪60坪建てられる

容積率100%の土地では、1階を18坪にすると2階は12坪までです。2階を小さくした「部分2階」の形になります。

建ぺい率60%が1階の広さ、容積率が延べ床の広さの上限を決めることを示した図解

前の道路が狭いと容積率が下がる

もう1つ見落としやすいのが、前面道路の幅です。前面道路の幅が12m未満だと、容積率は「道路の幅×決められた数値」でも制限され、小さい方が上限になります。

例えば住居系の地域で、前の道路の幅が4mなら、4×0.4で160%です。資料に容積率200%と書いてあっても、実際の上限は160%になります。

土地の説明を受ける時に、こんなやり取りになることもあります。

「この土地、容積率200%なんですよね?」
「都市計画ではそうですが、前の道路が4mなので160%で考えておいてください」

『200%って書いてあったのに?』と驚く方も少なくありません。建ぺい率60%・容積率200%の土地については、建ぺい率60%・容積率200%とは?でくわしく紹介しています。

よくある失敗

建ぺい率60%だけを見て「2階建てなら1.2倍の広さが建つ」と思い込むことです。容積率と前面道路の幅で、2階の広さが削られる場合があります。

角地や防火の緩和で60%が70%・80%になる場合

ここでの結論

条件を満たすと、建ぺい率60%に10%が足されて70%になります。角地と防火の両方に当てはまれば、20%足されて80%です。

建築基準法53条3項には、建ぺい率を上乗せできる緩和があります。60%の土地でよく関係するのは、次の2つです。

緩和の種類条件のあらまし60%の土地では
角地の緩和街区の角にある敷地などで、特定行政庁が指定するもの70%
防火の緩和防火地域の耐火建築物等、または準防火地域の耐火建築物等・準耐火建築物等70%
両方に当てはまる上の2つの両方80%

準耐火建築物とは、火事の時に一定の時間燃え広がりにくい作りの建物のことです。準防火地域でこの緩和が使えるようになったのは、2019年6月に施行された法改正からです。

角地の条件は自治体ごとに違う

角地の緩和は、どんな土地が角地にあたるかを自治体が細則などで決めています。道路の幅や、道路が交わる角度の条件が自治体によって違うんです。

例えば同じ「2つの道路に面した土地」でも、ある市では対象、別の市では対象外ということがあります。くわしくは角地の建ぺい率緩和で紹介しています。

緩和を入れた計算の手順
  1. 指定建ぺい率を確かめる(例:60%)
  2. 当てはまる緩和を足す(例:角地なら60%+10%=70%)
  3. 敷地面積にかける(例:40坪×0.7=28坪)

40坪の土地なら、60%では24坪、角地で70%なら28坪です。1階が4坪広がるので、収納や水回りの配置にかなり余裕が出ます。

建ぺい率60%の土地で残る4割の空地はどう使う?

ここでの結論

残る4割の空地には、駐車場、庭、通路、物干し場などを収めます。屋根を付けると建築面積に入るものがあるので、置く物ごとに確かめておきましょう。

建ぺい率60%の土地を見る時、多くの方が「何坪の家が建つか」だけに目が行きます。実は、暮らしやすさを左右するのは残る4割の使い方なんです!

例えば30坪の土地なら、空地は12坪です。ここに駐車場と玄関までの通路、エアコンの室外機や給湯器の置き場を収めることになります。

空地に置く物が建ぺい率に入るかどうか

空地に置く物の中には、建築面積に数えるものと数えないものがあります。よく相談に出てくるものを分けてみました。

置く物建築面積に入るか気をつけたいこと
屋根のない駐車場入らない建物ではないので空地のまま
カーポート入る(条件しだいで一部が入らない)開放性の高い作りなら端から1mは入れない扱いがある
人が入れる物置入る家の建築面積と合計して60%以内に
外から出し入れするだけの小さな物置自治体の扱いで建物にならない場合がある大きさの目安は自治体ごとに違う
1mを超えて出た庇・バルコニー超えた分が入る出幅が大きい設計は要確認

建ぺい率60%ギリギリで家を建てると、あとからカーポートや物置を足した時にオーバーしてしまうことがあります。将来置きたい物があるなら、最初から少し余らせておくと安心です。

空地の使い方で決めておきたいこと
  • 車を何台、屋根ありで停めたいか決める
  • 物置やサイクルポートを置くかどうか決める
  • 庭や家庭菜園に使う広さを決める
  • 室外機や給湯器の置き場を図面で確かめる

「1階を広く」と「庭を広く」はどちらを取るか

建ぺい率60%の上限まで1階を広げると、空地はちょうど4割になります。1階を少し小さくして2階に部屋を回すと、そのぶん庭や駐車場が広くなります。

例えば40坪の土地で1階を24坪にすると空地は16坪、1階を20坪にすると空地は20坪です。

設計の打ち合わせでは、こんな会話になることがよくあります。

「1階は上限の24坪まで使いたいです」
「それだと車2台分を取ると庭はほとんど残りません。1階を少し絞って2階に回す形も見てみましょうか」

どちらが正解ということはないので、家族の暮らし方で選んでみてください。

よくある相談:建ぺい率60%の知恵袋Q&A

ここでの結論

建ぺい率60%の相談で多いのは「100㎡なら60㎡?」「容積率200%と合わせると何坪?」「低層住居専用地域でもこの数値はある?」の3つです。

知恵袋などでよく読まれている建ぺい率60%の相談を、要約して答えていきます。

建ぺい率60%なら、100㎡の土地に60㎡の家が建つ?

建築面積として60㎡まで、という意味ではその通りです。ただし、これは真上から見た広さの話で、家全体の床の広さではありません。

2階建てにすれば、延べ床面積は60㎡より広くなります。そちらの上限は容積率で決まるので、資料の容積率もあわせて見てみてください。

もう1つ、道路が狭い土地ではセットバック(道路から下がること)が必要な場合があります。その部分は敷地面積に入らないので、100㎡全部が計算の元になるとは限りません。

建ぺい率60%・容積率200%だと、どのくらいの家が建つ?

マイホームの相談でよく見かける組み合わせです。土地の広さが分かれば、1階は敷地×0.6、延べ床は敷地×2.0が上限になります。

例えば30坪の土地なら、1階は18坪まで、延べ床は60坪までです。ただ、総2階にしても延べ36坪なので、2階建てでは容積率を使い切らないことが多いです。

『じゃあ3階建てにしないと損?』と思う方もいますよね。そんなことはないので、家族に必要な広さから考えて大丈夫です。

第一種低層住居専用地域で、建ぺい率60%・容積率200%はある?

法律の選択肢としてはあり得ます。低層住居専用地域の建ぺい率は30〜60%、容積率は50〜200%の中から選ばれるので、どちらも上限の組み合わせです。

ただし、低層住居専用地域には建物の高さの上限(10mまたは12m)もあります。前面道路の幅による容積率の制限もかかるので、200%を使い切れない土地も多いです。

補足

知恵袋の回答は、その土地の事情を知らない人が答えていることもあります。自分の土地の扱いは、自治体の窓口や設計を頼む建築士に確かめるのが確実です。

建ぺい率60%の土地で建てられる家の形をプランで比べたい時

ここまで見てきたとおり、建ぺい率60%の土地でも、容積率や道路の幅、角地かどうかで建てられる家の形は変わります。数字だけでは、実際の間取りまでイメージしにくいですよね。

自分で計算するのはもちろん、住宅会社に土地の条件を伝えて、具体的な間取りプランで見せてもらう方法もあります。複数の会社から、間取りプランや資金計画、土地探しの提案をまとめて無料で受け取れるサービスもありますよ。

タウンライフ家づくり(PR)

建ぺい率に合う間取りプランを、住宅会社に出してもらう

タウンライフ家づくりは、希望の条件を入力すると、住宅会社から間取りプラン・資金計画・土地探しの提案をまとめて無料で受け取れるサービスです。建ぺい率が気になる土地でどんな家が建つか、具体的なプランで比べられます。

無料タウンライフ家づくりを見る

提案内容は会社ごとに異なります。サービスの詳細は公式サイトでご確認ください。

よくある質問

建ぺい率60%とはどういう意味ですか?

建物を真上から見た広さ(建築面積)を、敷地面積の60%以下にするというルールです。敷地100㎡なら建築面積は60㎡までになります。

建ぺい率60%だと、30坪の土地で何坪の家が建ちますか?

1階の広さ(建築面積)は30坪×0.6で18坪までです。総2階なら延べ36坪になりますが、容積率が120%以上あることが前提です。

建ぺい率60%ちょうどで建てても違反になりませんか?

法律は「超えてはならない」と決めているので、ちょうど60%なら収まっています。ただ、面積の端数の扱いは自治体ごとに違うので、ギリギリの設計は建築士に確かめてもらいましょう。

建ぺい率60%の土地にカーポートを付けても大丈夫ですか?

カーポートは原則として建築面積に入ります。家とカーポートの合計で60%以内に収める必要があるので、家の建築面積に余りがあるかを先に確かめておきましょう。

建ぺい率60%を上げる方法はありますか?

角地の緩和や、防火地域・準防火地域で耐火建築物等・準耐火建築物等にした時の緩和で、10%上乗せされる場合があります。角地にあたるかの基準は自治体ごとに違うので、建築指導課で確かめてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 建ぺい率60%とは、建築面積を敷地面積の60%以下にするルール
  • 建てられる1階の広さは「坪数×0.6」、角地などの緩和で70%なら「坪数×0.7」
  • 延べ床の上限は容積率と前面道路の幅で決まるので、セットで確かめる
  • 残る4割の空地に駐車場や物置をどう置くかまで考えておく
  • 最後は自治体の窓口や建築士に、自分の土地の数値と緩和を確かめる

建ぺい率の全体像は建ぺい率とは?意味と計算方法で、計算からおさらいできます。

建ぺい率ドットコム

建ぺい率ドットコム 編集部

建ぺい率の意味と計算、用途地域ごとの数値、角地や防火地域の緩和、カーポートやバルコニーの扱い、調べ方までを、家づくりや土地探しの前に分かるように整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次