出窓は建ぺい率に入る?床面積に入らない出窓の条件

出窓が建ぺい率に入るかを紹介する記事のアイキャッチ。出窓が張り出した2階建ての家

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リビングや寝室に出窓を付けたいけれど、『出っ張った分は建ぺい率に入るの?』と気になっている方も多いはずです。建ぺい率ギリギリの土地だと、数十cmの出っ張りでも心配になりますよね。

結論から言うと、床面積に入らない条件を満たした出窓は、原則として建ぺい率に入りません。条件は「高さ」「出幅」「窓の割合」の3つです。

この記事を読めば、図面の出窓が建ぺい率に入るかどうかを、自分でチェックできるようになりますよ。

目次

出窓は建ぺい率に入る?先に結論

先に結論

床面積に入らない条件を満たした出窓は、原則として建築面積にも入りません。逆に、条件を外れて床面積に入る出窓は、建築面積にも入ると考えておきましょう。

建ぺい率(建蔽率)は、建築面積を敷地面積で割った割合です。建築面積は、建物を真上から見た時の影の広さ(水平投影面積)のことでしたね。

出窓は外壁から外へ張り出すので、真上から見ると影ができます。『じゃあ、その影の分は建築面積に足されるの?』と思うのは自然です。

実は、出窓の扱いは「床面積に入るかどうか」とセットで考えるのが分かりやすいんです。

出窓の状態床面積建築面積(建ぺい率)
3つの条件を満たす入らない原則入らない
条件を1つでも外れる入る入る

床面積に入らない出窓は、軒やひさしと同じ「張り出し」の仲間として扱われます。世田谷区の取扱いでも、床面積に算入しない出窓は軒やひさしなどとみなし、原則として建築面積に算入しない、とされています。

反対に、神奈川県の取扱基準では、床面積に算入される出窓は建築面積に算入するとしています。書き方は違いますが、向いている方向は同じですね。

建築面積と床面積の違いをおさらい

建築面積は「真上から見た影」、床面積は「各階の壁で囲まれた広さ」です。建ぺい率は建築面積、容積率は床面積の合計(延べ面積)で計算します。

出窓の話がややこしく感じるのは、この2つが同じ文脈で出てくるからなんです。建築面積の測り方は建築面積とは?建ぺい率に使う面積の測り方で、床面積との関係は建ぺい率と延べ床面積の違いでくわしく紹介しています。

床面積に入らない出窓の3条件チェックリスト

ここでの結論

「床から30cm以上の高さ」「外壁から50cm以上出ていない」「正面の半分以上が窓」の3つがそろえば、床面積に入らない出窓です。

この3条件は、昭和61年に当時の建設省が出した「床面積の算定方法について」という通達に書かれています。今も多くの自治体の取扱いの土台になっている考え方です。

出窓の3条件チェック
  • 高さ:出窓の下端が、室内の床から30cm以上の位置にあるか
  • 出幅:まわりの外壁から、水平距離で50cm以上突き出ていないか
  • 窓の割合:出窓を正面から見た面積(見付け面積)の半分以上が窓か

見付け面積とは、出窓を正面から見た時の面積のことです。世田谷区の取扱いでは、室内側から見た面積で考えるとされています。

出窓を「高さ30cm以上」「出幅50cm未満」「窓が半分以上」の3条件で判定し、3つそろえば床面積にも建築面積にも入らないことを示した図解

条件ごとに、図面のどこを見る?

図面を前にしても、どの数字を見ればいいか迷いますよね。条件ごとに見る場所をまとめておきます。

条件図面で見る場所見落としやすい点
高さ30cm以上断面図・展開図の床から出窓の下端までの寸法床に近い低い出窓は条件を外れる
出幅50cm未満平面図の外壁から出窓の先端までの寸法外壁の中心線から測るのか、設計者に確かめる
窓が半分以上立面図・展開図の窓の大きさ壁の部分が多いデザインは条件を外れる

例えば、床から40cmの高さに、外壁から45cm出た出窓で、正面の7割が窓なら、3条件をすべて満たします。この出窓は床面積にも建築面積にも入らない、という判定になります。

低い位置の出窓は要注意

『床すれすれの大きな出窓にして、腰かけられるようにしたい』という方もいますよね。ただ、下端が床から30cm未満だと、高さの条件を外れてしまいます。

その場合は部屋の一部とみなされ、床面積に入ります。床面積に入る出窓は、建築面積にも入ると考えておくのが安全です。

条件を満たしても床面積に入る出窓がある

ここでの結論

3条件を満たしていても、形によっては「出窓ではない」と判断されることがあります。地袋付きや、屋根と一体になった出窓は特に注意です。

ここが大事なところです。3つの数字をクリアすれば、どんな形でも大丈夫というわけではないんです。

神奈川県の取扱基準では、条件を満たしていても、常識的に出窓と認められない形は床面積に算入するとしています。例として挙がっているのは、次のようなものです。

出窓とみなされにくい形
  • 出窓の天井が、室内の天井と同じか、それより高い位置にある
  • 屋根と一体になって、下屋(小さな屋根の張り出し)のようになっている
  • 出窓の下に地袋(低い収納)を設けている

世田谷区の取扱いでも、屋根やひさしと一体になっていないこと、出窓の下に戸袋などを設けないことが注記されています。

例えば、出窓の下を収納にしたいという相談はよくあります。でも収納を付けると、出窓ではなく「部屋の張り出し」として扱われることも。

設計の打ち合わせでは、こんなやり取りをしておくと安心です。

「この出窓、下に収納を付けても床面積に入りませんか?」
「収納を付けると床面積に入る扱いになりやすいので、建ぺい率も計算し直しますね。」

自治体や審査機関で見方が少し違う

出窓の細かい扱いは、自治体(特定行政庁)や確認検査機関によって少しずつ違います。同じ形でも、地域によって判断が分かれることがあるんです。

迷う形の出窓を計画している時は、土地のある自治体の建築指導課(建築の窓口)か、設計を頼む建築士・住宅会社に確かめておきましょう。

出窓の出幅と「1mルール」を混ぜない

ここでの結論

出窓の50cmは「床面積に入らない出窓」の条件です。軒やひさしの「1m」とは別の数字なので、混ぜて考えないようにしましょう。

『外壁から1mまでなら、何でも建ぺい率に入らないんじゃないの?』と聞かれることがあります。ここはよく混ざるところなんです。

建築面積のルールでは、軒やひさし、はね出し縁などの「軒等」は、壁の中心線から1m未満の出なら建築面積に入りません。1m以上出ると、先端から1mを引いた部分が入ります。

一方、出窓の50cmは床面積に入らないための条件です。床面積に入らない出窓だからこそ、軒やひさしの仲間として建築面積からも外れる、という順番で考えます。

床面積に入らない出窓
  • 3条件をすべて満たす
  • 軒やひさしの仲間として扱われる
  • 原則、建築面積にも入らない
床面積に入る出窓
  • 3条件のどれかを外れる
  • 部屋の一部として扱われる
  • 建築面積にも入ると考える

軒やひさしの1mルールは、庇・軒の出・屋根は建ぺい率に入る?でくわしく紹介しています。

出窓が建築面積に入った時の計算例

例えば、敷地100㎡・建ぺい率60%の土地なら、建築面積の上限は100×0.6=60㎡です。本体の建築面積が59㎡で、余りは1㎡とします。

ここに、出幅60cm・横幅2mの出窓を付けると、出幅50cmの条件を外れます。0.6×2=1.2㎡が建築面積に入ると、合計60.2㎡になり、上限の60㎡を超えてしまいます。

同じ横幅2mでも、出幅を45cmにして3条件を満たせば、建築面積は59㎡のままです。たった15cmの差で結果が変わるので、ギリギリの土地ほど早めに計算しておきましょう。

よくある相談:出窓と建ぺい率

ここでの結論

相談で多いのは「2階の出窓は入るのか」「大きな出窓なら部屋を広くできるか」「1mまでなら入らないのか」の3つです。

Q&Aサイトでよく読まれている相談を、要約して答えてみます。

2階に出窓を付けたら、建ぺい率に足される?

新築で2階に出窓を作りたいけれど、その出っ張りは建ぺい率の計算に足されるのか、という相談です。閲覧数がいちばん多い相談でした。

建築面積は真上から見た影なので、2階の出窓も1階と同じ考え方で判定します。3条件を満たして床面積に入らない出窓なら、原則として建築面積にも入りません。

ただし、2階の出窓が1階の外壁より外に出る場合、条件を外れると、その張り出しの分がそのまま建築面積に足されます。2階の出窓も、1階と同じように図面で数字を確かめておきましょう。

建ぺい率いっぱいの家で、大きな出窓を作りたい

建ぺい率いっぱいに家が建っていて、部屋を少しでも広くしたい。大きな出窓のような張り出しなら建ぺい率に含まれないのでは、という相談もあります。

出窓の扱いを受けられるのは、3条件を満たした「窓としての張り出し」だけです。床に近い高さで人が入れるような張り出しや、地袋付きの張り出しは、部屋の一部として床面積にも建築面積にも入ります。

建ぺい率いっぱいの家で張り出しを足すと、上限を超えるおそれがあります。超えた場合の扱いは建ぺい率オーバーするとどうなる?で紹介しています。

外壁から1mまでの窓は入らない?

外壁から1mまで、高さ30cm以上の窓なら建ぺい率にも容積率にも含まれないのか、という相談もありました。

先ほど見たとおり、出窓の出幅の条件は「50cm以上突き出ていないこと」です。1mは軒やひさしのルールなので、出窓に当てはめると50cmを超えた時点で床面積に入る扱いになりやすいんです。

出窓を付ける前に確かめる手順

ここでの結論

出窓は、間取りが決まる前の段階で3条件と建築面積の余りを確かめておくのがいちばん楽です。

『出窓くらい、あとで決めればいいでしょ』と思いがちですよね。でも、建ぺい率ギリギリの土地だと、出窓1つで本体の大きさを削ることにもなりかねません。

出窓の扱いを確かめる手順
  1. 敷地面積と建ぺい率から、建築面積の上限を計算する
  2. 本体の建築面積を図面で確かめ、余りを出す
  3. 出窓ごとに、高さ・出幅・窓の割合の3条件を確かめる
  4. 地袋や屋根と一体の形になっていないかを確かめる
  5. 迷う形は、設計者や自治体の建築の窓口に確かめる
出窓の計画で、建築面積の上限計算から余りの確認、3条件のチェック、窓口への確認までを順番に並べた図解

後付けの出窓は増築になることも

今の家に出窓をあとから付けるリフォームでは、壁を張り出す工事になります。条件を外れて床面積が増えると、増築として扱われることもあるんです。

後付けを考えている時は、確認済証や図面で今の建築面積を見てから、リフォーム会社に相談してみてください。

「この窓を出窓にしたいんですが、建ぺい率は大丈夫ですか?」
「3条件に収まる形なら床面積に入らないので、まず今の図面を見せてください。」

これから建てる人は、出窓も含めたプランで比べる

これから家を建てる方は、出窓を何か所にするか、どんな形にするかで、同じ土地でも建築面積が変わってきます。出窓が多い家ほど、最初から3条件を意識しておくと安心です。

建ぺい率が気になる土地なら、住宅会社に具体的な間取りプランを出してもらい、出窓も含めた建築面積で比べてみるのも1つの方法です。

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よくある質問

出窓は建ぺい率に入りますか?

床面積に入らない3条件を満たした出窓は、原則として建築面積にも入りません。条件を外れて床面積に入る出窓は、建築面積にも入ると考えておきましょう。

出窓の3条件とは何ですか?

下端が床から30cm以上、外壁から50cm以上突き出ていない、正面から見た面積の半分以上が窓、の3つです。昭和61年の通達に書かれた条件で、多くの自治体の取扱いの土台になっています。

出窓の下に収納を付けても大丈夫?

地袋のような収納を付けると、出窓ではなく部屋の張り出しとして床面積に入る扱いになりやすいです。建築面積にも入る前提で計算し直しておきましょう。

出窓は容積率にも関係しますか?

3条件を満たした出窓は床面積に入らないので、容積率にも影響しません。条件を外れると床面積に入り、延べ面積が増えて容積率にも関わります。

まとめ

この記事の要点
  • 床面積に入らない出窓は、原則として建築面積(建ぺい率)にも入らない
  • 条件は「高さ30cm以上」「出幅50cm未満」「窓が半分以上」の3つ
  • 地袋付きや屋根と一体の形は、条件を満たしても床面積に入ることがある
  • 出窓の50cmと、軒やひさしの1mは別のルール
  • 扱いは自治体で少し違うので、迷う形は設計者や窓口に確かめる
建ぺい率ドットコム

建ぺい率ドットコム 編集部

建ぺい率の意味と計算、用途地域ごとの数値、角地や防火地域の緩和、カーポートやバルコニーの扱い、調べ方までを、家づくりや土地探しの前に分かるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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