サンルーム・ガーデンルームは建ぺい率に入る?後付けの注意点

サンルームやガーデンルームが建ぺい率に入るかを紹介する記事のアイキャッチ。ガラス張りのサンルームが付いた家

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雨の日でも洗濯物を干せるサンルームや、庭をくつろぎの場にするガーデンルーム。『後から付けたいけど、建ぺい率は大丈夫かな』と気になっている方も多いはずです。

結論から言うと、サンルームやガーデンルームは建ぺい率に入ります。屋根と柱や壁がある建物なので、後から付けると増築として扱われるんです。

この記事を読めば、後付けのサンルームが付けられるかどうかを、3つの関門で順番に確かめられますよ。

目次

サンルーム・ガーデンルームは建ぺい率に入る?

先に結論

サンルームもガーデンルームも、屋根と柱か壁がある建物なので、建ぺい率の計算に入ります。家の本体と合わせた建築面積が、上限に収まっている必要があります。

建ぺい率(建蔽率)は、敷地のうち建物を真上から見た広さ(建築面積)が何%かを表す数字です。くわしくは建ぺい率とは?意味と計算方法で紹介しています。

建築基準法では、建築物を「屋根及び柱若しくは壁を有するもの」と決めています。サンルームはまさにこの形ですよね。

神戸市の住まいの相談窓口でも、サンルームは屋根と柱または壁があるものとして建築物に扱われ、増築に当たると説明されています。あわせて、建ぺい率や容積率が地域の制限を超えないか確かめるよう呼びかけています。

庭まわりの物屋根壁建ぺい率
ウッドデッキ(屋根なし)なしなし入りにくい
テラス屋根ありなし入る
サンルーム・ガーデンルームありあり入る

ガーデンルームは、サンルームより開け閉めできる部分が多い物を指すことが多いですが、屋根と柱がある点は同じです。呼び名が違っても、建ぺい率の考え方は変わりません。

後付けのサンルームは「3つの関門」で判定しよう

ここでの結論

後付けのサンルームは「建ぺい率の余り」「確認申請」「防火地域」の3つの関門を順に通れるかで判定できます。1つでも引っかかったら、工事の前に止まって確かめましょう。

『業者さんに頼めば、そのへんは全部見てくれるのでは』と思いますよね。ただ、建ぺい率や手続きの責任を負うのは、建物の持ち主です。自分でも一度、3つの関門を確かめておくと安心なんです。

後付けサンルームの3つの関門
  • 関門1:本体と合わせた建築面積が、建ぺい率の上限に収まるか
  • 関門2:建築確認の申請がいる大きさ・場所か
  • 関門3:防火地域・準防火地域の中にあるか
後付けのサンルームを、建ぺい率の余り、確認申請、防火地域の3つの関門で順に判定する流れを示した図解

関門1:建ぺい率の余りはあるか

まず、今の家の建築面積と、建ぺい率の上限との差を計算します。この差が、サンルームに使える「余り」です。

例えば、敷地132㎡・建ぺい率60%の土地なら、上限は132×0.6=79.2㎡です。本体の建築面積が72㎡なら、余りは7.2㎡になります。

サンルームの大きさ(例)増える建築面積合計建ぺい率
2.7m×1.8m4.86㎡76.86㎡約58.2%(収まる)
3.6m×2.7m9.72㎡81.72㎡約61.9%(超える)
敷地132㎡・建ぺい率60%の土地で、本体72㎡の家に大きさの違う2つのサンルームを付けた時、上限に収まるかを敷地図で比べた図解

同じ家でも、サンルームの大きさで結果が変わります。余りの範囲で大きさを決めるのがポイントです。

余りから逆に考えることもできます。余りが7.2㎡で、奥行きを1.8mにしたいなら、横幅は7.2÷1.8=4mまでです。

『幅は4mまでなら付けられるんだ』と分かると、業者さんとの相談もしやすくなりますよ。

今の建築面積と上限を調べるには

余りを計算するには、今の建築面積と、土地の建ぺい率の2つが必要です。

数字を集める場所
  • 今の建築面積:家を建てた時の確認済証や図面
  • 敷地面積:同じく確認済証や図面
  • 建ぺい率:自治体の都市計画図、または家を買った時の重要事項説明書
  • 角地や防火の緩和:図面や、自治体の建築の窓口

角地や防火地域の条件によっては、建ぺい率に10%が上乗せされている土地もあります。どの数字で建てたかは、図面で確かめておきましょう。

関門2:確認申請がいるか

建築基準法6条2項では、防火地域・準防火地域の外で、増築する部分の床面積が10㎡以内なら、建築確認の手続きはいらないとされています。神戸市の説明でも、防火地域・準防火地域以外では10㎡を超える場合に確認申請が必要としています。

ここが大事なところです。確認申請がいらないことと、建ぺい率を守らなくてよいことは別の話なんです。10㎡以内でも、建ぺい率の上限は守る必要があります。

確認申請がいらない場合
  • 防火地域・準防火地域の外にある
  • 増築する部分の床面積が10㎡以内
  • それでも建ぺい率は守る
確認申請がいる場合
  • 防火地域・準防火地域の中にある
  • 増築する部分の床面積が10㎡を超える
  • 確認を受けてから工事を始める

関門3:防火地域・準防火地域の中か

防火地域・準防火地域は、火事が燃え広がらないよう、建物の造りに決まりがある地域のことです。この中では、10㎡以下の小さなサンルームでも確認申請が必要になります。

神戸市の説明でも、防火地域または準防火地域では、面積に関わらず確認申請が必要とされています。自分の土地がどちらに当たるかは、自治体の都市計画図で確かめられます。

調べ方は建ぺい率の調べ方で紹介しています。

固定資産税がかかることも

神戸市の説明では、サンルームは固定資産税の対象になる可能性があるとも書かれています。建ぺい率とは別の話ですが、付ける前に知っておくと安心です。

サンルームで建ぺい率オーバーになったら?

ここでの結論

サンルームを付けて建ぺい率をオーバーすると、違反建築物として扱われるおそれがあります。売る時や住宅ローン、建て替えの時に影響が出ることがあるので、超える形で付けるのは避けておきましょう。

『少しくらいなら分からないのでは』と思う方もいるかもしれません。ただ、建てた時は合っていても、後から付けて超えた場合は、違反建築物の扱いになります。

建築基準法9条では、違反した建物について、特定行政庁が工事の停止や、取り壊し・使用禁止などの是正を命じることができるとされています。特定行政庁とは、建築の許可や確認の窓口になる自治体のことです。

オーバーで困りやすい場面
  • 家を売る時に、図面と実物の違いを説明しなければならない
  • 住宅ローンの借り換えや、物件の審査で指摘されることがある
  • 建て替えや次の増築の時に、今の基準に合わせる必要がある

住宅金融支援機構のフラット35でも、是正の命令などを受けて是正していない住宅は対象にならないとされています。くわしくは建ぺい率オーバーするとどうなる?で紹介しています。

「既存不適格」とは別の話

建てた時は合っていたのに、法律の改正や都市計画の変更で今の建ぺい率に合わなくなった建物は、既存不適格と呼ばれます。こちらは、そのまま使い続けられる建物です。

一方で、後からサンルームを付けて上限を超えたものは、既存不適格ではなく違反建築物の扱いになります。違いは既存不適格とは?で紹介しています。

後付けサンルームでオーバーした中古住宅を見つけたら

中古住宅で、前の持ち主が後から付けたサンルームのせいで建ぺい率をオーバーしている物件もあります。違反だから買うな、ということではありませんが、リスクを知った上で判断したいですよね。

買う前に、確認済証・検査済証と今の建物の形が合っているか、不動産会社に聞いてみてください。「このサンルームは、建築確認のあとで付けたものですか?」と聞くと話が早いですよ。

中古物件の見方は建ぺい率オーバーの中古物件で紹介しています。

よくある相談:サンルームと建ぺい率

ここでの結論

相談で多いのは「新築の時にサンルームを入れたい」「10㎡以内なら申請しなくていいのでは」「引き渡しの後に付けたい」などです。

Q&Aサイトでよく読まれている相談を、要約して答えてみます。

新築でサンルームを作りたい

新築するけれどリビングが狭いので、子どもが遊べるようにサンルームを付けたい。建ぺい率に関係するのか、という相談です。

サンルームは建物なので、建ぺい率に関係します。新築なら、本体とサンルームを合わせた建築面積で最初から計画してもらえるので、後付けより調整しやすいですよ。

10㎡以内なら建ぺい率は関係ない?

業者にサンルームを頼んだら、建ぺい率を考える必要があると言われた。10㎡以内なら建築確認はいらないはずでは、という相談も読まれています。

業者の説明のとおりで、10㎡以内で確認申請がいらない場合でも、建ぺい率は守る必要があります。防火地域・準防火地域なら、10㎡以内でも確認申請がいる点も気をつけましょう。

付けても大丈夫か、どこで調べればいい?

サンルームを増築したいが、建ぺい率などで問題がないかはどうやって調べればいいのか、という相談も読まれています。

まずは家を建てた時の図面で、建築面積と敷地面積を確かめます。そのうえで、自治体の建築指導課(建築の窓口)に図面を持って行くと、建ぺい率や確認申請の要否を一緒に確かめてもらえますよ。

引き渡しの後に付けるのは大丈夫?

新築の引き渡しが終わってから、雨の日用にサンルームを後付けしたい、という相談もあります。

引き渡しの後でも、3つの関門は同じです。建ぺい率の余りがあり、必要な手続きをすれば付けられます。

ただ、余りがほとんどない家では、思った大きさのサンルームが付けられないこともあります。その場合は、屋根のないウッドデッキにするなどの選び方もありますよ。くわしくはウッドデッキは建ぺい率に入る?で紹介しています。

これから建てるなら、サンルームも最初から計画に入れる

ここでの結論

サンルームが欲しいなら、新築の計画の段階で建築面積の配分を決めておくのがいちばん確実です。

『家が建ってから考えよう』とすると、本体で建ぺい率を使い切っていて付けられない、ということが起こりがちです。サンルームを付けたいなら、その分の建築面積を残した間取りにしておきましょう。

増築全体の考え方は増築・リフォームと建ぺい率でも紹介しています。迷う時は、土地のある自治体の建築指導課(建築の窓口)か、設計を頼む建築士・住宅会社に相談してみてください。

例えば、窓口ではこんなやり取りになります。

「この図面の家に、2.7m×1.8mのサンルームを付けたいのですが」
「建ぺい率の余りと、この場所が準防火地域かどうかを一緒に見てみましょう」

建ぺい率が気になる土地なら、サンルームを含めた形で住宅会社に具体的なプランを出してもらうと、比べやすくなります。

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よくある質問

サンルームは建ぺい率に入りますか?

入ります。屋根と柱や壁がある建物なので、家の本体と合わせた建築面積で建ぺい率を計算します。

ガーデンルームも建ぺい率に入りますか?

ガーデンルームも屋根と柱がある建物なので、サンルームと同じく建ぺい率に入ります。呼び名が違っても考え方は同じです。

サンルームで建ぺい率オーバーになったらどうなりますか?

違反建築物として扱われるおそれがあり、是正を求められることもあります。売る時や住宅ローンの審査で説明が必要になることもあるので、上限を超えて付けるのは避けておきましょう。

完了検査のあとに、サンルームを付けてもらうのは大丈夫ですか?

検査のあとに付けても、建ぺい率の上限は変わりません。上限を超える形で付けると違反建築物として扱われるおそれがあるので、付ける前に余りと手続きを確かめておきましょう。

10㎡以下のサンルームなら確認申請はいりませんか?

防火地域・準防火地域の外で、増築部分の床面積が10㎡以内なら手続きはいりません。ただ、防火地域・準防火地域では面積に関わらず必要で、どちらの場合も建ぺい率は守る必要があります。

まとめ

この記事の要点
  • サンルーム・ガーデンルームは建物なので、建ぺい率に入る
  • 後付けは増築として扱われる
  • 判定は「建ぺい率の余り」「確認申請」「防火地域」の3つの関門で
  • 10㎡以内で確認申請がいらなくても、建ぺい率は守る
  • オーバーすると、売却やローン、建て替えで困ることがある
建ぺい率ドットコム

建ぺい率ドットコム 編集部

建ぺい率の意味と計算、用途地域ごとの数値、角地や防火地域の緩和、カーポートやバルコニーの扱い、調べ方までを、家づくりや土地探しの前に分かるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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