市街化調整区域の建ぺい率と容積率は?家を建てられる場合と確認先

市街化調整区域の建ぺい率を紹介する記事のアイキャッチ。田畑の中に家がまばらに建つ郊外と敷地図

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気になる土地や中古の家が「市街化調整区域」にあって、建ぺい率も容積率もよく分からない。そもそも家を建てていい場所なのかも不安。そんな方も多いはずです。

結論から言うと、市街化調整区域の建ぺい率は、特定行政庁が30〜70%の中から定めた数値になります。ただ、調整区域では建ぺい率より先に「そもそも建ててよいか」の許可の確認が必要なんです。

この記事では、市街化調整区域で家を建てる時の流れを「建てられるか」「何%か」「誰に確かめるか」の3段でお伝えしますね。

目次

市街化調整区域は「市街化を抑える区域」

先に結論

市街化調整区域は、都市計画法7条で「市街化を抑制すべき区域」とされています。建物を建てるには、建ぺい率を満たす前に都市計画法の許可が必要になる場面が多いです。

都市計画区域は、市街化区域と市街化調整区域に分けることができます。市街化区域は、すでに市街地になっている区域と、おおむね10年以内に市街化を図る区域です。

『調整区域って、建ぺい率が厳しい区域のこと?』と思われがちですよね。実は、調整区域で一番気にしたいのは建ぺい率の数字よりも、建ててよいかどうかの許可なんです。

区域どんな区域か建ぺい率の決まり方
市街化区域すでに市街地の区域と、おおむね10年以内に市街化を図る区域用途地域ごとに都市計画で選ばれた数値
市街化調整区域市街化を抑制すべき区域用途地域がなければ特定行政庁が30〜70%から定めた数値

調整区域で建ぺい率の前に出てくる許可

都市計画法43条1項では、調整区域のうち開発許可を受けた区域以外で、建物を新築・改築したり用途を変えたりするには、知事の許可が必要としています(農林漁業用の建物など一部を除く)。

土地を造って建てる開発行為には、29条1項の開発許可が必要です。許可を出すのは知事、指定都市・中核市ではその市長です。

重要事項説明書の「区域の別」を見る

土地や中古の家を買う時は、重要事項説明書の「法令に基づく制限の概要」の欄に、区域の別が書かれます。市街化区域・市街化調整区域・非線引区域・準都市計画区域・その他のどれかです。

ここに市街化調整区域とあったら、建ぺい率の欄を見る前に、許可の話を不動産会社に聞いてみてください。

「調整区域とありますが、この土地に家を建てる許可は取れそうですか?」
「条例の区域に入っているかを市で確かめて、結果をお伝えしますね」

3段で考える:調整区域で家を建てる流れ

ここでの結論

調整区域で家を建てる時は「そもそも建てられるか」「建ぺい率は何%か」「誰に確かめるか」の順で見ていきます。1段目で止まると、建ぺい率の計算までたどり着かないこともあります。

ここが、この記事でいちばん大事なところです。順番を間違えないように、3段に分けてみました。

市街化調整区域で家を建てる時の流れを、建てられるか、建ぺい率は何%か、誰に確かめるかの3段で示した図解
調整区域で家を建てる3段
  1. そもそも建てられるか:都市計画法の許可(43条・29条・34条)に当てはまるかを確かめる
  2. 建ぺい率は何%か:特定行政庁が定めた数値と、容積率を確かめる
  3. 誰に確かめるか:開発許可の窓口と建築指導課、設計を頼む建築士に確かめる

1段目:そもそも建てられるか

開発許可の基準は、都市計画法33条の要件に加えて、調整区域では34条の各号のどれかに当てはまることが必要です。

34条には、周りに住む人の日常生活に必要な店舗などのほか、条例で指定した区域の決まりがあります。11号は、市街化区域に隣接・近接し、おおむね50以上の建物が連なっている地域のうち条例で指定した区域です。

12号は、条例で区域・目的・用途を限って定めたものです。どちらも条例の有無や中身は都道府県などごとに違うので、土地のある自治体で確かめます。

2段目:建ぺい率は何%か

調整区域で用途地域がない土地は、建築基準法53条1項6号の「用途地域の指定のない区域」に当たります。特定行政庁が30・40・50・60・70%の中から、区域を分けて定めた数値です。

例えば岐阜市では、市街化調整区域の建ぺい率を50%・60%と掲載しています。同じ調整区域でも、自治体によって数値は違うんです。

3段目:誰に確かめるか

岐阜市では、市街化調整区域は建築指導課、それ以外は都市計画課へ問い合わせ、としています。窓口の分け方も自治体ごとに違うので、まずは市役所の代表で「調整区域の建ぺい率と開発許可の窓口」を聞いてみてください。

聞く相手ごとに、確かめたいことを分けておくと話がスムーズです。

聞く相手確かめること
開発許可の窓口建てられるか、建て替えられるか、条例の区域に入っているか
建築指導課などの建築の窓口建ぺい率・容積率は何%か、角地などの緩和があるか
設計を頼む建築士・住宅会社許可と建ぺい率の範囲で、どんな家が建つか

市街化調整区域の建ぺい率と容積率の目安

ここでの結論

用途地域の指定のない区域の建ぺい率は30〜70%、容積率は50・80・100・200・300・400%の中から、特定行政庁が定めます。どの数値かは土地ごとに確かめます。

『調整区域は建ぺい率も容積率も設定がないの?』という声をよく聞きます。設定がないのではなく、用途地域の代わりに特定行政庁が定めた数値が使われるんです。

項目選べる数値誰が定めるか
建ぺい率(53条1項6号)30・40・50・60・70%特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て定める
容積率(52条1項8号)50・80・100・200・300・400%同じく特定行政庁が定める

特定行政庁は、建築のルールを地域で運用している自治体のことです。多くの場合は市や都道府県がこれに当たります。

例えばこんな土地なら

調整区域で建ぺい率60%・容積率200%が定められている敷地200㎡を例にしてみます。建築面積の上限は200㎡×0.6=120㎡、延べ面積の上限は200㎡×2=400㎡です。

建ぺい率50%・容積率80%の場所なら、建築面積は100㎡、延べ面積は160㎡までになります。数字は説明用の例ですが、同じ調整区域でも建てられる広さはこれだけ変わります。

60%の例の土地が特定行政庁の指定する角地なら、+10%で70%になり、建築面積は200㎡×0.7=140㎡まで広がります。

市街化区域の土地と比べて気をつけたいこと

市街化区域の土地なら、建ぺい率は用途地域の数値を見れば分かり、手続きは建築確認が中心です。調整区域の土地は、そこに都市計画法の許可がもう1つ重なります。

『土地の値段が手ごろだから』という理由だけで決めると、あとで建てられないと分かることも。買う前に許可の見込みまで確かめておくのが安心です。

補足

34条12号のように、条例で区域や目的・用途を限っている決まりもあります。建ぺい率の数値だけで判断せず、許可の窓口で条件もあわせて聞いておきましょう。

調整区域と区域外・非線引き区域の違いは、都市計画区域外の建ぺい率と非線引き区域・用途地域の指定のない区域の建ぺい率で紹介しています。

よくある相談:市街化調整区域の建ぺい率

ここでの結論

調整区域の相談は「中古の家を建て替えられるか」「建ぺい率や容積率はあるのか」「カーポートを足していいか」に集まります。どれも、許可と建ぺい率を分けて考えると答えが見えてきます。

Q&Aサイトでよく読まれている相談を、要約して答えてみます。

調整区域の中古一戸建て、建て替えの時は許可が要る?

調整区域の中古一戸建てが気になっていて、建て替えの時に建築許可が必要なのか知りたい、という相談がとても多く読まれています。

都市計画法43条1項では、開発許可を受けた区域以外で建物を改築する時も、知事の許可が必要としています。建て替えは改築に当たることが多いので、買う前に許可の見込みを確かめておくのが安心です。

『今建っているから、同じように建て替えられるはず』と思い込まないでくださいね。許可の基準は自治体ごとに違います。

「この家は将来建て替えできますか?」
「許可が要る区域なので、市の開発許可の窓口で条件を確かめてからお答えしますね」

調整区域には建ぺい率や容積率はないの?

調整区域は建ぺい率・容積率の設定が基本的にないのか、道路斜線の制限もないのか、という相談もあります。

調整区域は都市計画区域の中なので、建築基準法の第3章の決まりがかかります。用途地域がなければ、特定行政庁が定めた建ぺい率・容積率が使われます。

確認申請も許可も取らずにカーポートを建てていい?

市街化調整区域の田畑のそばに建つ一軒家とカーポートの写真

調整区域に住んでいて、建築確認も開発許可も取らずにカーポートを2台分建てようと思っている、という相談もあります。

カーポートは建築物に当たるとしている自治体があり、その場合は建ぺい率にも関わります。都市計画区域の中で10㎡を超える増築は建築確認が必要で、確認が要らない規模でも建ぺい率などの基準には合わせる必要があります。

さらに調整区域では、都市計画法の許可が要るかどうかも自治体に確かめておきましょう。

よくある失敗

『小さいものだから』と確かめずにカーポートや物置を足し、あとで建ぺい率を超えていたと分かることがあります。足す前に今の建築面積を確かめ、自治体の窓口に聞いておきましょう。

調整区域の土地に家を建てる場合も、許可と建ぺい率の両方を満たしたうえで、どんな家が建つかを見たいですよね。最後は土地のある自治体の建築指導課や、設計を頼む建築士・住宅会社に確かめておけば安心です。

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調整区域の土地を持っている人が考えておきたいこと

ここでの結論

調整区域の土地は、建物を建てる活用に許可の壁があります。何ができるかは、許可の基準と建ぺい率・容積率の両方から考えます。

相続などで調整区域の土地を持つことになり、『この土地で何ができるのか分からない』という方もいますよね。

調整区域の土地で確かめておきたいこと
  • 34条11号・12号の条例区域に入っているか
  • 開発許可を受けた区域かどうか
  • 特定行政庁が定めた建ぺい率と容積率は何%か
  • 建てたい建物が許可の基準に当てはまるか
  • 建物を建てない使い方の扱いはどうか

駐車場や資材置場のように、建物を建てない使い方がどう扱われるかも自治体ごとに確かめが必要です。活用の考え方は市街化調整区域の土地活用で紹介しています。

自分で調べる、自治体の窓口で聞く、設計事務所に相談する、どれも正当な方法です。そのうえで、この土地でどんな活用ができるかを、複数の会社の活用プランで比べてみる方法もあります。

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よくある質問

市街化調整区域の建ぺい率は何%ですか?

用途地域がない土地なら、特定行政庁が30・40・50・60・70%から定めた数値です。自治体や場所によって違うので、窓口で確かめます。

調整区域の建ぺい率と容積率はどこで分かりますか?

土地のある自治体の建築指導課や都市計画の窓口で確かめられます。窓口の分け方も自治体ごとに違うので、まずは代表で聞いてみてください。

市街化調整区域には家を建てられませんか?

建てられない区域ではありませんが、都市計画法の許可が必要になる場面が多いです。34条の基準や条例の区域に当てはまるかを自治体で確かめます。

調整区域でも角地の緩和はありますか?

建築基準法53条3項の緩和は、用途地域のない区域の数値にも上乗せされます。特定行政庁が指定する角地なら+10%ですが、角地の基準は自治体ごとに違うので確かめておきましょう。

調整区域で建築確認は必要ですか?

調整区域は都市計画区域の中なので、新築は建築確認の対象です。都市計画法の許可とは別の手続きなので、両方を確かめておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域
  • 調整区域の建ぺい率は、特定行政庁が30〜70%から定めた数値
  • 容積率も50〜400%の中から特定行政庁が定める
  • 建ぺい率より先に、都市計画法の許可で建てられるかを確かめる
  • 建て替えや増築でも許可が要るかを、自治体の窓口で確かめる
建ぺい率ドットコム

建ぺい率ドットコム 編集部

建ぺい率の意味と計算、用途地域ごとの数値、角地や防火地域の緩和、カーポートやバルコニーの扱い、調べ方までを、家づくりや土地探しの前に分かるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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