重要事項説明書の建ぺい率の見方|緩和の書き方と確認ポイント

重要事項説明書の建ぺい率の見方を紹介する記事のアイキャッチ。机に広げた書類と図面

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土地や家の契約の前に渡される重要事項説明書。『建ぺい率の欄、数字は書いてあるけど、これで合っているの?』と、読み方に迷う方も多いはずです。

結論から言うと、重要事項説明書の建ぺい率は「法令に基づく制限の概要」という欄にまとまっています。5つのポイントを順に見れば、緩和が入っているかや、今の建物と合っているかまで確かめられるんです。

この記事を読めば、説明を受ける前に、どこを見て何を聞けばいいかが分かりますよ。

目次

重要事項説明書のどこに建ぺい率が書かれる?

先に結論

建ぺい率は、重要事項説明書の「法令に基づく制限の概要」の中の、建築基準法の欄に書かれます。「建築面積の限度(建ぺい率制限)」という項目を探してみてください。

不動産を買う時は、契約が成立するまでに、宅地建物取引士から重要事項の説明を受けます。宅地建物取引業法35条で、都市計画法や建築基準法などの制限の概要を書面で説明することが決められているんです。

説明の対象になる制限は政令で決まっていて、建ぺい率を定めた建築基準法53条も入っています。だから、建ぺい率(建蔽率)は売買の重要事項説明書で説明される項目の1つなんですね。

国土交通省の重要事項説明書(売買・交換)の様式では、この欄がこんな並びになっています。

欄書かれること
都市計画法区域の別(市街化区域・市街化調整区域・非線引区域など)
建築基準法 イ用途地域名と制限の内容
建築基準法 ロ地域・地区・街区名など
建築基準法 ハ建築面積の限度(建ぺい率制限)
建築基準法 ニ延建築面積の限度(容積率制限)
建築基準法 ホ〜ト敷地と道路の関係、私道、その他の制限

実際の書類は、不動産会社によって見た目が少し違います。ただ、項目の中身はこの並びに近いことが多いので、まず「ハ」に当たる場所を探すと見つけやすいですよ。

建築面積の限度の式の読み方

様式の「建築面積の限度」の欄は、「(敷地面積− ㎡)×率」の形になっています。敷地面積から何かを引いて、建ぺい率を掛ける式ですね。

引く欄は、敷地のうち建ぺい率の計算に入れない部分を書く所と読めます。例えば前の道路のセットバックが必要な土地では、その部分は敷地面積に入りません。

例えば敷地面積150㎡で、セットバック部分が5㎡、建ぺい率60%なら、(150−5)×0.6=87㎡が建築面積の限度です。セットバックの扱いは建ぺい率とセットバックで紹介しています。

制限の欄を読む5つのチェックポイント

ここでの結論

「区域」「用途地域と地域・地区」「建築面積の限度」「緩和の有無」「今の建物との照らし合わせ」の5つを順に見れば、建ぺい率の欄はほぼ読み切れます。

ここが大事なところです。数字を1つ見て終わりにせず、前後の欄とつなげて読むのがコツなんです。

建ぺい率の欄を読む5つのチェックポイント
  • 区域の別:市街化区域か、市街化調整区域などかを見る
  • 用途地域と地域・地区:用途地域名と、防火地域・準防火地域の指定を見る
  • 建築面積の限度:敷地面積から引く面積と、掛ける率を見る
  • 緩和の有無:その率に角地や防火地域の緩和が入っているかを確かめる
  • 今の建物との照らし合わせ:中古なら、今の建築面積が限度に収まるかを見る
重要事項説明書の「法令に基づく制限の概要」の欄を、区域・用途地域・建築面積の限度・緩和・今の建物の5つの順に読むチェックポイントを示した図解

1と2:区域と用途地域は「数字の前提」

市街化調整区域の土地は、市街化を抑える区域なので、そもそも家を建てられるかどうかの確認が先に来ます。建ぺい率の数字だけ見て安心しないようにしましょう。

用途地域の名前が分かれば、選べる建ぺい率の幅も分かります。例えば第一種低層住居専用地域なら30〜60%の中から選ばれていて、商業地域なら80%です。

防火地域・準防火地域の指定は、ロの「地域・地区」の欄で確かめます。ここが緩和の判断につながります。

3:建築面積の限度は「率」と「引く面積」

ハの欄では、掛けている率と、敷地面積から引いている面積の2つを見ます。引く面積が空欄なら、セットバックなどの差し引きが無い前提で計算していると読めます。

『前の道が狭いのに、差し引きが空欄…』という時は、道路の欄(ホ)とあわせて、説明の時に聞いてみてください。

5:中古なら、今の建物と照らし合わせる

中古の家を買う時は、ハの限度と、今の建物の建築面積を見比べます。例えば限度が87㎡で、今の建物の建築面積が90㎡なら、3㎡超えている計算です。

建築面積は、建てた時の図面や確認の書類で確かめられることがあります。超えている時は、既存不適格か違反かで扱いが変わるので、次の章の相談もあわせて見てみてください。

既存不適格の家でも、建て替えたり増築したりする時は、今の建ぺい率に合わせる必要があります。建て替えると今より小さい家になることもあるので、将来の計画まで含めて考えておきましょう。

建ぺい率の緩和の、重要事項説明書での書き方と確かめ方

ここでの結論

緩和をどう書くかの細かい書式は、様式からは決まっていません。書かれている率が「指定の数字」なのか「緩和を入れた数字」なのかを、説明の時に聞いて確かめるのがいちばん確実です。

建ぺい率は、角地として自治体が指定する敷地や、防火地域・準防火地域で一定の建物にする場合に、10分の1上がります。両方に当たれば10分の2です。

例えば敷地150㎡・指定60%の土地が角地の緩和に当たれば、上限は70%になり、150×0.7=105㎡まで建てられます。緩和の有無で15㎡も違うので、書類のどの数字が使われているかは大事なんです。

考えられる書かれ方気をつけたいこと
指定の数字だけが書かれている緩和が使えるかを別に確かめる
緩和を入れた数字が書かれているどの緩和を入れたか、条件を満たすかを確かめる
緩和について添え書きがある角地か防火か、どちらの緩和かを確かめる

角地の緩和は自治体ごとに条件が違う

角地の緩和は、街区の角にある敷地などで、特定行政庁(建築の許可や確認をする自治体)が指定するものが対象です。条件は自治体の細則で決まっていて、道路が交わる角度や、道路に接する長さの割合などが違います。

地図で角にあっても、条件に合わない土地もあります。くわしくは角地の建ぺい率緩和で紹介しています。

防火の緩和は、建てる建物しだい

防火地域や準防火地域の緩和は、土地ではなく「どんな建物を建てるか」で決まります。耐火建築物等や準耐火建築物等にした時に使える緩和なんです。

だから、重要事項説明書に防火地域と書かれていても、緩和が使えるかは建てる家の造りしだいです。説明の時は、こんなふうに聞いてみてください。

「この60%は、角地や防火の緩和を入れる前の数字ですか?」
「指定の数字です。角地の緩和は、自治体の窓口で条件を確かめてください。」

よくある相談:重要事項説明書と建ぺい率

ここでの結論

相談で多いのは「建ぺい率を少し超えた中古物件」「超えた家を買った後の責任」「確認の書類がない中古物件」の3つです。

Q&Aサイトでよく読まれている、中古物件まわりの相談を要約して答えてみます。

60%の所に61.5%の中古物件。少しなら大丈夫?

建ぺい率60%の地域で、建ぺい率61.5%の中古物件があり、1.5%のオーバーなら問題ないのか、という相談です。

まず確かめたいのは、建てた時は基準に合っていて後から合わなくなった「既存不適格」なのか、建てた時から超えている「違反」なのかです。既存不適格の建物は、そのまま使い続けられます。

違反の場合は、自治体から是正を求められるおそれがあり、住宅ローンの審査で不利になることもあります。どちらに当たるかは、確認済証や検査済証の有無とあわせて、説明の時に聞いてみてください。違いは既存不適格とは?で紹介しています。

超えた中古物件を買ったら、直す義務は自分に来る?

建ぺい率を超えた中古物件を買った場合、違反を直す義務は自分にあるのか、という相談も読まれています。

建築基準法9条では、違反した建物について、建築主や工事をした人のほか、建物の所有者や管理者、住んでいる人にも是正の措置を命じられるとしています。つまり、買ったあとの持ち主に命令が来ることもあり得るんです。

『前の持ち主がやったことなのに…』と思いますよね。だからこそ、契約の前に重要事項説明書で建築面積と限度を照らし合わせておきたいところです。

「今の建物の建築面積は、この限度に収まっていますか?」
「確認の書類と照らし合わせて、超えているかどうかをお調べします。」中古物件のリスクは建ぺい率オーバーの中古物件でまとめています。

確認済証や検査済証がない中古物件は?

確認済証や検査済証がない中古物件を買うと、どんな困りごとがあるのか、という相談はとても多く読まれていました。

国土交通省の考え方では、書類の一部がない時は、その旨を重要事項説明書に書くこととされています。書類が無くても、自治体で台帳記載事項証明書が出してもらえれば、その旨を書いて説明するのが適切とされています。

検査済証のない建物は、法適合状況調査という仕組みで今の基準への適合を調べてもらえることもあります。その報告書は、あとで増改築する時の確認の資料として使えるとされています。

説明を受ける前に準備しておくこと

ここでの結論

重要事項説明書は、契約の当日に初めて読むと見落としが出やすい書類です。事前に写しをもらい、建ぺい率の欄を自分で確かめておきましょう。

『専門用語ばかりで、当日その場で読み切れる気がしない』という方も多いですよね。事前に準備しておくと、聞きたいことがはっきりします。

説明の前にしておくこと
  1. 重要事項説明書の写しを、契約の前にもらえないか頼む
  2. 都市計画図で、用途地域と建ぺい率を自分でも調べておく
  3. 書類の率と、自分で調べた数字が同じかを見比べる
  4. 緩和が入った数字か、指定の数字かを聞く質問を用意する
  5. 中古なら、今の建物の建築面積が分かる書類も見せてもらう

自分で数字を調べる方法は、建ぺい率の調べ方でくわしく紹介しています。最後は土地のある自治体の建築指導課(建築の窓口)で確かめておくと安心です。

重要事項説明書の説明を受ける前に、写しの入手から都市計画図との照合、質問の用意までを順番に並べた図解

住宅ローンの前にも確かめておく

住宅金融支援機構の【フラット35】では、建築基準法に合っていない場合などは融資の対象にならない場合がある、とされています。民間の住宅ローンでも、扱いは金融機関によって違います。

建ぺい率を超えているかどうかは、ローンにも関わってきます。くわしくは建ぺい率オーバーの家で住宅ローンは組める?で紹介しています。

土地を買う人は、建てる家のプランも一緒に

これから土地を買って家を建てる方は、重要事項説明書の建築面積の限度が、建てたい家に足りるかどうかが気になりますよね。限度の数字だけでは、どんな間取りになるかまでは分かりにくいものです。

契約の前に、その土地でどんな家が建つかを、住宅会社に具体的なプランで出してもらって比べてみるのも1つの方法です。

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よくある質問

重要事項説明書の建ぺい率はどこに書かれていますか?

「法令に基づく制限の概要」の中の、建築基準法の欄にある「建築面積の限度(建ぺい率制限)」の項目です。用途地域名や地域・地区の欄とあわせて読みましょう。

建ぺい率の緩和は重要事項説明書にどう書かれますか?

様式で細かい書き方が決まっているわけではないので、書類によって違うことがあります。書かれた率が指定の数字か、緩和を入れた数字かを、説明の時に聞いて確かめるのが確実です。

建築面積の限度の「敷地面積から引く面積」とは?

敷地のうち建ぺい率の計算に入れない部分を書く所と読めます。前の道路のセットバックが必要な部分が代表例です。

建ぺい率を超えた中古物件は買えますか?

買うこと自体はできますが、既存不適格か違反かで扱いが変わります。是正を求められるおそれやローンへの影響もあるので、契約の前に書類と説明でしっかり確かめましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 建ぺい率は「法令に基づく制限の概要」の建築基準法の欄に書かれる
  • 建築面積の限度は「(敷地面積−引く面積)×率」で読む
  • 区域・用途地域・限度・緩和・今の建物の5つを順に確かめる
  • 書かれた率が緩和込みかどうかは、説明の時に聞いて確かめる
  • 中古は確認済証・検査済証の有無と、今の建築面積も照らし合わせる
建ぺい率ドットコム

建ぺい率ドットコム 編集部

建ぺい率の意味と計算、用途地域ごとの数値、角地や防火地域の緩和、カーポートやバルコニーの扱い、調べ方までを、家づくりや土地探しの前に分かるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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