建ぺい率に含まれないもの一覧|不算入になる部分と条件

建ぺい率に含まれないものを紹介する記事のアイキャッチ。バルコニーやカーポート、物置のある家

当サイトの記事は編集部が法令(e-Gov法令検索)や国土交通省・自治体などの公的な情報を調べて独自に執筆しています。記事内に家づくり・土地活用のサービスへの案内(広告)を含みます。

間取りを考えていると、『バルコニーは?カーポートは?地下室は?』と、建ぺい率に入るのかどうか分からない物がたくさん出てきますよね。1つずつ調べるのは大変です。

結論から言うと、建ぺい率に含まれないものは「そもそも建築物ではない物」と「建築面積の測り方で外れる部分」の2種類に分かれます。条件しだいで入ったり入らなかったりする物も多いので、一覧で見るのがいちばん早いんです。

この記事では、敷地の中の物を「入らない」「条件しだい」「入る」の3段に仕分けて、それぞれの条件をまとめました。

目次

建ぺい率に含まれないものは2種類ある

先に結論

建ぺい率に入らないのは、①屋根と柱・壁がそろわず「建築物」に当たらない物と、②建築物の一部でも、建築面積の測り方のルールで外れる部分の2つです。

建ぺい率(建蔽率)は、建築面積を敷地面積で割った割合です。だから「建ぺい率に入るか」は、言いかえると「建築面積に入るか」という話になります。

建築面積は、建物を真上から見た時の影の広さ(水平投影面積)です。外壁や柱の中心線で囲まれた範囲を測ります。

1つめ:そもそも建築物ではない物

建築基準法2条1号では、建築物を「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」などと決めています。屋根がない物や、地面に置いただけの物は、ここに当たらないことがあるんです。

例えば、屋根のない駐車スペースや、舗装しただけのアプローチは建築物ではありません。建築面積を持たないので、建ぺい率の計算に出てきません。

2つめ:建築物でも、測り方で外れる部分

建築面積の測り方は、建築基準法施行令2条1項2号で決められています。ここに「この部分は入れない」というルールがいくつか書かれているんです。

施行令のルール入らない部分
地階のルール地盤面から1m以下にある地階の部分
軒等のルール壁から1m未満の軒・ひさし・はね出し縁
開放性のルール告示の条件を満たす開放的な建物の端から1m

「建ぺい率の不算入」と呼ばれるものの多くは、この3つのどれかのことです。それぞれの中身は、このあとの一覧と章で見ていきます。

測り方の全体は建築面積とは?建ぺい率に使う面積の測り方でくわしく紹介しています。

「入らない」「条件しだい」「入る」の3段一覧

ここでの結論

敷地の中の物を3段に分けると、どこを確かめればいいかがすぐ分かります。真ん中の「条件しだい」が、図面で数字を見ておきたいところです。

『結局、うちの計画のどれが入るの?』という方のために、よく出てくる物を一覧にしました。扱いは自治体(特定行政庁)や確認検査機関で少しずつ違うので、目安として見てください。

建ぺい率に入らないもの

物・部分入らない理由
屋根のない駐車場・アプローチ建築物に当たらない
外から出し入れし人が入らない小さな物置国土交通省の助言で建築物に当たらないとされる
地盤面から1m以下の地下の部分施行令で建築面積から除かれる
壁から1m未満の軒・ひさし施行令で建築面積から除かれる
床面積に入らない出窓軒やひさしの仲間として扱われる(自治体の取扱い)
屋根裏のロフト・屋上真上から見た範囲が増えない

ロフトや屋上は「入らない」というより、もともと建物の範囲の中にあるので、建築面積を増やさないということですね。

条件しだいで入るもの

物・部分分かれ目
軒・ひさし・バルコニー壁から1m以上出ると、先端から1mを引いた分が入る
カーポート・サイクルポート開放性の4条件を満たすと、端から1mが入らない
出窓高さ・出幅・窓の割合の3条件を外れると入る
物置人が中に入れる形なら建築物として入る
地下室・半地下地盤面から1mを超えて出ると入る
玄関ポーチ柱や壁で囲うと、その範囲が入る
外階段はね出し縁の扱いか、柱で囲った範囲かで変わる
ウッドデッキ・パーゴラ屋根の有無や形で判断が分かれる

建ぺい率に入るもの

物・部分入る理由
建物本体外壁や柱の中心線で囲まれた範囲
ガレージ・ビルトインガレージ車庫を差し引く決まりが建築面積には無い
2階の張り出し・ピロティ上の階の外壁の線まで真上から見た影に入る
吹き抜け真上から見た範囲は減らない
サンルーム・ガーデンルーム屋根と柱・壁がある建築物
人が入れる物置・コンテナ建築物として扱われる
敷地の中の物を「入らない」「条件しだい」「入る」の3段に仕分け、条件しだいの物に分かれ目の数字を添えた図解

同じ敷地に建物が2つ以上ある時は、建築面積を合計して建ぺい率を計算します。家とは別に建てるカーポートや物置も、建築物なら足し算に入ってくるんです。

条件しだいの物は、ここで分かれる

ここでの結論

条件しだいの物は「壁から何m出ているか」「開放的かどうか」「地面から何m出ているか」の3つの物差しでほぼ判断できます。

ここが大事なところです。真ん中の段の物は、数字の条件を1つ外れるだけで入る側に移ります。代表的なものを順に見ていきましょう。

軒・ひさし・バルコニーは「1m」

軒・ひさし・はね出し縁は、施行令で「軒等」とまとめて扱われます。外壁や柱の中心線から1m未満の出なら建築面積に入りません。

1m以上出ている時は、先端から1m下がった線までが入ります。例えば出幅1.5mで横幅4mのバルコニーなら、入る奥行きは0.5mで、0.5×4=2㎡が建築面積に足される計算です。

ただし、柱や袖壁で支えるバルコニーは、柱の線で測る扱いになります。神奈川県の取扱基準では、外気に開いた部分の高さが1.1m未満の時も建築面積に入れるとしています。くわしくはバルコニー・ベランダは建ぺい率に入る?や庇・軒の出・屋根は建ぺい率に入る?で紹介しています。

カーポート・サイクルポートは「開放性の4条件」

屋根と柱だけの開放的な建物は、国土交通省の告示で決められた4つの条件を満たすと、端から1mの部分を建築面積に入れなくてよい扱いがあります。

開放性の4条件
  • 外壁のない部分が、連続して4m以上ある
  • 柱の間隔が2m以上ある
  • 天井の高さが2.1m以上ある
  • 地階を除いた階数が1である

例えば岡山市の取扱基準には、片持ち型の車庫で通常4.5㎡のところ、条件に合えば1.5㎡になる算定例があります。計算のしかたはカーポートの建ぺい率緩和で紹介しています。

地下室は「地盤面から1m」

施行令では、地階のうち地盤面から1m以下にある部分を建築面積から除いています。地盤面とは、建物が周りの地面と接する位置の平均の高さのことです。

半地下で地上に出ている部分が1mを超えると、その部分は建築面積に入ります。地下の扱いは地下室・半地下は建ぺい率に入る?でくわしく紹介しています。

出窓は「3条件」

出窓は、下端が床から30cm以上、外壁から50cm以上突き出ていない、正面の半分以上が窓、の3つを満たすと床面積に入りません。世田谷区の取扱いでは、こうした出窓は原則として建築面積にも入れないとしています。

地袋付きや屋根と一体の形は、条件を満たしても入る扱いになることがあります。くわしくは出窓は建ぺい率に入る?で紹介しています。

物置は「人が入るかどうか」

国土交通省の技術的助言では、土地に置く小さな倉庫のうち、外から荷物を出し入れでき、中に人が入らない物は建築物に当たらないとしています。

ただし「小さな」の目安は自治体で違います。横須賀市は、奥行1m以下・高さ2.3m以下・床面積2㎡以内として扱っています。人が中に入れる物置は建築物になり、建築面積に足されます。

玄関ポーチと外階段は「柱と壁」

玄関ポーチは、形によって測り方が変わります。神奈川県の取扱基準では、柱のない「ひさし型」は軒等として1mの考え方で見て、三方を壁で囲んだ「寄り付き型」は壁の線で囲んだ範囲を入れるとしています。

外階段も、同じ取扱基準でははね出し縁の仲間として扱い、柱がある時は柱の線で測るとしています。『階段は外にあるから入らない』とは限らないんですね。

ウッドデッキは「判断が分かれる」

屋根のないウッドデッキの扱いを、国が示した資料は見当たりませんでした。自治体ごとの判断に任されている部分が大きいところです。

例えば芦屋市は、風致地区の審査基準で、建物から離れていて屋根がないなどの条件を満たすデッキを建ぺい率の対象外としています。ただしこれは風致地区の条例の基準で、建築基準法の取扱いとは別の物です。デッキを計画する時は、土地のある自治体で扱いを聞いておきましょう。

よくある相談:建ぺい率に入らないもの

ここでの結論

相談で多いのは「屋外のガレージと中のガレージの違い」「中庭や駐車場に屋根を掛けた時」「すのこ状のデッキなら入らないか」の3つです。

Q&Aサイトでよく読まれている相談を、要約して答えてみます。

屋外のガレージは入らないのに、インナーガレージは入る?

屋外のガレージは建ぺい率に入らないと聞いたけれど、建物の中のインナーガレージは含まれるのか、という相談です。

まず言葉をそろえておきましょう。屋根のない屋外の駐車スペースなら入りませんが、屋根と壁のある独立したガレージは建築物なので入ります。

建物の中のインナーガレージ(ビルトインガレージ)も、外壁の中心線の内側なので建築面積に入ります。『車庫は面積に入らないって聞いた』という話は、容積率の延べ面積の緩和のことなんです。くわしくはガレージ・車庫は建ぺい率に入る?で紹介しています。

中庭や駐車場に屋根を掛けたら、建ぺい率に入る?

一戸建ての中庭や駐車場に屋根を掛けた場合、建ぺい率に入るのか、という相談も多く読まれています。

屋根を掛けると、柱や壁とあわせて建築物の一部や別の建築物になり、建築面積に入ると考えておきましょう。

「中庭の上に、あとから屋根だけ掛けられますか?」
「屋根を掛けると建築面積に入るので、今の余りに収まるか先に計算しますね。」屋根のない中庭は、一般向けの解説では建築面積に入らないと説明されることが多いものの、公的な資料での明記は見当たりませんでした。

屋根のない駐車場の考え方は、屋根のない駐車場は建ぺい率に入る?でくわしく紹介しています。

すのこやグレーチングのデッキなら入らない?

すのこやグレーチング(すき間のある金属の床)のデッキテラスは建ぺい率に入らないと聞いた、という相談もあります。

ここは注意したいところです。葛飾区の取扱いでは、床がグレーチング状のバルコニーは屋根として扱うとしています。すき間があれば入らない、とは言い切れないんです。

2階のデッキやバルコニーの下が屋根の役目をする形だと、その下の部分が建物として見られることも。計画している時は、自治体の建築指導課(建築の窓口)か設計者に確かめておきましょう。

「不算入」と「緩和」「適用除外」はちがう

ここでの結論

不算入は「面積に数えない部分」、緩和は「建ぺい率の上限が上がる」、適用除外は「建ぺい率の制限そのものがかからない」です。似ていますが別の話です。

『建ぺい率に含まれないもの』を調べていると、角地の緩和や防火地域の話も一緒に出てきますよね。ここで3つの言葉を分けておきましょう。

言葉何が変わる?例
不算入建築面積に数えない部分がある1m未満の軒、地盤面から1m以下の地下
緩和建ぺい率の上限が10%か20%上がる角地、防火地域の耐火建築物等
適用除外建ぺい率の制限がかからない交番、公衆便所、指定80%の防火地域の耐火建築物等
建ぺい率の「不算入」「緩和」「適用除外」の3つを並べ、それぞれ建築面積・上限・制限そのもののどれが変わるかを示した図解

緩和は上限が上がる

建築基準法53条3項では、角地や、防火地域・準防火地域の一定の建物について、建ぺい率に10分の1を加えるとしています。両方に当たれば10分の2です。

例えば敷地100㎡・建ぺい率60%の角地で緩和が使えれば、上限は70%になり、建築面積は70㎡まで建てられます。面積の数え方は変わらず、上限の方が上がるんです。くわしくは建ぺい率の緩和で紹介しています。

適用除外は制限そのものがない

53条6項では、指定が80%の地域で防火地域内にある耐火建築物等や、交番・公衆便所などには、建ぺい率の規定を適用しないとしています。こちらは家づくりで出会うことは少ないですが、言葉が似ているので混ざりやすいところです。

くわしくは建ぺい率の適用除外で紹介しています。

容積率の「不算入」とも混ぜない

「不算入」という言葉は、容積率の話でもよく出てきます。例えば車庫の部分は、延べ面積の5分の1まで容積率の計算に入れない、という緩和があります。

地下室にも、天井が地盤面から1m以下の住宅の地下は、住宅部分の床面積の3分の1まで容積率に入れない、という緩和があります。どちらも容積率だけの話で、建ぺい率の建築面積には関係しません。

よくある勘違い

「車庫は不算入」「地下は不算入」と聞いて、建ぺい率にも入らないと思ってしまうケースです。容積率の不算入と、建ぺい率の不算入は別の条文なので、どちらの話かを確かめておきましょう。

容積率との違いは建ぺい率と容積率の違いでくわしく紹介しています。

不算入を当てにした計画で気をつけること

ここでの結論

不算入の条件はギリギリを狙うほど、数cmの差や自治体の判断で結果が変わります。余りを少し残して計画しておくと安心です。

『1m未満なら入らないなら、0.99mまで出せばいい』と考える方もいるかもしれません。ただ、測る位置や施工の誤差で、思ったより出てしまうこともあるんです。

例えば敷地100㎡・建ぺい率50%で、本体の建築面積が49.5㎡、余りが0.5㎡の計画だとします。横幅3mのバルコニーの出が1.2mになると、0.2×3=0.6㎡が入って50.1㎡になり、上限の50㎡を超えてしまいます。

不算入の部分を確かめる手順
  1. 敷地面積と建ぺい率から、建築面積の上限を出す
  2. 本体の建築面積と、上限までの余りを確かめる
  3. 3段一覧で「条件しだい」に入る物を図面から拾い出す
  4. それぞれの出幅・高さ・開放性を図面の数字で確かめる
  5. 判断が分かれそうな物は、自治体の窓口や設計者に確かめる

図面を見ながら、設計する人にこんなふうに聞いておくと安心です。

「このバルコニー、建築面積に入れない前提で計算していますか?」
「出が1m未満なので入れていません。ただ余りが少ないので、出を少し控えておきますね。」

あとから足す物にも気をつける

家が建ったあとで、カーポートやサンルーム、物置を足すこともありますよね。サンルームは屋根と柱・壁がある建築物なので、後付けすると増築になります。

確認が要らない小さな増築でも、建ぺい率を守る必要はなくなりません。建ぺい率を超えると違反建築物として扱われるおそれがあり、売る時やローンの審査で説明が必要になることもあるんです。

これから建てる人は、不算入も含めてプランで比べる

これから家を建てる方は、バルコニーの出や出窓、カーポートの形など、不算入の条件をどう使うかで同じ土地でも間取りが変わってきます。数字の細かいところは、設計する人に任せるのが確実です。

建ぺい率が気になる土地なら、住宅会社に具体的なプランを出してもらい、どこを建築面積に入れているかも含めて比べてみるのも1つの方法です。

タウンライフ家づくり(PR)

建ぺい率に合う間取りプランを、住宅会社に出してもらう

タウンライフ家づくりは、希望の条件を入力すると、住宅会社から間取りプラン・資金計画・土地探しの提案をまとめて無料で受け取れるサービスです。建ぺい率が気になる土地でどんな家が建つか、具体的なプランで比べられます。

無料タウンライフ家づくりを見る

提案内容は会社ごとに異なります。サービスの詳細は公式サイトでご確認ください。

よくある質問

建ぺい率に入らないものは何ですか?

屋根のない駐車場やアプローチのように建築物に当たらない物と、壁から1m未満の軒、地盤面から1m以下の地下のように測り方で外れる部分です。条件しだいで入る物も多いので、一覧で確かめておきましょう。

バルコニーは建ぺい率に含まれない?

柱のない張り出しのバルコニーで、壁からの出が1m未満なら入りません。1m以上なら先端から1mを引いた分が入り、柱や袖壁があると柱の線で測る扱いになります。

建ぺい率の不算入と緩和の違いは?

不算入は建築面積に数えない部分があることで、緩和は建ぺい率の上限そのものが10%か20%上がることです。角地や防火地域の話は緩和に当たります。

車庫は建ぺい率に含まれないのですか?

屋根のある車庫は建築物なので、建ぺい率の建築面積に入ります。車庫の不算入は容積率の延べ面積の話で、建ぺい率には当てはまりません。

ウッドデッキは建ぺい率に入りますか?

屋根のないウッドデッキの扱いを国が示した資料は見当たらず、自治体によって判断が分かれます。屋根を掛けたり下を使ったりすると入る扱いになりやすいので、計画の段階で窓口に確かめておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 建ぺい率に入らないのは、建築物でない物と、測り方で外れる部分の2種類
  • 敷地の中の物は「入らない」「条件しだい」「入る」の3段で仕分けると分かりやすい
  • 条件しだいの物は、出幅1m・開放性の4条件・地盤面から1mが分かれ目
  • 不算入、緩和、適用除外は別の話。容積率の不算入とも混ぜない
  • ギリギリを狙わず、余りを少し残して計画すると安心
建ぺい率ドットコム

建ぺい率ドットコム 編集部

建ぺい率の意味と計算、用途地域ごとの数値、角地や防火地域の緩和、カーポートやバルコニーの扱い、調べ方までを、家づくりや土地探しの前に分かるように整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次